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訪問国10 チェコ

旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪

ウィーンからチェコへ

私が初めてチェコに足を踏み入れたのは、まだウィーンへ留学する前のこと。
ウィーン国際音楽セミナーの終了演奏会後、エクスカーションツアーとして、チェコの首都、プラハへ行ったのだった。

セミナー参加者の中で最年少だった私は、素晴らしい先輩方の中では、犬や猫のような、彼らのペットのような存在だったかもしれない。
ウィーンからプラハへ車で向かう間、美しい平原も通った。
私達は車窓を楽しみながら、プラハでどこに行きたいかを、ドライバーも務めてくれる頼もしい添乗員さんに話していた。

プラハ観光、まずはどこに行く?

「カフカゆかりの地に行こうよ!」
「カフカって、村上春樹の”海辺のカフカ”ですか?」
「あはは!違う違う、理菜ちゃん!カフカってさ、“変身“って作品を書いた作家の名前なんだよ」
当時はまだまだ、音楽以外の西洋芸術は何も分かっていない私だった。

「そうなんだ!Mさんからもっと学びたいです」
「お〜!いくらでも教えるよ」
「じゃあ、カフカの家や通りは、マストですね」

「添乗員さん!私はカレル橋、見たいです!」
「森さんは、王道の観光名所で攻めて来ますね。了解」

ドヴォルザークとスメタナを生み出した、チェコ

「ドヴォルザークやスメタナ、モーツァルトゆかりの地も見ようよ」
そう。チェコはかの有名なドヴォルザークやスメタナを生み出した国で、プラハはモーツァルトのオペラには欠かせない、大事な都市だったのだ。

「皆さんに、音楽ゆかりの地は外せないですね。あっ!でもまずは、僕の一押しスポットから始めましょう!」
プラハに深い思い入れがあるという添乗員さんの目もまた、私達に負けじと輝いていた。

チェコ愛は誰にも負けない、添乗員さんの一押しは……

そうして、プラハに入ってまず連れてきて頂いたのがヴァーツラフ広場だ。
「あの銅像の人は?」
「初代ボヘミア公”ヴァーツラフ1世”ですよ……。この像の前で、チェコスロバキアは正式に独立を果たしたんです」

「歴史的な場所なんですね。車の中で、ソ連時代のエピソードもあるって言ってなかったですか?」
「もちろん!プラハの春の時には、まさにこの像の前でデモが行われていたんです。そこにソ連が弾圧を行うんですよ。あまりの惨さに、自殺を行なった者もいたんですよ……」
まるで、そこに居合わせたチェコ人かのような、臨場感あふれる説明だった。

チェコを創った場所

今では、その惨さは全く感じられないが、説明を聞いていると、
「この広場があって、今のチェコがある」
ということがよく分かった。
チェコ出身の作曲家、スメタナやドヴォルザークのメロディーからも、何か哀愁を浴びるものを感じさせられるが、それは民族的なものが大きいという。
この広場といい、彼らのメロディーといい、知識を知り、そして感じることで、第六感もより豊かに働かせられる気がした。

私達はこのヴァーツラフ広場で激動の時代を感じ、そして、時代を変え、平和なチェコを創ってくれた人々に感謝したのだった。

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