カナダ8 フツフツと沸いた物欲・その先にあった世界
旅にまつわるBGMを聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪
ホームステイを実現した後は、パソコンと携帯電話?!
帰国の日が近づく中で、私はホストファミリーや語学教師のおかげで、同世代の友人達も出来た。
ホストファミリーとは、
「手紙で連絡を取り合おうね」
と涙ながらに誓い合ったが、同世代はこぞって
「メールで連絡を取り合おう!」
と言って来る。
「メールって、携帯やパソコンがいるんだけど……!」
私の次なる目標は、アメリカ留学はもちろん、このハリファックスの彼らと連絡を取り合うために、パソコンや携帯電話を買ってもらう事も加わった。
「ホームステイを叶えてあげたと思ったら、次はパソコンや携帯電話?!いいかげんにしなさい!」
母の反応は、世間一般的に普通だろう。
この私のお願いを裏手にとったのは、意外に祖母だった。
「ピアノのコンクールで賞が取れたら、買ってあげる」
「本当?!」
ハリファックスで弾いた、白いピアノを思い出して
私は不意に、ホストファミリーとの一コマを思い出した。
ホストファミリーの家のリビングルームには、白いピアノがあった。
当時テニス部で英語に燃えていた私にとって、ピアノは完全に趣味で、真面目に弾く日はあるのか、という状態だった。でも、
「何か弾いて、Rina!」
とお願いされたので、白いピアノに惹かれ、たまたま弾いていた曲をたどたどしく弾いた。
するとホストマザーは涙を流し、ホストファザーにも
「素晴らしい!ずっとピアノを続けてほしい!」
と抱きしめられた。
こんな趣味の演奏で、そんなに喜んでもらえるなんて……。
心が温かくなった。
小学校4年生の反抗期を境にモチベーションが下がって行き、中学進学で完全に趣味になったピアノ。だが、このホストファミリーとの一コマも思い出し、
「久しぶりに向き合ってみようか!」
と思った。
テニスと英語に燃えていたティーンが、ピアノコンクールへ
小さな時から支えて下さった吉田先生、ウィーンツアーのTさんから紹介して頂いたKさんから紹介して頂いた、岩田先生のおかげで、趣味レベルのピアノしか弾けなかった私が、なんと奇跡的に賞を頂くことができた。そこから、高校を音楽高校にする道を真面目に考え出し、ハリウッドで活躍する音楽家という道も考えて行ったのだった。
とんでもない子供の、エネルギーの活かし方
絶え間ない「お願い」をして来る、私のようなとんでもない子供は、今の世にもいるはずだ。
そのエネルギーをどう活かすかが、「とんでもない子供」を持った家族の腕の見せ所なのかもしれない。
私が音楽と向き合うきっかけをくれたホストファミリー、物欲をかもし出してくれた同世代の友人達、コンクールや音楽高校合格へと、結果を導くレッスンをして下さった先生方や応援してくれた家族、このカナダから帰国後の不思議な道を支えてくれた全ての人に、心からの「ありがとう」を言いたい。
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