死ぬかもしれないという実感とそれに対しての適切な行動
近いうちに夫は死ぬかもしれないという実感は、ふとしたときに襲ってくる。
初めて感じたのは、癌になり二十センチくらいのおおきな腫瘍を取り出すオペをした7年前。その後再発してニ度目のオペをしたのは半年前だった。
半年前のオペは取り残した腫瘍細胞が大きくなったから取るていった内容だった。
入院は予定の二週間を大きく上回り、1ヶ月に長いた。
食べ物も嘔吐し、静脈から栄養も入れた。
結果、脾臓全部に膵臓と胃の一部も取った。
退院したのは、二人目の出産の4日前だった。
大きなものでなくても、日常生活でも諸所で死ぬかもしれないと感じることはよくある。
夫が食欲不信になっているとき、薬の副作用が強く出て悪心がでているとき、同じく肌がボソボソしているとき、よく寝るとき、疲れたと言っているとき、薬の副作用で顔が白いとき。
それでも夫は仕事もして、健康な人となにひとつ変わらぬ生活ができているので、夫の調子が良い日が続くと、わたしでさえ夫が病気であることをすっかり忘れてしまう。
だがそれは長くは続かず、何かしらの不調が出てくるのだけど。
わたしは長生きしたいと強く思う。
夫と一緒に。
けれど、それは叶わないかもしれない。
いやいや、私の方が先に死ぬかも。
夫も癌になるまで病気ひとつしない、人一倍よく食べる健康優良男子だった。
私だって、今は健康だけど、夫の例があるのでいつ何があるかわからない。
だから恐怖に怯えていても、心配しても仕方ないのだ。
ただ私は,夫との時間を自分の時間を後悔のないように、たのしく過ごしたいとおもう。おもいつくかぎり今やりたいこともやりたい。そんな気持ちだ。
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