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2日目のおでんの大根のような

 松浦弥太郎さんの『エッセイストのように生きる』を読んで。


 「エッセイストのように生きる」というのは、日常生活の中で起こる出来事に、自分なりの視点を持って丁寧に向き合い続けていくような生き方。

 素敵なエッセイを書く人は、対象と向き合うことにかける時間や熱量が桁違いで、その結果を言語化するときの言葉選びにも妥協がないのだろうなと思った。「わかる!」と共感できたり「ほー、なるほど。」と学びがあったりする文章に出会えると嬉しい。でもそれ以上に、"その人にしか書けない(であろう)文章や表現"に出会うと、心が躍る。そんな"らしさ"というのは、その人なりの視点でじっくりと向き合ったからこそあらわれる"コク"みたいなものじゃないかと思う。

 エッセイを書くかどうかはともかく、何気ない日常を深く味わうというのは、なんて贅沢な時間の使い方だろう。


 何かと忙しなくて目まぐるしくて余裕のない日々だけれど、そんなふうにしてしまっているのは自分かもしれない。

 2日目のおでんの大根のような(?)、手間をかけて煮込んだトロトロぷるぷるの豚の角煮のような(??)日々を送りたい。


 そろそろ、おでんで暖をとるのが楽しみになる季節が恋しい。

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