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旅にまつわるBGMを聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪

ウィーン国際空港にて

「帰りたくないなぁ……」
祖母と母が、空港で最後のスワロフスキーショッピングを楽しんでいる頃、モーツァルトチョコレートを食べながら、私と弟はそうつぶやいていた。

最初こそ、大人と子供でひどい温度差があった、この旅先、オーストリアだったが、帰る頃には、私達子供達をもこの国は虜にしてくれた。

大人達は、音楽以外にも収穫が大きかったようだ。

紳士に魅了された?!祖母

「オーストリアの方々って、みんな、本当に紳士だったわねぇ……」
ザルツブルクでは、間接照明でとても暗いレストランでつまづいてしまった祖母。
そこで美しい男性に支えられエスコートされたことも、良い思い出になったようだ。
その後も、ウィーンではたくさんの男性に観光案内を申し出られたり、紳士的に振る舞われ、ヨーロッパでも男性にモテた祖母に、私達もびっくりだった!
その割に、
「自分達で観光したいんですの。ごめんなさい」
と、紳士達の申し出を断ったのは、意外だったが。
ある意味、無敵状態の祖母であった。

習い事の英会話をフル活用できた母

「こんなにママの英語が役に立つなんて!」
まだ私の英語が半人前だったため、この旅のフリータイムで一番、交渉や通訳を頑張ってくれたのは母だった。
馬車やコンサートの質問や値引き、レストランのメニューなど、隣で祖母が日本語で
「子供代金は?」
「チキンって、鶏肉じゃないの?無理よ!チキン、ノーノー!」
などと割り込み聞いて来る中で、本当に良くやっていたと思う。

スピーキングが苦手だと言う母だったが、この頃が一番、英語力が冴えていたのではないかと思うし、英会話へのモチベーションもアップしたようだった。

音楽と芸術の魅力を知った、ティーンと少年

「音楽って、芸術って、すごいパワーがあるんだ!」
子供達にとっては、特に魅力も感じず、視界にも入らなくなって来ていた芸術が、一気に魅力を増した旅となった。

「野球チーム入っても、ヴァイオリン、ちゃんと練習するな」
素直な弟は、祖母と母を大いに喜ばせた。
「私も、夏の発表会はでよっかな。おんなじなら、オーケストラとコンツェルトで共演とかしたいなぁ」
ハリウッド映画や英語に夢中だった私も、気付けばそんなことを口走っていた。

同じツアーで仲良くなったTさんと孫娘のMさんは、空港での待ち時間に名残惜しそうにお喋りする私達を、温かく見守ってくれていた。

ツアーの人たちとの絆〜何事にも参加することは大切〜

「毎年名門オーケストラを呼んでいる会社の方、私、知ってますの。Mちゃんも、いつか共演してもらうつもりなのよ。理菜ちゃん、T君もそんな時が来るかもしれないし、連絡先、お伝えしておきましょうか?」
Tさんは、会社のKさんの連絡先を快く母や祖母に教えて下さった。
今でもTさん、オーストリアから方向を変えイタリアに留学したMさんとは、連絡を取り合っている。

ツアーでは、現地をじっくりと見られなかったり、お土産店の時間が長すぎたりというデメリットもある。
でも、こういう人生のシンクロニシティー〜偶然〜が、ツアーだったり、何かに参加した時に、ふとした所で起こる。
それを考えたら、何かに参加すること、人と関わることがいかに大切かが見えて来る。

このツアーで広がった人生

結局この年、弟も私も、より野球や英語にのめり込み、オーケストラ共演プロジェクトに参加などとは程遠かった。
でも色々な不思議な流れで、この会社のKさんが後に私の運命を変えて下さることになる。このKさんが名教師、岩田朋子先生を紹介下さったのだ。そして岩田朋子先生の導きで、私はウィーンに留学することが出来た。

ウィーンでの学生生活なしに、私の人生は到底語れない。
私はこのツアーに参加できたこと、たまたまこのツアーに申し込んでくれた母と祖母、共に楽しんだ弟、留守を守ってくれた父、Tさんと孫娘のMさん、全ての人々に感謝しなければいけない。
シンクロニシティー万歳!

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