Netflix 「 スクール・フォー・グッド・アンド・イービル 」の映画情報・評価・感想レビュー
「 ハリポタ 」「 ディセンダント 」好き必見。
圧倒的映像美と人物描写の面白さで魅せる、魔法界の善と悪は共存できるか?
という永遠のテーマに切りこむ2022年の目玉ファンタジー・アドベンチャー。
スクール・フォー・グッド・アンド・イービル
あらすじ
ソフィーとアガサが入学したのは、主人公と悪役を育成する魔法学院だった。魔法学院で2人の友情と絆が試されてゆく。
公開日
2022年10月19日
原題
The School for Good and Evil
上映時間
147分
キャスト
ポール・フェイグ(監督)
ソフィア・アン・カルーソ
ソフィア・ワイリー
シャーリーズ・セロン
予告編
公式サイト
作品評価
映像:5/5
脚本:5/5
キャスト:5/5
音楽:4/5
リピート度:4/5
グロ度:2/5
総合評価:5/5
考察レビュー
ユニバーサルでスタートした企画が頓挫し、ネトフリが買い取った今作。
当初の予定通り、今からでも劇場公開を目指すべき。
壮大なスケールの魔法描写や、善と悪の総当たりバトルなどがあり、明らかに大スクリーン向けだ。
フック船長やシンデレラ、アーサー王など物語の登場人物の子どもたちが登場し、既視感はあるものの、企画倒れになっておらず、オリジナルな面白さがあり、2時間半があっという間だった。
主人公だけでなくサブキャラにいたるまで多面的に描かれており、善悪では割り切れない人間の複雑さを感じ取れるシーンが幾つもあり、
悪役にも感情移入できるところが今作の魅力であり物語に深みを与えている。
序盤は反面教師的に、中盤以降はストレートに世にはびこる善と悪の真実について考えさせられる構成となっている。
アガサの「 人間は複雑だから善か悪かなんて決められない 」という台詞に「 そういえば、戦争はどちらが正しくてどちらが間違っているかを決めることが大義になってしまっている。何事にも両面があるはずなのに世界はそこから目を背ける。だから本質的な解決が出来なくて、世界から争いがなくならないのでは?」
と現実にフィードバックして考えさせられた。
人を信じるのは難しい。
親友ですら、少しの掛け違いや悪意で仲たがいしてしまう。
ただ強く信じるだけで良いのに、人間は弱いからそれが出来ない。
疑念は悪意へと変わり、混沌が生まれる。
そうして出来たのが今の現実世界だと感じた。
「 真の善=共感 」というのも興味深い。
確かに今の世界には人の痛みに対する共感力が足りない。
そんな教師でさえメッキが剥がれた学院の中で、ソフィーが悪、アガサが善を証明していくキッカケが段階的に用意されていて、ワクワクした。
人間の善悪は1度の何かでは決まらないものだ。
ファッションも見どころの1つで、魔法で一気に煌びやかに変身したりするので、舞台化したら面白そう。
人種の多様性を意識したキャスティングも魔法界のごちゃまぜ感とマッチしている。
欲を言えば、この世界観で舞台女優のソフィア・アン・カルーソを歌わせないのは勿体ないとしか言いようがない。
ミュージカルだったら完璧に近づいたはず。
まとめ
親友を超えた家族と言い切る二人の少女の揺るがない信頼と愛に胸が熱くなる。
ベテラン俳優陣と次世代スターが競演する今後の可能性を感じさせてくれる逸作。
続編が楽しみだ。
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