【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』10
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読書メモ
PartI 議論 2繰り返す欠陥
測定基準を設けようとする動機は、善意から生まれることがよくある
プラスの面もあるが、マイナスの面もある
マイナス面の特定するリストを作成するが、実際は重複している場合も多い
測定基準のマイナス面(情報の歪曲)
一番簡単に測定できるものしか測定しない
もっとも簡単に測定できるものは、実際にはまったく重要でない場合がある
求められる成果が複雑なのに、簡単なものしか測定しない
成果ではなくインプットを測定する
努力の結果を測定しない
プロジェクトにどれだけお金やリソースを投入したかしか測定しない
成果物の代わりにプロセスを測定したりする
標準化によって情報の質を落とす
定量化は、知識を整理して単純化してくれる
この単純化が歪みにつながる可能性がある
→本来の概念、歴史、意味を剥ぎ取ってしまうことを意味するから
上澄みすくいによる改ざん
現場の人間がもっとも簡単な目標を見つけようとする
→成功の達成が難しい事例は排除されてしまう
基準を下げることで数字を改善する
測定基準の数字を改善する方法の一つが、評価の基準を下げること
データを抜いたり、歪めたりして数字を改善する
不都合な事例を省いたり、測定基準に反映されないように事例を分類したりする
不正行為
問題となっている測定基準が重要視されるにつれて発生頻度増える傾向
感想
測定のマイナス面は、複雑な事態を単純化しすぎること、「数値目標を達成すること」そのものが目的と化して、目標値や測定データの操作が行われてしまうことにあるようです。「何を達成するか」よりも「達成すること」が重視されてしまうような、本末転倒が生じてしまっています。
短期間に目標値を達成することばかり強調してしまうと、達成しやすい目標ばかりが掲げられてしまいます。目標値を達成できないことへの恐怖や、逆に、目標値を達成したことによる達成感が、測定することや測定された数字を歪めてしまう結果につながるのだと思います。
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