子どもはそれを求めているのか
以前こんな記事を書きました。
今の子どもはすごく忙しい、という話です。
「日本の保育園は保育士さんが丁寧に子どもをみてくれる」「保育士さんに子育ての悩みを相談して、たくさん教えてもらった」「小学校ではそれがなくなって子どもが戸惑っている…学校も保育園のようになったらいいのに」そう話してくれる、かつて保育園にお子さんを通園させていた方々に出会うことがあります。
でも、私が今実際に働いている園は、そういう雰囲気とは少し違うな…と思ったので書いた記事です。私は保育士になってまだ3年なので、昔の保育園を知らないのです。昔はそういう園が多かったのかもしれません。もちろん今も上記のような保育士さんもいるのでしょうが、私が出会ってきた保育士さん方の印象とは少し違うのです。有料になっていますが、半分程度は無料で読めるので、未読の方は良かったら読んでいただけると幸いです。
この記事を書いた時も同様のことがありましたが、私が日常的に出会った人に最近の園の話をすると、それ(習い事や行事が多くて子どもも忙しい)って幼稚園だけの話じゃないの?と聞かれることがあります。それが幼稚園に限らないんです…と話すと、皆さん驚かれます。
私の認識では、今は保育園と幼稚園の垣根がどんどん低くなり、その中身にあまり違いがなくなる傾向にあります。保育園みたいな幼稚園もあれば、幼稚園みたいな保育園もあって、もっというと親御さんが幼稚園に通わせていると思っている園は幼稚園ではなくて、実はこども園だった!なんてこともあります。親御さん自身がそのことに気づいてない(もちろん知ってはいても、そこがそんなに重要だと認識していない)方もいらっしゃるようです。
もちろん、昔ながらの保育園というか、私たち保育士が今学んでいる保育は、インクルーシブ教育のような個を尊重する方向なので、古いか新しいかとなると新しいのかもしれませんが、とにかくそのような関わりを大事にしている園もあると思います。園によって全然違うのです。
そして、先日こんな記事を読みました。
私は、この記事は私が見て驚いた景色と同じだなと思って読みました。記事を書いた、sumiさんは元公立小学校教員で、3歳のお子さんがいらっしゃるそうです。
記事の中で印象深かったのがこの部分。
学校だ。
と思いました。
一斉授業です。
保育園にもこんなにも学校みたいなところがあるのかと愕然としました。
正直、そんなことをする場所は、幼稚園だと思っていたのです。
でもこういうところに保護者のニーズがあるのだろうとも思いました。
学校に行った時に勉強についていけるように。
学校生活に上手く馴染めるように。
そう思う保護者は、フルタイムで働く親の中にもたくさんいますよね。
まさにそういうことなんですよね。
社会のニーズで、日本の園はこのように変化してきているのです。
少子化の中、園経営者は利用者さんのニーズに応えようと必死です。でも、子どもたち自身が求めているものはどこにあるのかな…いつもこれを考えると、働いていても心が晴れません。
親御さんの求めているものだって、本当にこれなの?といつも疑問がわきます。園の表面上だけを知り、忙しくてそれ以上考える余裕がないだけで、実際に自分の子どもがどんな日常を送っているのか、想像が及んでいないだけなのでは?
最後に、私が実際に保育士として、今の日本の園で様々な葛藤を抱えながら働いていている中で、出会い・共感した本について書いた記事を貼っておきます。
上に書いたように、初めての子育てで不安な保護者たちに「大丈夫」と言って、支えになっていたかつて保育士たちの姿が少しずつ変わりつつある理由が、この本を読んでわかった気がしました。今の日本の園がどのようにして変わってきたのか書かれている本でした。そこに書かれていることは、少なくとも私が見ている景色と同じものでした。
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【定期購読】アラフィフ保育士が見ている景色
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