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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』37

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読書メモ

PartIII あらゆるもののご測定? ケーススタディ 8学校

  • 能力給

    • 付加価値測定の結果に基づいて教師にボーナスを出すようにした
      インセンティブが生徒や教師の行動を変えるという証拠はなかった

    • 測定実績に対する能力給計画が成果を上げることに失敗しても、連邦政府は類似する取り組みに対して、さらに多くのリソースを投入することをやめていない

  • 決してなくらならない「学力格差」

    • 民族や人種別グループ間での学業成績の差異
      測定を収集・公表してきてもなお、結果はほとんど変わっていない

    • 生徒の成績は、親の社会的、経済的、教育的実績と密接に関わっている

    • 学校教育の全般的な改善は、成果をより均等にすることにはつながらない

感想

セサミストリートの例やブルデューの研究も同じ傾向を示していて、教育はかえって格差を広げてしまうことがわかります。もしかしたら、教育をすればするほど格差が広がることは、測定とは直接関係はないことなのかもしれませんが、善意が空回りしてしまっている感じがして残念な気持ちになります。

もし、教育効果の平均を上げたいというなら、教師や子どもを測定するよりも、養育者の生活を底上げしたほうが効果は出るのかもしれません。

ただそうしたとしても、効果があるかどうかを知るには、効果を測らなければならないというジレンマが生じてしまいます。測定して数字を出したとしても、あくまで判断材料の一つとしてとどめ置く、といった配慮が必要なのかもしれません。

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Tomoko Nakasaki(中崎 倫子)
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