1970年台、子供達はドリフターズに夢中だった
現代の子供達はドリフターズを知らないんだろうなぁ。
「8時だよ!全員集合」が放映されていたのは、ぼくが小学生の頃だから、50年以上前のことだ。
最高視聴率50%を叩き出したお化け番組だ。
ぼくに限らず、日本中の子供達が見ていた。
五人のメンバーの方々のうち、三人の方はもう亡くなられている。
とにかく面白かった。
何度見てもお腹を抱えて笑っていた。
鉄板ギャグがあって毎週同じことをするのだが、何故か飽きない。
飽きるどころが、そのむしろ同じギャグをやってくれることを待っていた。
テレビの前でいっしょにギャグを真似していた。
小学校に行けば、友達同士でギャグの見せ合いっこ。
もうぼくたちの生活の一部だった。
番組は毎週土曜日の8時、毎回生放送だった。
どこかの劇場で最初の20分はドリフターズのコントが行われる。
その後は歌手のゲストが歌を披露し、合間に短いコントがあり、最後はゲストと共にショートコントが繰り広げられる。
エンディングは皆さんもどこかの温泉で耳にしたことがあるあの名曲で締める、と言う流れだ。
この構成はぼくが見ていた限り、ほぼ変わることはなかった。
今から思えば、子供が真似するには品のないギャグが多々あり、親御さんたちからは不評を買っていたが、当の子供たちは意味もわからずただ面白いってことだけで真似をしていた。
意味なんてどうでもよかった。
それが友達同士のコミュニケーションのアイテムになっていただけのことだった。
何が子供達を夢中にさせたのだろうか。
やはり主役メンバーのバカさ加減が、常軌を逸するほどバカを極めていたところだろうか。
コントではリーダーが主役メンバーを虐げるのだが、ちょっとした反撃に転じ、リーダーに一矢報いるところもまた魅力だった。
現代にあの番組を放映したら、うけないんだろうなぁ。
たぶん親御さんに猛反対されて、たちまち放送を中止されてしまうだろう。
しかし日本中の子供達を夢中にさせる要素をうまく取り入れ、お笑いを文化にしてしまい、現代のお笑い番組の礎になったことは間違いない。