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旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪

お別れの時まで続く、家族の絆

私がマドリードを去る日は、ハビの家族だけでなく、ウィーンでのドイツ語学研修時代の仲間まで、まるで家族を見送るかのように私を見送りに来てくれた。
ハビの家に、荷物を乗せにやって来てくれる友人もいれば、空港にてサプライズで登場して、感動させてくれた友人もいた。
「ウィーンで頑張ってね、Rina!」
「数月後に必ず遊びに行くから、首を長くして待っておいて!」

そしてスペインの弟、ハビと私は、ウィーンでの留学期間中も、本当の家族のように、いつも助け合った。
ハビの家族はハビの世話をしに来られたはずが、私の分の洗剤やペーパータオルまで、持って来てくれた。
今でもハビ本人はもちろん、彼の家族や親戚をはじめ、初めてのウィーン・ドイツ語学研修時代の友人達と、連絡を取り合う仲だ。
コロナが終息し、次は彼らが日本に遊びに来てくれることが、今から待ち遠しい。

バルセロナの友人

いよいよお別れという時、彼らは語学研修で同じ寮にいた、もう一人のスペイン人のことも思い出した。
「そうだ!バルセロナでは、カルロにくれぐれもよろしくな!」
寮にいたほとんどのスペイン人がマドリッド出身だったが、一人だけ、カルロはバルセロナ出身だった。
だから私は、マドリッドだけでなく、バルセロナでもまた、ホームステイをさせてもらえた。

「マドリッドは行って、バルセロナは来ない?だめだよ、まずはバルセロナに来ないと!」
そう言って、カルロはドイツ語語学研修中から、パソコンでバルセロナに来れる飛行機を調べてくれていた。
スペイン人集団の中でも、キッチンでバックミュージックを流したり、料理を作ってくれたりと、リーダーシップを取っていた、カルロ。
私にとっても兄のような、とても頼もしい存在だった。

「どうして、カルロの料理はいつもこんなに美味しいの?」
「それは、バルセロナに来たら全て分かるよ!」
ハビ家族と同じように、バルセロナではカルロ家族が部屋を用意して、楽しみに待ってくれているようだった。

海の町、バルセロナ

バルセロナに着く頃には、ウキウキした気分は再び最大限に達していた。
空港の到着ターミナルに着くと、
「Rina!」
という明るい声が聞こえる。
カルロとお父様が最前列で待っていてくれ、マドリードメンバーに負けないパワーで、強く抱きしめられた。
どの地域に行っても、スペイン人は本当に温かく情熱的だ。
この真っ直ぐで分かりやすい情熱が、とても好きだ。

カルロのお父様の車で、カルロの家へと向かった。
白く南国風の家はミハスでも見たとても可愛らしい外観で、ここバルセロナがスペインの海の町だということを、思い出させてくれた。

教師?!サーファー?!

マドリッドのハビ家族と同じように、ここバルセロナのカルロ家族も、昔からの知り合いだったかのように私を大歓迎してくれ、荷物を解くのまで手伝ってくれた。
父も母も教師だというが、その明るく開放的な容姿は、教師というよりサーファーという感じだった。
こんな先生達に教えてもらえたら、毎日の授業もより、やる気が出そうだ。

カルロと家族は、バルセロナまでのスペインの旅、特にマドリードでの話に興味津々で、特にマドリードメンバー全員と再会したディナーについては、自分達もそれに参加しているかのように色々と質問してくれた。

「カルロ、あなたは本当に深い絆を語学研修で作ったのね」
「僕もマドリードのRinaとの同窓会ディナーに、参加したかったよ。次は集合場所、バルセロナにしたいね!まだマドリードが恋しいかもしれないけれど、明日からはバルセロナのツアーを企画してあるから、楽しみにしておいてね!」
「そうだな、カルロ!息子は、国際的な友達と一緒に君のバルセロナ観光のスケジュールを立てていたよ。Rina、バルセロナも思う存分、楽しんでね!」
カルロや家族からバルセロナの色々な場所について早速教えてもらい、私は明日からのバルセロナ歩きが、待ち遠しくなった。

マドリードとバルセロナ

この両都市はサッカーの試合などでも常に対抗して、仲が悪いイメージだったが、ハビ達マドリードメンバーとカルロ、そして彼らの両親は互いをリスペクトしていて、全く対抗意識がなかったのにもびっくりした。

「これって海外で出会う、日本人と同じかな……」
ウィーンの音楽研修で出会った方々は皆、東京や名古屋、倉敷など別地域の方々だったが、私が神戸出身だからと言って、「関西の人」と意識されることはなかった。
「一旦海外に出てしまったら、対抗は協力に変わる」
マドリードとバルセロナの彼らの温かい絆は、私にそんなことも思い出させてくれた。

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