ぷく

ラノベとか短編小説とか詩とか気が向くままに連載します。 画像はすべてオリジナルAI画像です。←ご自由にお使いください。

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最近の記事

いつもの廊下 第8話 最終話

最後の話。 その時の僕は、親から貰ったものと あたかも、自分で手に入れたように感じていたものと 偶然をよそおった必然と・・ 一緒に暮らしていた。 幸せで、楽しくて、 それでいて 順風満帆のようにも思えたし それだけで良かった。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 僕は、神様。 こどもの頃、ハムスターを二匹飼っていた。 ネズミ算式に増えなかったので、 オス同士かメス同士だったのだろう。 家と言うか・・

    • いつもの廊下 第8話

      眠りに落ちるとそこは天国だった。 中立。 そこには、不安も希望もなかった。 ただ、あの現実には戻りたくはない。 ここなら、安全。嫌な事は、何一つない。 ここにいたい・・ もう、ずっと、ここにいたい。 でも・・ 違う・・ ここは、天国じゃなかった。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ある春の日 昨日から妻の病室に泊まり込んでいる。 夫として妻の最後に立ち会うために・・ あの時改変された現実が、もとのシナリオに戻されている。 誰かが裏切った・・ そう思った

      • いつもの廊下 第7話

        その廊下の先には、 忘れる事も、 逃げる事も、 保留する事も出来ない、ひとつの避け切れない現実があった。 何が起きても大丈夫・・ 当時の僕には、そんな高等な哲学は有るはずも無く ただ、 有無を言わさず迫り来るその時に脅え、 そして目をそらしていたのかも知れない そんな事が起こるはずがない・・ ただ、今でも、実感が残っている。 アリアリとして・・ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ある日の夕食 新婚。 子供なし。

        • いつもの廊下 第6話

          逃げ墜ちる その現実は、なにひとつ改変されなかった。 やはり息苦しい・・ この苦しみは、いつまで続くのだろう・・ 期待させられて突き落とされた。 やっぱり、妻は、死ぬんだ。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 現実の改変 体外離脱した僕は、 いや。 当時の僕は、幽体離脱って思っていたのかな? とにかく、7・8才くらいまで僕は、毎晩のように眠ったあと、身体を抜け出して楽しんでいた。 そんな記憶がある。 もちろん、ずっと、こんなバカげた記憶は、夢か妄想だと思っていた。

          いつもの廊下 第5話

          人間の屑 人生に青写真が有るのだとしたら・・ 僕の、あの悲劇は、 外せないイベントとして僕の人生に組み込まれていたに違いない。 宿命のように きっと、どうしても避けられなかったんだと思う。 どうあがこうが、すべては、あの廊下に繋がっていたはずだ。 今も、そんな風に考える。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ フラッシュバック その映画館は、女の子たちが、 すすり泣く声でいっぱいだった。 僕も、カッコ悪いけど涙が止まらない・・ 主人公が、海底に沈んでいく 女の子

          いつもの廊下 第5話

          いつもの廊下 第4話

          そこで、彼らは、こんな風に言ったんだ・・ 時間とは、夢を見てるあいだのことなんだよ。 そんなの、本当は、はじめから、どこにもないんだよ。 僕も、何だかわくわくして・・ うんうん。 知ってる。 知っていたのか、嘘をついたのか、 それは、もう、おぼえていないんだけれど。 でも、 それはもうわくわくするから・・ ちいさかった僕は、 ただ、わくわくするから、「知ってる」って答えたんだ。 そこだけ、はっきり覚えている。 たぶん、それが真実なんだろうと思う。

          いつもの廊下 第4話

          いつもの廊下 第3話

          ・・・・・・・・ つまらない隠し事をしていた。 つまらないと言ったけど、 僕にとって、本当は、つまらなくなんてない。 これは、もう僕の中で、 今、一番重大な問題になってしまっている。 でも、多分、僕じゃなくて、みんなから見ると かなりつまらない、どうでもいい軽い問題だと思われそうだ。 そんなふうな、つまらなくもなくつまらない・・ そんな、隠し事をしていた。 ☆☆☆☆☆☆ シナリオ ここは、居酒屋チェーン「○ンズ」 関西圏で、当時一世を風靡した居酒屋

          いつもの廊下 第3話

          いつもの廊下 第2話

          希望の向かう先 この星の人間ってやつらは、 自分で自分がどれだけ疲れているのか よくわかっていない。   どれだけ傷ついているのかの自覚もない。 というか、まったく気が付いていないようだ。   たとえそれが、生命を左右する危機だったとしても・・   もちろん、わからないものは、わからないし。 気がつかないんだから、どしようもないない。   これは言わば、 意識外からの攻撃みたいなものだ。   気付いていることは、気がついた事だけだし 知ってい

          いつもの廊下 第2話

          いつもの廊下 第1話

          ああ、やはり今日も息苦しい・・   僕は、車をいきおい良く駐車スペースに放り込んだ。   ブレーキの荷重を、まだ前に残したまま、キーを抜き、エンジンを切る。 そして、意味もない虚勢を張った勢いで車のドアを開けた。   ちょっと乱暴にふるまう事で、この息苦しさから ほんのちょっとだけ、解放されるかも。   そんな風に思ったのだが、そうでもなっかた。   大病院の駐車場も、流石にこの時間帯になると空いている。   これは、ちょっとした救いである。 昼

          いつもの廊下 第1話