偏差値37からの高校受験 #5「母逃亡の末」
うちの息子はとにかく勉強が大嫌いです。自分の親がそうであったように放任主義だった私ですが、高校受験を目の前にしてさすがにまずいという状況になってしまいました。
この話は現在進行形なので、結末はまだ私にもわかりません。
これは、勉強嫌いの息子と教育熱心ではなかったのに追い込まれた母が日本の受験戦争に立ち向かう記録です。
私たちのような親子が減ることを願って。
前回は、コロナの休校により勉強嫌いの息子は勉強しないのが当たり前になり、母も三ヶ月の格闘の末諦めてしまったというところまでお話しました。
出鼻をくじかれ、私たち親子は勉強と完全に距離を置くことにしましたが、学校は再開し中学の勉強も本格的に始まりました。勉強嫌いの子どもがいる他の家は一体どうしているのだろう。。。
うちだけのはずはない!と思いましたが、二人しかいないママ友の子どもは優等生なので状況を聞いても全く参考になりませんでした。
熱心な担任の先生も息子を何とかしようと奮闘してくださいましたが、息子全く変わらず。
とうとう学校の試験で197人中193位という驚異的な数字をたたき出してしまいました。
先生から「試験を受けてない子もいるので、実質最下位ですね」的な事をやんわりと言われました。私の母に話すと、息子の将来が心配で眠れなくなってしまったそうです。申し訳ない。
ただ、息子は相変わらず元気に楽しく過ごしています。
正月に親戚が集まった際、息子の成績の話になりました。私が息子の順位を話すと、一同騒然。「今からそんなでどうするの!」と皆が息子を非難し始めます。いつも優しい私の兄弟もかなり厳しいことを言っていました。さすがに息子もへこんでるかな?と思ったのですが、
息子「まだ最下位じゃないから大丈夫!」
ほぼ全員「それは最下位と同じ!!」
息子「いや、まだ下がいるから大丈夫!」
ほぼ全員「大丈夫じゃない!!やることやらなきゃダメだよ!!部活も入ってないし!!」
あの地獄の三ヶ月で息子にかける言葉を出し切った私は、今更この会話に参加する気もなく、スクリーン越しの出来事のように見ていました。この場面だけ切り取れば、無言の母を皆はきっと甘やかし放題の無責任な親だと思っていたことでしょう。
ポジティブさだけは世界一かもしれない息子はあっけらかんとしていましたが、皆の息子への言葉は責任者である私の胸に突き刺さります。
私たち親子は勉強に別れを告げましたが、私は息子の責任者としての役割に別れを告げる訳にはいきません。
息子が将来自分で食べて行けそうな道を探し始めます。ここまで来たら、もう今から勉強させることは想像できなかったので、息子の興味を引き出せそうなもの、好きなものと結びつく職業は、、、?そこから逆算して必要な知識、技術を身に付けられる進路は、、、?
いくつかのパターンが私の頭の中で踊り続けます。
そうだ!好きなことを学べる専門学校みたいなところは無いのかな?
ネットで調べてみると、ありました!通信制で、ゲームのプログラミングや、eスポーツ、アニメを描く等専門学校で学べることが高校の三年間で学べるという学校がありました。どのコースも息子が興味を持てそうなものでした。体験授業もやっているとのことだったので、すぐに予約して息子と参加してみました。
行きの道
私「今日の学校は勉強以外のことも学べるから、そこ行くなら卒業したら働いてね。」
息子「えっ、嫌だ!俺大学まで遊び続けたい。」
私「、、、、、だいが、、く?」
全部のコースを体験するつもりだったのですが、順番的に最初に参加したのが「アニメを描くコース」でした。息子は絵を描くことが好きなので、何だかんだ言ってもこの学校を気にいるだろう。私は息子の体験時間を利用して、担当の方から学校の説明を聞くことにしました。
まずは、入学試験について
なんと入学試験は作文と面接のみ!聞いている限り、お金さえ払えば落ちることは無さそうな感じでした。私は、息子が入れる学校を見つけられた!と少し安堵しました。
次に、卒業後について
専門的なことを学ぶから?学費も結構な額でした。普通より学費が高いからにはきちんと仕事に結びつけられることができるのか、、、そこが私の一番聞きたいことでした。卒業後の就職状況について確認したところ、卒業生はほとんど専門学校に進むということでした。
え???ここ専門学校じゃないの???なんで専門学校の後にまた専門学校に行くの???
担当者曰く、「この学校では専門学校でやる内容を少しかじる程度なので、卒業したからと言ってその道に就職できる訳ではない」とのことでした。
なんと中途半端な!なのに、この学費の高さ!コスパ最悪!
息子のような勉強嫌いの子どもと向き合うことから逃げた母はただのいい鴨でした。
私はモヤモヤしながら息子の体験風景を覗きに行きました。このモヤモヤをかき消すくらい息子が活き活きと参加しているなら、この学費を払うことも考えられるのか、、、?
しかし、教室にいる息子は死んだ魚のような目をして落ち着きのない様子で座っていました。
全然楽しんでない!!
それは、中学校での息子の姿と同じでした。私のモヤモヤ&息子の目の死に具合の結果私の中で「この学校は無い」という結論に至りました。一応息子に理由を聞くと、「俺は今重力を表現することを勉強していて、もっと違うものが描きたいんだ。しかも女子しかいないし。」とのこと。
そっか、色々難しいね。
確かにその日参加していたのは、息子以外全員女子でした。本当にやりたいことならそれも関係ないのですが、息子にとってその程度なのでしょう。
どうせまた専門学校で学ばなければならないのであれば、ここに入る必要は無い。
帰り道
母「中卒で働くのと、高校に行くのどっちがいい?」
息子「俺大学行くよ!中卒なんて嫌だもん」
母「大学行きたいならまず高校に入らないといけないんだけどね。
でも、高校も大学も勉強する為に行くところだから、本当に勉強が嫌いなら中卒でもいいよ。私もう勉強って言うの疲れちゃったし。コンビニとかでバイトしてやりたい事みつかってから勉強始めてもいいし。」
息子「中卒は絶対に嫌、大学まで遊びたい!」
母「そっか。じゃあ、今日の学校にゲームとか他のコースもあるんだけどもう見なくていいかな?」
息子「もういい。」
今日の学校に行くことはないし、中卒は嫌なのだとしたら、、、?
やっぱり勉強からは簡単に逃げられないのか、、、と思い知ったこの日母は決意しました。
「今からどんな手を使っても息子に勉強させる!もうやらせるしかない!」と。今更ですが。
逃げ続けていた「受験」にここから立ち向かっていきます。
長くなってしまったので続きはまた。
長文最後まで読んでいただきありがとうございます。
つづく