📖読書記録📖『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の一』
読書紹介記事を書く青沼りんです📗
今回は、百貨店で富裕層を相手に神戸の街を走り回る女性外商部員の奮闘物語をご紹介したいと思います。
●今回ご紹介する本『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の一』
高殿 円
発行所 株式会社 小学館
2019年7月10日 初版第1刷発行
●あらすじ
神戸の老舗、富久丸百貨店で富裕層を対象にした営業を行う外商部に初の女性として配属された鮫島静緒。
月1500万円(!?)のノルマを目標を背負い、斜め上をいく富裕層の要望に神戸の街を走り回る静緒。新規顧客がつかないことに悩んでいた静緒元に、外商部の上司であり静緒の憧れの葉鳥からある提案をされる。
それは葉鳥の顧客から留守を預かった高級マンションに1年間代わりに住んでほしいとの事。
富裕層と同じ地域で暮らすことで顧客開拓に繋がるというアドバイスを受け入れた静緒だったが、それがひょんな事でゲイと知ってしまった外商部の後輩で王子と呼ばれる桝家修平との同居というおまけ付きだった。
外商部ではライバルだったふたりだが、静緒の顧客開拓、桝家の家を出たいというお互いの利害関係が一致したことで職場には超トップシークレットの同居が始まる。
●感想
主人公の静緒は、地元の有名パン屋さんの右腕として働いていたところを百貨店側からヘッドハンティングされ、百貨店でバイヤーとして働くようになってからも持ち前のアイデアを駆使して社長賞を何度も取るほどの実績を上げ続けます。
一度は社内結婚をするも離婚後も変わらず実績をあげる超有能人物です。
そんな彼女が次に配属された先は富裕層を営業対象にした外商部。
葉鳥から引き継いだ地元の地主から外国籍の社長、関西の暴力団の愛人といった顧客を増やし、ライバル関係の桝家ともなんだかんだで高級マンションでの同居生活を快適にす過ごす静緒。
慣れない聞き慣れないブランド名の勉強やハイレベルな対応を求められるも静緒が理想とする外商部員像になれるよう目標を定めてなんとか食らいつく彼女の姿がとても眩しいです!
また、無理難題と思われる要望の中に眠る富裕層の思いを紐解く静緒の分析力はどのジャンルの仕事にも役立つものばかり。
本書を読んで学んだ外商部にとってなによりも大事なことは「流行りの仮面ライダーベルトは早めに調達する」です。
そして一般庶民の私には一生縁のない富裕層の豪快な買い物やハイクラスな世界観を静緒の目を通して見えるというこれぞ小説の醍醐味!と言った小説です。