【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』05
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読書メモ
はじめに
問題の背景(歴史家が測定基準について書く理由)
歴史において害を与えている文化的パターンが、現代の多くの制度を歪めていることに気づいた
ミクロレベルでの不満が、マクロレベルでの分析につながる
著者は私立大学で学科長を務めた経験を通じて、測定基準(測定基準の執着)の問題に関心をもった
学部の活動についてのアンケートに答えるのに、研究や教育などの時間が取られてしまった
→これをきっかけに、時間と労力の無駄遣いを生み出す力についてもっと深く調べたくなった(=実績の測定とそれに対する報酬という歴史的・文化的ルーツを探る)
感想
学部の活動について測定することが、かえって、研究や教育などの時間を圧迫してしまったとは皮肉なことだと思います。測っても測りっぱなしということもありますし、測ったものが適切に使われないということもあります。
測定とそれに対する報酬というのは、一見、フェアに見えます。そのように見えるからこそ、測定は歴史的にも文化的にも影響力を持ってきたのだと思います。その見かけの公平さゆえ、測定を利用している方も、測定されている方、適切なことをしている、と考えがちなのではないでしょうか。
測定が果たして公平・公正なものなのか、時間と労力に見合った何かを生み出しているのか、これからの議論が楽しみです。
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