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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』42

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読書メモ

PartIII あらゆるもののご測定? ケーススタディ 9医療

  • 成功の三つの物語

    • クリーヴランド・クリニック

      • 毎年14冊の「成果ブック」を発行
        →各カテゴリーでの高い成功率が見て取れる

    • ガイシンガー・ヘルス・システム

      • 医師主導による非営利の総合システム

      • ガイシンガーは電子医療記録の活用の先駆者

      • 患者がオンラインポータルに登録すると、医師にインセンティブが出る仕組みを作った
        →このシステムにより、医師一人ひとりを含むすべてのユニットの実績をモニタリングできるようになった

    • キーストン・プロジェクト

      • 「中心静脈ライン」経由の病院内感染を減らすために実績測定を活用したもの

      • 感染症についてのデータを毎月収集する作業が含まれる

      • 診断的測定基準だけでなく、ピア・プレッシャーの形を取る物理的なインセンティブがかなり用いられる

感想

成功した例を見ると、確かに実績が上がったように思えますが、測定を公表するやり方は、ある意味、ソフトな監視のようにも感じられます。導入した始めのうちはうまくいくかもしれませんが、だんだんと萎縮した雰囲気になり、無難なことばかりするようになるのではないでしょうか。

この実績測定が加点のために使われたのか、減点のために使われたのかどうかも気になります。コストのことが言及されているので、おそらくは、減点方式的な評価するために取り入れられたのではないかと予測されます。

そうなると、やはり、「よりより治療をするには」という意識よりも、「どうすれば失敗しないか」のほうに意識は向くと思います。本来、医療は患者のためにありますが、実績の測定は、自分の実績や評価に注意がいってしまう副作用が強く出てしまうと思います。

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Tomoko Nakasaki(中崎 倫子)
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