29歳独身女が家事・育児代行してみたら
おいおいおい
姉が先日の大雪で、滑って転んで利き腕(右)を複雑骨折した。入院、手術も必要らしい。私は家事・育児をサポートするため、姉の家に泊まり込みで10日ほどお邪魔することになった。
姉の子供は3人で、10歳長女・8歳次女・3歳長男。一方こちとらつい最近子供嫌いを克服(?)したばっかりの人間である。
この年代の子たちと「遊ぶ」ではなく「一緒に生活する」こと自体、初体験だ。一抹の不安もありながら、共同生活をスタートさせた。
兄弟ってそういえばそうだった
結論、想像に違わずびっくりするくらい大変だった。
3人が3人違う動きをするし、食の好みもバラバラだし喰わず嫌いも多いし、
上のお姉ちゃんたち2人は承認欲求爆発で嫉妬し合いまくって「そんなことで!?」って理由で毎日喧嘩して大騒ぎだし、末っ子は超絶イヤイヤ期で、保育園まで私に抱っこして送らせてくれるまで数日かかったし。
ご飯作って起こして食べさせて保育園送って小学校見送って洗濯して掃除して エトセトラエトセトラ。これを毎日無給でやってる世の中のママパパを改めてすげえ、と尊敬した。
中でも一番頭を悩ませたのが、兄弟喧嘩だった。
あらかじめ先人たちのアドバイスをインプットして、「親は兄弟喧嘩をジャッジしない(裁判官にならない)」を徹底するよう意識した。
でも実際に文章で把握するのと実践するのは大違い。
上の10歳・8歳のお姉ちゃん2人とは毎日一緒にお風呂に入るのだけど、浴室が寒いからか、いつもシャワーの順番で揉める。
いつもジャンケンして順番を決めていて、その日は次女が1番目、私が2番目、長女が3番目。
すると次女が私にこっそり「ねえ海ちゃん、順番交換して」と言ってきた。私は正直何番でもいいので「いーよー」と安請負い。
そして最初に私がシャワーを浴びようとした瞬間、長女の怒号が響いた。
「順番違うでしょ!?なんで!!??」
私が事情を説明すると、
「ダメだよ、ジャンケンで決めたじゃん!!ずるいよ!!!!」
「私と次女ちゃん間での交渉だったし、長女ちゃんは正直順番に影響しないじゃん」
「ダメ!!!絶対ダメ!!」
とうとう次女ちゃんにパンチして、次女ちゃんは泣きそうになりながらキックでやり返して、喧嘩をぎゃーぎゃーと始めてしまった。
「まーまー今日はこの順番で。明日から、ジャンケンで決めた順番は必ず実行する。それでいい?」
双方納得いかなそうな顔だけど、なんとかその日はそれで終わった。
プロに聞こう
怪我をした姉とは別の姉が長いこと保育士をやっているのだけど、先日ちょうど会う機会があったのでその話をしてみた。
「あっはは、それはそうなるよ。」
「もうなんかさ、あそこまで理不尽さとか不正とかに敏感な年代なんだなって。そう思ったわ。」
「そりゃあね。決めたことが覆るってこともそうだし、長女ちゃんには海が次女ちゃんの肩を持っているように見えたのかもね。」
「どうすればよかったんだろう。」
「まあ、どっちがどう良い悪いをジャッジしなかったのは偉いけど、あとは瞬時に、何がその子のセンサーに引っかかったのか把握することだね。今回の場合だと素直に、あんたが長女に謝らないといけなかったと思うよ。『決めたこと変えてごめんね』って。相談すべきだったって。」
そうか。私は変に「長女ちゃんは順番変わらないじゃん」とか言ってしまったけど、本人からしたらそこが問題なわけじゃなかった。なんで決めたことを覆しているのか、私の知らないところで、って部分だった。
「大人と同じだねえ。」
「そうなのよ。」
口下手なまま育った大人もいるし、ハッキリ物が言える子供もいる。改めて年齢は関係ないなあと思った。
その人が感じている「感情の本質」をちゃんと見抜いて、キャッチする。大人だろうと子供だろうと、それはとっても重要で、とっても難しい。
これも噂に違わず、子供はいろんなことを教えてくれる、偉大な先生だった。
でも私はちょっとしばらく、もういいや。