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スカイウーマン
こんばんは。
諸々いろんなものに追われていて、なかなか手つかずになっています。
今も来週のテストとペーパー2つの締め切りがあるのであまり時間はないのですが、さきほど読んだ本で印象に残ったことがあるので記録しておこうかと。
わたしが住んでいるカナダは、カナダという国ができあがる前には先住民族の方々がこの地で生活をされていました。たくさんの民族がいて、たくさんの呼び名があるのですが、一般的にはファーストネーションやインデジェネス(indigenous people)と呼ばれています。そして、わたしたちが「白人」と呼んでいる人たちは植民地時代にヨーロッパから入植してきた「settler(入植者)」「immigrant(移民)」になります。
なので、時をさかのぼっていくと、いまここに住んでいる人たちは様々なルーツをもつ人達になります。北米大陸はこの植民地時代の歴史をもって非常に複雑な歩みをしてきました。ここでの生活や文化、人すべてをこの歴史的背景抜きに語ることはできないので、知ることはとっても大事なことです。
わたしもカナダにきてから知ったこと、学んだこと、実感したことがたっくさんあるので、このことについては、また改めて、書いていけたらいいなと思っています。
さて、それで先ほど、授業の予習でリーディングをしておりました。その本が、とても興味深かったのです。
Robin Wall Kimmerer
Braiding Sweetgrassという本の「Skywoman Falling」という章です。
スカイウーマンのお話なのですが、簡単にまとめると、空から女性がたくさんの植物や花の種を抱えて降ってきて(天空の城ラピュタみたい)、そこで他の海の生物や鳥たちに助けられ、亀の甲羅の上に身を置かせてもらいます。この女性に必要なものを集めようと、生き物たちが海の奥深くの底から土を取ってきてくれて、彼女はその土で土地をつくる。持ってきた種をまいて、花や植物がうまれる。こうしてわたしたちの住む地がつくられたのだ、と。
この物語は先住民族の間で「教え」として語り継がれるお話だそう。ただ、この教えはルールのようなものではなく、むしろコンパスのようなものだそうです。導いてくれるものであって、地図ではない。生きるという仕事は自らその地図をつくっていくことだと書かれてありました。
この中の文章で、印象に残ったこと、とどめておきたいなと思ったのがこのふたつ。
"For all of us, becoming indigenous to a place means living as if your children's future mattered, to take care of the land as if our lives, both material and spiritual, depended on it."
すべての人間にとって、ある場所の先住民になるということは自分たちの子供たちの未来が重要であるかのように、物質的にもスピリチュアル的にも、われわれの生活がそれに左右されるかのように、その土地を手入れすることである。
"We say that humans have the least experience with how to live and thus the most to learn—we must look to our teachers among the other species for guidance."
人間は、どのように生きるかについてもっとも経験がない、それゆえに最も学ぶべきなのだ。われわれは他の種族の教え手達を参考にしなければならない。
なんとも、ごもっともすぎる。
この言葉を聞くと、100年もないであろうわたしたちの人生よりも、はるかに長い時間を生きてきた自然の命たちに対して、わたしたちはなんて傲慢で愚かで独りよがりな生き物なのだろうか。
この世に生を受けたことを当たり前のように感じ、この世にあるすべてのものを我が物顔で荒らし、消費し、搾取し、まるで自分たちがもっとも正しく、もっともえらいかのように振舞っている。
そう感じずにはいられない、夜でした。
それでも、にんげんは都合がいい生き物で、その時感じたり、顧みたり、決意したことをいとも簡単に忘れてしまう。
なんだか、ここに記しておかなければならないような気がしたので、筆を(パソコンだけど)とりました。
よし、もうひと頑張りして、寝ます。
みなさまよい一日、あるいは夜を。