「 デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆 」の映画情報・評価・感想レビュー
アニメの続編と思わず、大人を迎えるすべての若者に見てほしい。
今作は、1999年に放映されていたアニメ「 デジモンアドベンチャー 」の続編なのですが、当時見ていたファンが見るだけではもったえない!
子どもから大人へと成長する時期の悩み、それがアニメでわかりやすく表現されています。
私は昨年大学を卒業した新社会人ですが、めちゃくちゃ響きました。
もともとデジモンアドベンチャーファンで見に行きましたが、想像以上に考えさせられ、勇気をもらえる作品でした。
デジモンアドベンチャー(作品情報)
公開日
2020年2月21日
上映時間
94分
キャスト
本郷あきよし(原案)
田口 智久(監督)
大和屋 暁(脚本)
花江 夏樹
坂本 千夏
細谷 佳正
山口 眞弓
予告編
公式サイト
感想レビュー
デジモンアドベンチャーとは
前提として、このTV版の概要を説明しておきます。
物語の中で子どもたちが成長するのに応じて、パートナーデジモンも進化していくという設定でした。
このパートナーデジモンとの関係と選ばれしこどもたちの設定が今作のキーとなります。
パートナーデジモンは幼い頃から成長を共にしてきた親友のような存在であること。
デジモンの進化は「 選ばれしこどもたち 」の成長に起因するものであること。
本作の背景
続編となる今作では登場人物たちは大学生になっており、大人の入り口を迎えています。
子ども向けアニメの続編には珍しくしっかり年を取っているんですよね。
太一たちの戦いを通じて、デジモンとデジタルワールドは世間に広く知られるようになっており、「 選ばれしこどもたち 」も太一たち以外にも世界中に現れるようになっていました。
太一たちはちょっとした有名人になってるわけです。
だからといって、特別な日常を送っているわけではなく、普通の子と同じように進路や卒論のテーマで悩んでいたり、解決するわけでもないのに飲み会で友達に相談したり、ごく平凡な大学生活を送っています。
子どもの終わり
ある日、デジモンの研究をしているという大学教授のメノアとその助手である井村が太一たちを訪ねてきます。
新種のデジモン・エオスモンにより選ばれし子どもたちが意識不明になるという事件が頻発しており、世界を救ってきた太一たちに、それを引き起こしているエオスモンを倒してほしいという依頼を持ちかけてきます。
メノアに従い、デジタルワールドのエオスモンの巣に乗り込む太一たち。
エオスモンを追い詰めるも、あと一歩のところでデジモンの進化が突然解除され取り逃がしてしまいます。
初めての事態に戸惑う太一たちにデジモン研究者であるメノアは衝撃的な事実を伝えます。
先ほど主人公たちの能力について「 子どもたちが成長するのに応じてパートナーデジモンも成長や進化をしていく 」と説明しましたが、
子どもが持つ成長の可能性をリソースにしていた彼らの能力は、大人になると消えてしまう=パートナーと別れてしまうことが判明します。
思い出のために止まるか、大人になるために進むか
突然突き付けられたデジモンとの別れが近いという事実に戸惑う太一たちは、それを受け入れられず突然現れたメノアと井村に不信感を抱き秘密裏に調査を始めます。
そこで発覚したのが黒幕はメノアであり、エオスモンはメノアが作り出した人口のデジモンであることが発覚します。
メノアが太一たちに近づいた理由は、選ばれし子どもたちのブレイン担当である光士郎がもつ選ばれし子どもたちのリストを盗み出すためだったのです。
もう1度エオスモンの居場所を突き止めて戦いに向かう太一たち。
そこには黒幕であるメノアが待ち構えており、この事件の発端を語りだします。
大人になればデジモンと別れなければいけないことは事実。
メノアは元選ばれし子どもであり、すでにパートナーデジモンとの別れを経験していました。
