【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』63
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PartIV結論 15意図せぬ、だが予測可能な悪影響
協力と共通の目標の阻害
測定実績に対して個人に報酬を与えると…
共通の目標という感覚が減退する
協力や、効率に向けた測定できないモチベーションをもたらす社会関係も減退する
自分の測定結果を最大限にするために努力してしまう
仕事の劣化
測定される項目という狭い範囲に労力を集中させると、仕事の経験が劣化する
測定実績の対象となっている者は、仕事の内容をわかっていない他者に押し付けられた限定的な目標に注力せざるを得ない
より大きなイニシアティブや起業家精神を持つ者が、大手組織から出ていきたいと考えるようになっている
生産性のコスト
アメリカ経済の全要素生産性のうち、増加したのは情報技術産業だけ
測定基準の文化のどの部分が経済停滞に貢献したか、を問うべき
感想
アメリカで起業から尊敬されるというのも、成功したからではなく、測定に押しつぶされることなく自分の意思で行動したとみなされるからなのではないかと思います。ジョブ型雇用も、やはり実績を測定されて評価されるわけで、メンバーシップ型雇用であろうと、ジョブ型であろうと、測られて評価されることには変わらないのではないかと思えてきました。
また、測定の結果で評価が決まってしまうと、やはり、組織の一員として自分が存在するという感覚よりも、組織のなかで自分のパフォーマンスをいかに評価してもらうかという感覚が強くなってしまうのではないかと思います。
報酬を出す以上、何かしらの基準で評価しないといけないとは思います。しかし、測定に限らず、自分以外の誰かから評価されているという事実そのものが、共通の目標や協力、起業家精神などを阻害してしまっているのかもしれません。
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