【読書メモ】吉田満梨, 中村龍太 『エフェクチュエーション』29
読んだ本
読書マインドマップ
読書メモ
第5章 クレイジーキルトの原則
自発的な参加を重視する
何らかの報酬や強制によって参加するのではなく、パートナーが自ら進んでコミットメントを提供する関係性が大切だと考える
重要な理由①:不確実性が高い状況では、当初の期待どおりに進まないという結果がしばしば起こるため
重要な理由②:事業に必要な資源を提供しないような人々であっても、「何を共創できるだろうか?」と考え積極的に関わろうとするため
パートナーは資源だけではなくビジョンをももたらす
パートナーの参加によって、手持ちの手段が拡張される
→「何ができるか」も再定義されるパートナーは、新たな目的ももたらす
→「何ができるか」の方向性に影響を及ぼすことが想定されるソニーの大賀典雄さんの事例
→当初はクレーマーのように見られていた、製品改良のためのコミットメントを提供する自発的なパートナーが、「音楽のソニー」という新たなビジョンを持ち込んだ
感想
クレーマーのように見えた人物が、実は、新たなビジョンを持ち込み、会社で重要な地位を占めるようになることもあるのですね。この場合のクレーマーは、料亭でいうなら、食通のようなものかもしれません。(貶めることを意図しない)良質なクレームは、品質の向上につながると思います。
良質なクレームが新たなビジョンを持ち込むきっかけになるのは、別の角度からの視点をもたらしてくれるからだと思います。自分たちが当初見えていなかった部分に光を当ててくれるからこそ、物事が平面から立体的に見えてきて、同じものでも新たなものが見えてくるのだと思います。
ただ、ソニーの例はたまたまうまく言った事例であるようにも見えます。当初はパートナーのモチベーションが高かったとしても、結果が出なくてコミットメントの度合いがだんだんと低くなっていく事例もあると聞いたことがあります。
パートナーのコミットメントが維持できる場合と、維持できない場合とで、どのような違いがあるのか、もし、法則性があるのなら知りたいところです。