ずっと連れ添った友であるパートナーとの別れに深く悲しんだメノアは、他の子どもたちにその経験させまいとエオスモンを使い、子どもたちの意識を抜き取ります。
子どものままのデータとして永遠に保存しようとしていたのです。
保存されたデータの中では、メノアの作り出した世界でパートナーデジモンと永遠に暮らし続けられます。
子どものままパートナーと永遠に暮らし続けるか、エオスモンを倒しパートナーとの別れを迎えるか。
最後の戦いを前に立ち止まる太一たち。
迷った末に太一がとる選択とは。
好きだった点
子ども向けアニメの続編とは思えぬリアルな設定なので、映画として楽しく見ることができました。
この映画はモラトリアムの終わりをデジモンとの別れとして表現しています。
何物でもなかった子どもたちが自ら選択して何かにならなくてはいけない。
曖昧な状態が美しいというのは様々な作品で語られることですが、今作は子ども向けアニメの続編ということもあり、分かりやすく選択を迫られる者の葛藤を見せてくれます。
嫌いだった点
デジモンファンにとって「 パートナーがいなくなるという設定 」は、今作で急に出てきたもの。
この設定を受け入れられるか次第で、作品を楽しめるかどうかが変わるかもしれません。
今作から入る人には何も問題ないかと。
見どころ
なんといっても大人になることに悩んでいた主人公たちが答えを見つけるところですね
その時のパートナーデジモンたちの言葉がとても感動的。
こんなにも人の背中を押せる言葉があっただろうかと。
映画を見ていると言ってみたいと思うカッコいいセリフは多くありますが、言われたいセリフだとこれが一番かもしれない。
自分が大きな決断をした時、こうやって背中を押してくれる友人や家族が欲しいものです。
考察・疑問点
このアニメの主題歌は和田浩二さんの「 Butter-Fly 」
もしかしたら、アニメは知らなくても曲は知っている人もいるかと思います(平成一桁生まれの世代であればカラオケでよく入ります)
今作は「 Butter-Fly 」の歌詞とリンクする部分が多々あるので、この曲が好きだという人も楽しめるかもしれません。
無限大の可能性があり何もかもが未確定だった子どものころ。
太一も我々も大きくなるにつれ何かを選ぶことでほかの可能性を失ってきたのかもしれません。
それでも選んだその先の行動次第ではいくらでも変わることはできる。
そういったポジティブな大人へのメッセージが込められている作品でした。
2017年に「 夜明け告げるルーの歌 」という斉藤和義さんの「 歌うたいのバラッド 」を元に制作された映画が公開されていますが、その映画と近い目線で見てもいいでしょう。
まとめ
シリーズとしては「 デジモンアドベンチャー 」の集大成ではありますが、実はTVアニメではさらに今作の先の未来も描かれているんですよね。
そういう意味では、集大成としてのMCUにおける「 アベンジャーズ エンドゲーム 」の役割でもありますが。
この先の未来につなげるスターウォーズの「 ローグワン 」の役割でもあると思います。
私は「 ローグワン 」を見てからスターウォーズシリーズを見返してファンになりました。
シリーズ物は時系列通りでなくとも、面白い作品から見て好きになってからハマっていくというのもアリだと思っています。
「 デジモンアドベンチャー 」シリーズ、「 サマーウォーズ 」、「 ラ・ラ・ランド 」、「 エブリバディ・ウォンツ・サム 」
デジモンかあ、懐かしいなあと思っていた僕ですが、小学生の頃にたまごっちってあったじゃないですか。
たまごっちは、自分で育てられるという点が画期的でした。
朝起きたらタラコっちに進化してるじゃん!というのもありました。
オヤジっちというのもありましたね。
たまごっちが社会現象になった後に登場したのがデジモンだったんですよね。
最後に僕が大好きな韓国人Youtuber(V0RAちゃん)が歌うハングルVer.のデジモンテーマソングと共にさようなら!