作家・吉本ばななさん。
「ミトンとふびん」吉本ばなな著
地元新聞の読書欄で吉本ばななさんが紹介されていた。懐かしい気持ちで一杯。20代に出会った小説「キッチン」は何度も引越した私が唯一持ち続けた本。当時は新作が出る度に読んでいた。しかしある時からなぜかパタっと読まなくなった。20年ぶりに本作を読むことにした理由。帯の言葉「この本が出せたから、もう悔いはない。引退しても大丈夫だ。」そこまで言い切れるとは。これは読むしかない。装丁が美しいことも決め手になった。さっそく読み始める。
「夢の中」「SINSIN AND THE MOUSE」「ミトンとふびん」「カロンテ」
「珊瑚のリング」「情け鳩」の六つからなる短篇集。
六つの物語に登場する主人公はすべて女性。舞台は海外・・・。
さて。ここで白状しないといけないことがある。
私は昔から読書感想文が苦手だ。あらすじも書けない。
ここから先は私の心の声を書こう。
続きが読みたい、グイグイ引き込まれる。主人公の女性が関わる温かい心の持ち主たちの何気ない言葉。この一文を読みたいがために吉本ばななさんの本を読んでいるといっても過言ではない。
20代にキッチンを読んだ時の私に死はあまりに遠かった。あれから30年。身近な人の死を経験し死生観も変わった。吉本ばななさんの本作を今読んだことに意味がある。人生は深い悲しみに覆われる時があっても人との出会いやさりげない言動で希望が持てたり前を向いて生きていく力が湧いてくるんだ。
今後の私の人生に寄り添ってくれる本との出会いに感謝。
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