見出し画像

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』45

読んだ本

読書マインドマップ

『測りすぎ』目次マインドマップ

読書メモ

PartIII あらゆるもののご測定? ケーススタディ 9医療

  • テストケース ― 再入院を減らす

    • 退院後30日以内に計画外の再入院をした患者数を調べる測定基準
      →測定基準の利点と問題点の両方を示す

    • 実際に再入院率は減少した

      • 実測基準の成功が声高に叫ばれたが…

      • 一部には制度の改竄のせい(入院としてではなく外来として扱う)

      • 再入院率には病院の力が及ばない数多くの要素が存在する

      • 能力給制度は「リスク調整」で補おうとしているが、リスクの度合いの計算は、ほかの測定基準と同じくらい計算違いが操作が起きやすい

    • バランスシート

      • ほとんどの医療機関が品質改善を目的とした測定基準を採用している

        • 測定基準がもっともよい結果を出すのは、介入や結果がほぼ完全に組織の医療制度の中で管理されている場合が多い

        • 実績に報酬を与えるための測定基準の活用は、その報酬がどんな形であれ、問題が多い

感想

OKRの話を聞いたとき、数値(実績)と報酬をリンクさせてはいけないという話をしていて変だと思いましたが、この話を読むと、なるほどと納得できました。実績と報酬をリンクさせてしまうと、数字いじりという改竄の温床になってしまうことが、これまでの事例からよくわかりました。

医療の例からは、数字が外的要因になってしまっている場合、人の行動を変えることはできないということがわかりました。ともあれ、現場のやる気を削ぐ(=現場の担当者の職業倫理に沿わない)測定は、現場の担当者にとっても、患者にとっても、害悪にしかならないようです。

いいなと思ったら応援しよう!

Tomoko Nakasaki(中崎 倫子)
最後まで読んでくださった方ありがとうございます。よろしければサポートいただけますと幸いです。本を買い、noteを書き続け、読書文化の輪を広げるために使います。

この記事が参加している募集