20年の会社員レースを振り返って仕事で得た最大の報酬
それは品川駅の新幹線ホームで突然やってきた。
ワーママとしてキャリアに希望のようなものを持っていた10年前。
その頃はまだ
「私も先輩方のようにキャリアの階段を上がっていくんだろう」
と無意識に信じてがんばっていた。
両親に子どもを預けて東京に出張へ行き、新幹線の最終電車を待つホームでふと気づいたこと。
「ん?会社員ってトップになる人ってひとりだよね…?」
「となるとどこかでキャリアの階段はストップするんだよね…?」
「しかも3ケタいる同期の中で多くてもたった1人?それってめちゃくちゃ勝率低くない?」
「そもそもキャリアってその時の運とか誰と知り合いか、とかにもよるし」
順調に引かれていたと思っていたレールの先が突然消えていく感覚。
自分が目指していたものが雲のようにつかみようのないものだと悟った帰りの新幹線の2時間半は、どこに連れていかれるか分からないタイムトンネルに入ったような気分だった。
それに気づいてからも会社員を10年続けています。
その10年のうちに2回子連れ転勤をし、昇進し自分が望む仕事もさせてもらいました。
久しぶりの出張で改めて
自分がなぜ会社員ラットレースにいるのか、
分かったのでnoteに書き留めておこうと思います。
会社員の最大の報酬
今回の出張で昔お世話になった上司3人と食事をしました。
私が営業で駆け出しの頃お世話になった人
中堅になりチームリーダーとして関わった人
新任課長になってから仕えてリーダーシップを教えてくれた人
それぞれ昔のできた仕事や失敗談をネタに話は尽きることなく、盛り上がりました。
仕事はその人の人柄を表します。
いくら取りつくろっても強みも弱みもイヤでもあぶりだされます。
私の強みも弱みもすべて知った上で包み込んでくれた上司たち。
自分のいい点も弱さも知ってくれている人がいること。
その人たちと一緒にがんばった仕事を肴に飲む。
これが仕事の最高の報酬ではないかと思えたのです。
例え全てがうまくいく仕事じゃなくても、一緒にもがけばもがくほど思い出も深い。
よく言う「上司ガチャ」も最初はウマが合わない人ほど、お互い理解し合えた時の絆は強い。
私もいつかメンバーと一緒においしいお酒が飲めるように、かつての上司たちがしてくれた人間関係構築のコツに気を付けようと思います。
他者への信頼と尊重を持つ
かつての上司はメンバーへの信頼と尊重を持って接することで、職場での関係性を自然と築いておられました。
特に「信頼」は、すぐに得られるものではなく、小さな行動の積み重ねで少しずつ培われるもの。自分の目の前にいる人の話をしっかり聞き、その人が大切にしている価値観や考え方を尊重することが重要、と改めて感じました。
率直なフィードバックを行う
職場での人間関係が成長するもう一つの鍵は「率直なフィードバック」です。例えば、上司が厳しい指摘をしたとき、最初は戸惑いを感じても、その背後には自分への期待や配慮があったと後から気づくことが何度もありました。
フィードバックがもらえるということは、相手がその人を本気で支え、成長を応援している証。私も意識して仲間や後輩たちに具体的で率直なフィードバックを心がけています。
小さな感謝を積み重ねる
印象に残る上司の声かけは「小さな感謝を伝えること」。
忙しい毎日の中で、わざわざ感謝を伝えるのは面倒に感じることもありますが、私の経験では感謝が人間関係をぐっと近づけることが多々あると感じました。
メールでの「ありがとう」や、会議の後に伝える「すごくよかったよ」の一言が、思いがけず長期的な信頼関係の礎になることもあります。少しの感謝が相手の心を温め、それがさらに職場全体の雰囲気を明るくするように思います。
チームメンバーの強みを見つけ、引き出す
かつての上司が口をそろえて言ってくれたのが
「なつゆうさんって〇〇なところが強いからね」
という私の強み。
メンバー一人ひとりの強みを知り、それを生かすようサポートしていたんだ、ということが改めて伝わりました。
すべてのメンバーが同じやり方で成果を出せるわけではありません。それぞれが得意とする分野において輝けるような環境をつくることが、より良いチームワークを生む鍵だと感じています。
チームメンバーの強みを見つけて尊重することが、その人のやる気を引き出し、結果としてチーム全体の力を引き上げることにつながります。
こうした具体的なステップを踏むことで、私が日々感じている「仕事の最大の報酬」である人間関係が築かれてきたと感じました。
新幹線のホームで立ち尽くした10年前の私が今の私を見たら、仕事を続ける理由も、仲間との関係性も、大きく変わったことに驚くかもしれません。
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