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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』12

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読書メモ

PartII 背景 3測定および能力給の成り立ち

  • 実績を測定する ― テイラー主義

    • 科学的管理法

      • 1911年、フレデリック・テイラーが提唱

      • 工場における銑鉄の製造工程を構成要素ごとに分け、それぞれの作業について標準的なアウトプットを決めた

      • 作業の分業化と標準化、すべての行動の記録と報告、金銭的なアメとムチを、テイラーと彼の弟子たちが残した

      • テイラー主義:職人たちの暗黙の知識を、管理者が作成し、計画し、監視し、管理する大量生産の手法で置き換えることを基盤とした

    • 標準化と監視によってより良い効率を求める
      →テイラー主義のテーマは、教育にも影響を及ぼした

      • 生徒のテストの点数に応じて教師を評価するという考え方

    • テイラー主義の工場生産型の組織編成方式は、幅広い製造業で採用された
      →組織編成方式が測定基準によって製造からサービス業に持ち込まれることになる

感想

監視というと、フーコーのパノプティコンを思い出します。監視されているという意識が、規律を内在化させてしまうという恐ろしい作用を持っているという話です。

標準化と監視も、資本効率を上げるための手段のようにも思いました。まだ、『測りすぎ』には、少しだけ「会計」の話も出てきましたが、テイラー主義の「標準化」と「監視」による管理は、株主たちの要請(資本を効果的・効率的に使いたい)もあったのかもしれません。

いずれにせよ、行き過ぎた標準化は、人間を記号化する(=代替可能なものにする)ことに行き着くと思います。生きづらさの一つの要因は、人間を標準化した機能・部品とみなすことに抵抗を感じてしまうからかもしれません。

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