【連続note小説】日向食堂 小日向真司18歳
真司は高校を卒業した。
文枝には苦労を掛けてしまったが、思い返せば楽しいこともたくさんあった。
高校に通わせてくれた母に心から感謝した。
“お母さん、ありがとう”
これからは苦労を掛けた分、母に楽な思いをさせてあげなければならない。
友達はみんないいやつばかりだった。
真司は弁当を自分で作って持ってきていた。
真司が新聞配達でトラブルを起こして、弁当を作れなくて、昼ごはん食べれなかったとき、友達がカンパして昼ご飯代を捻出してくれた。
お金がなくて真司が体育用の冬用ジャージを変えなくて、半袖短パンで震えていると、みんなで真司に密着するように取り囲んで温めてくれた。
この友情は母から与えてもらった貴重な心の財産だ。
一生大切にしていこう。
ただ立花あおいとこれで会えなくなるのは虚しいが、真司には成す術がなかった。
こうして真司の青春の1ページがめくられ、新しいステージへと踏み出していった。
<続く…>
<前回のお話はこちら>
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