共感経済と、企業と個人の関係性について #Spreadyコラムリレー
はじめまして、こんにちは。平岩と申します。
Spreadyという素敵なサービスを運営する佐古さん・柳川さんにコラムリレー企画のお声掛けをいただいたことをきっかけに、お恥ずかしながら、自身のnote一発目を発射させていただきます。
◆自己紹介
㈱セプテーニで、広告代理事業の事業部人事をやっています。新卒からセプテーニグループ歴13年目と、この業界ではけっこうレアなキャリア(周囲に複数回転職の方が多いので)なのかなと感じていますw
職種としては営業5年・人事7年強となり、現在はHRテクノロジーを活用した採用・育成・組織開発などを担当しています。当社のこれまでの取り組みの概要や僕の考え方についてはこちらに記事がまとまっていますので、ご興味あればご一読ください。
◆Spreadyというサービスが好きな理由
まず、ミッションとして『“やりたい”に出会い続ける世界をつくる』を掲げ、そのためのビジョンである『人と組織の新しい“つながり”をつくる』ことに心底共感していることです。
そして、人と組織のつながり方の新たな形である「B with C to Cモデル」のサービスが、社会構造やカルチャーを変えていく可能性があると確信をもてることです。
あと、運営の佐古さん・柳川さんをはじめとする皆さんのことが好きということ。これが一番の理由ですね。
では、本題に入っていきます。
1.共感経済とは?
昨年末、NewsPicksで「“体温”のある経済競争」という特集が組まれていました。クラウドファンディング『CAMPFIRE』創業の家入一真氏や、『レターポット』やオンラインサロン運営をする西野亮廣氏が登場する連載特集です。みなさんが「共感経済」というテーマで語っていて、とても面白い特集でした。
特集の中では、「企業(サービス)と市場(コンシューマ)の“共感”」という文脈がメインですが、僕はHRっぽい目線で、「企業と個人の“共感”」というテーマで書いてみようと思います。
共感経済の説明については、上記NewsPicksより抜粋します。
他者との共感や信頼関係をベースに営まれる経済のあり方のこと。そこでは個人間やコミュニティの関係性における、特有の「価値」が流通する。取り上げられる価値には、これまで資本として見なされなかった感情や評価といった心情的な要素が多く、インターネットやブロックチェーンなどのICT技術により実装される事例が多くなってきた。近い意味合いで、感謝を価値化する「感謝経済」の語もよく使われる。
インターネットの普及により、「お金」という価値を計るものさしが進化し、共感・感謝・おもいやり・愛のような、「感情」という新しい価値の可視化が進んでいます。そしてその価値が経済競争に組み込まれていく。そんな新しい競争、経済圏が、共感経済です。
わかりやすい例がクラウドファンディングです。投資する側もされる側も感情や体験に価値を見出しているのだと思います。2017年頃から市場規模が急拡大し、法改正なども含め今後も拡大が予想されています。お金ではなく、感情に基準を置く、まさに共感経済です。
2.共感と共犯
共感経済では、お金がないからなにかをすることができないということはかなり少なくなると言われています。共感によって資金集めをすることが容易になっているからです。
しかし、NewsPicksの特集の中で、家入一真氏は共感だけでは足りないと言っています。
重要なのは「共犯」させるものである、と。
記事中に載っている例をそのまま使います。
「古民家を改装してカフェにしたい」というプロジェクトがあり、それをクラウドファンディングによって募集をかけたところ、大変 支援者が集まりました。
そのプロジェクトに対してたくさんの共感は集まっていたのだと思いますが、そのプロジェクトにはリターンがついていて、そのリターンがあったから応募したという人が多数いました。
そのリターンとは「土壁を塗る権利を譲渡する」というものでした。カフェを作るというプロジェクトに共感するだけでなく、実際に自分も参加する、共犯になるということが大きな要因だったことがわかります。
個人が何かをするということ、つまり個人の体験や経験に価値がある時代に変わってきています。「モノ」から「コト」へとよく言われますが、典型的な例ではないでしょうか。
そして、上記のような投資する側とされる側の関係は、企業と個人に置き換えても同じことが言えると思います。
3.企業と個人の関係性の変化
少子高齢化やグローバル化が急速に進む中で、企業の付加価値の源泉は「モノ」から「ヒト」に確実にシフトしてきています。企業競争力を支える人材確保はもちろん、働き手の生産性 を最大化するためには、働きがいのある職場の実現など、様々な人事施策が不可欠です。
