【読書メモ】アクセンチュア 消費財・サービスグループ著・上原優編著『外資系コンサルのリサーチ技法(第2版) 』83
読んだ本
読書マインドマップ
読書メモ
第5章 "リサーチ脳"を鍛える「抽象化思考」
知識は抽象化することで生まれる
DIKWピラミッド
表面的な事実を把握すること:DataやInformationとしてそこにあるだけ
入手した情報を昇華して生み出して行くもの:Knowledge(Intelligence)やWisdom
入手できるデータの種類や量が多くなるにつれ、理解や解釈が知識形成に肝要であることが、近年注目されている
抽象化や解釈の難しさ
AIに大量のデータを学習させれば、有意義なインサイトが出てくる時代も近いのではないか?
AIには「フレーム問題」がある
AIは「「自分にとって何が有意義で何が無視できるか」を判断できない」
ダニエル・デネットが示した思考実験
→AIを搭載したロボットは、有限の情報処理しかないのに、無限の可能性を考えてしまい、適切に処理できない
「何が有意義なのか」は極めて文脈依存的
感想
情報が無限にあり、それに伴い選択肢も無限に考えついてしまって行き詰まる事例を『攻殻機動隊』の漫画版の「人形遣い」が話していたと記憶しています。選ぶ行為は、生き物だけに与えられた能力なのかもしれません。
「選ぶ」ということは、他の選択肢を「捨てる」ということにほかなりません。自分のおかれた環境(文脈)において、検討できる選択肢を比較し不要なものは捨てるというのが「選ぶ」ということでしょうか。
そのふるい分けをAIに実行させるには言語化が必要ですが、人間が言語を通じて情報をどう処理していくのかは、言語学の知見をもってしても、完全には解明されていません。(特に語用論)
いまのAIも、ずいぶん人間に近い応答ができるようになっています。しかし、それはこれまでのデータから確率的に高いものを返しているだけで、何かしらの基準に基づいて判断しているという性質のものでもないのかもしれません。
となると、AIが実際に行っているのは、高速の言語データ処理であって、知性や知能とは異なる性質のものではないかと考えられます。