頚椎損傷の殿との生活2

さて、病院に行かねばならない。
殿の手術の時間が迫っている。

次男(同時5年生)
病院へは行きたくないとぐずる。
長男(同時中2)
お前さ、パパ、死んでしまうかも知らんねんで
後悔するやろ
塾の勉強はいつでも取り返せる
行くで


ありがたい。成長したなと思う。
絶賛反抗期だったはず。

必要なものをまとめて
車に乗り込む。

寝ていない
眠れるはずもない
ただ、神経は尖ったまま

車の運転気をつけないといけないな

それだけを考えて走る。

手術が終わるまでここでお待ちください
案内された小さな部屋
子供達に朝ごはんも食べさせていないことに気づく。
コンビニで色々買い込み
ひたすら待つ

職場の友達の1人が心配して会いにきてくれた。

大丈夫か?
大変やったやろ?
ねてないんやな。
俺、子供達見といてやるから、少し寝たらいいで。
まだ、かかるやろ。

ありがとう。でも、眠れそうもない。

少し安心する。昨夜から初めて、病院関係以外の人と直接会い、話をした。

入院の手続きやら、職場への連絡やら、色々とやらねばならないことがある事に気づく。

子供達を彼に任せて、そういった事をやる。
頭を働かせていなければ、不安で押しつぶされそうになる。

何で、こんなことになった?
手術は成功する。
そして、彼は無事に元気になる。

それをただ信じていた。

でも、もし...
何度も、何度も、その問いが頭に浮かんでは消える。

最悪の場合...

手術がおわる。どれだけの時間が経ったのか
わからない。

医者に呼ばれる。

手術は無事に終わりました。
ここが折れてるんです。
骨は繋がると思います。
ただ
神経はわからないです。
再び起き上がれて、動けるようになるかは
わかりません。

え??
手術は成功したんですよね?起き上がれないってどういうことですか?

上手くいったとして、車椅子生活だと思います。
ご主人の場合、折れたところから下が動くかどうかはわかりません。
最悪、自力で排出もできません。
その場合、奥さんにそのお手伝いをしていただく必要もあります。

え??

何をいってるの?
涙が溢れる。
足の力が抜ける。

私たちに突きつけられた
現実だった。

これからどうする?

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