そうした中で、多様な人材が活躍し付加価値を最大化する観点から、エンゲージメントの重要性が高まっています。個人が企業に対する「期待と満足」が一致しているか。企業が個人に対して「何を約束して、何を大事にしているか」。この両者の関係性の根幹には、労働と対価という関係を越えた、感情や体験、共感と共犯のような、企業と個人の間に確かな体温が必要になると考えています。
トヨタの19年入社式での、豊田章男社長の印象的なメッセージです。
特に印象的だった部分を抜粋します。
まずは、がむしゃらに、働いてみてください。会社のためではなく、自分自身が必要とされる人になるために、我を忘れるぐらい、仕事に向き合ってみてください。
働く人たちが、成長を実感できる会社は、それだけで、存在意義のある、素晴らしい会社だと思います。
何年か経ち、皆さんが、「トヨタにいれば、成長を実感できる。」、「生まれ変わっても、またトヨタに入りたい。」そう思える会社にするために、私自身、必死になって働きたいと思います。
トヨタのためにがむしゃらに働いてほしいではなく、個人として必要とされる人になってほしい。そして、個人として必要とされる人になっても、それでもまたトヨタに入りたいと思える企業になるために社長として必死に働きたい。
素晴らしいメッセージですよね。ちょっと涙でます。
日本のナンバーワン企業のトップメッセージからも、確実に企業と個人の関係性の変化を感じ取れます。このメッセージに心から共感できる社員の方々が多いことも想像できますし、高いエンゲージメントが生まれていることと思います。
4.企業主導の関係性が個人の“反感”を生む?
企業におけるキャリア形成について、雇用の在り方から考えてみます。従来の日本型雇用では、終身雇用の下、一社依存型の雇用コミュニティで年功序列型賃金、そして、キャリアの主導権は企業です。一方今後の日本型雇用は、副業やアルムナイなど、多様な経験を推奨する雇用コミュニティがスタンダードになっていきます。働き方に応じた柔軟な賃金体系があり、キャリアの主導権は個人の自律性です。
キャリア形成の在り方について簡単に構造化してみます。
個人主導型キャリア=企業の伴走型=共存の関係=共感(が生まれやすい)
企業主導型キャリア=個人の追走型=服従の関係=反感(が生まれやすい)
といったイメージです。旧態依然のままで、企業主導の関係性のまま変化がなければ、企業と個人は「反感」の関係になってしまうと思います。結果、企業の競争力の源泉であるヒトは集まりませんし、育成・定着も困難になるでしょう。
5.企業と個人の共感や“つながり”が増える社会に
個人のエンゲージメントが高い企業には、両者が共感で結ばれているという話をしてきました。最後は、高い共感により生まれるであろう「つながり」について考えていきます。
企業の目線では、多様なヒトとのつながりが確実に企業成長に結びつきます。つながりという観点では、企業は採用マーケットに限らず、労働マーケット全体を見る視点が必要になるでしょう。年間の転職者が約300万人しかない採用マーケットに対し、労働マーケット全体では6000万人を越えます。
また、たくさんの個人との共感を生むための制度や仕組みづくりも必要になります。副業の推奨など、働き方の多様化への対策です。もちろん、それに伴ったCSRや企業PR活動も必須になるでしょう。
一方で個人の目線では、自律的なキャリア形成を実現するうえで、共感できる企業(や個人)とのたくさんのつながりが確実に武器になるはずです。
『人と組織の新しい“つながり”をつくる』
Spreadyのビジョンです。最高に素敵です。
たくさんの企業や個人の共感や“つながり”が増える社会がきっときます。
これからも、ユーザとしてファンとして、Spreadyを応援し続けたいと思います。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました!
◆Spreadyについて
◆Spreadyコラムリレーについて
#Spreadyコラムリレーは 、「企業と個人の関係性」「人を紹介するということ」などについて色んな方の意見を聞いてみよう!という企画です。「ご縁つなぎのプラットフォーム」を作っているSpreadyでは、人と組織の新しい繋がり方を作り出し、「日本の労働力の流動性を高め、労働人口の減少という社会課題に向き合うこと」と、それから「多くの人が自分の"やりたい"に出会い続ける社会を作ること」を目指しています。この世界観に共感したメンバーによる#Spreadyコラムリレー では、企業と個人の関わり合い方について様々な意見が出てくることと思います。どうぞお楽しみください!
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