【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』15
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PartII 背景 4なぜ測定基準がこれほど人気になったのか
主たる問い
測定文化、説明責任、透明性の有効性との隔たりはどう考えればよいのか?
測定基準はこれほど欠点があるのに、どうしてこれほど人気なのか?
判断への不信感
信頼が失われるにつれ、測定された説明と透明性への要求が高まっていく
数値的測定基準は、透明性があり客観的である印象を与える
階級、専門性、血統に基づいた権力に対する疑念と、説明責任のための測定基準の間には親和性がある
社会的信頼の欠如は測定基準の神格化につながる
→測定基準に関する信頼は判断に対する信頼を低下させるという悪循環を生む訴訟の恐れも、実績を測定させるもう一つの動機となった
感想
権威や専門職の判断に対する不信感が、測定基準の執着につながっていったようです。確かに、非専門家が専門知識を持っていないことをいいことに、情報の非対称性を利用して、自分の有利なように事態を進行させていく、といったことはありそうです。そのようなときには、測定・測定基準は、権威や専門家に対抗する最良の手段のように見えてしまいます。
本来なら、権威や専門家が倫理観・道徳観をもって職務に当たればよいということになりそうですが、倫理観・道徳観をもっているかどうかは目には見えないので、結局、測定に頼らざるを得ないということになってしまいそうです。
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