タオルケット2センチのこだわり
ピンポーンピンポーン
同僚看護師
「またナースコール、
はぁ。。。21号室の真ん中やね」
同僚ヘルパーさん
「えー、5分前におむつ交換で行ったところやで」
私「はーい 、Tさん伺いますね」
部屋に入って大部屋21号室の真ん中のベットで
寝たきりのTさんからのコール
足元を見てすぐわかった。
足の甲がタオルケットから5センチくらい
飛び出てる。
私の顔を見るなり
無表情な顔で
「看護師さん、タオルケット下げて」
という。予測してた。
毎日これの繰り返しだから。
いつも誰かが整えたあと
もう一度コールがある。
Tさんはタオルケットを
尖足(せんそく)した足にかけてもらうときに、
尖った足の先"2センチだけ出してかけてほしい"
というのが希望とこだわりだった
そこを忙しさのあまり
適当にかけて
足先が出てたらいいんでしょという感覚で
いつもオムツ交換が終わった後
ガバっとかけられている。
それを毎回
2センチに合わせて整えなおす。
たまたま私がフリー業務で
コールをとる時はいつもそのやりとりだった。
無表情でくちびるをわずかに動かして
一本調子でいう
「看護師さん、タオルケットかけなおして」
はじめはわからなかった。
微調整して聞いていくなかで
Tさんのこだわりを発見した。
※尖足(せんそく)とは
麻痺により足の甲側が伸びて、足先が下を向いたまま元に戻らなくなり、足先が尖ったようになる症状です。
Tさんは服用しているお薬の副作用で
このようになったと思われます。
元々は違っていました。
ベッドの端に座れば足底が床に着いたので
車椅子も介助で乗車できていたのです。
Tさんは何度もコールしてくるので
忙しい時間帯や重症の患者様が急変した時には
待っていただくことも多かった。
ヘルパーさんにも
ため息をつかれることも。
働く側のスタッフの気持ちも患者様の気持ちも
両方痛いほどわかる。
要望を一度に聞いてあげれたら
何度もコールないのだけど、毎日きめ細やかに
聞いていられないくらい
スタッフは業務に追われていた。
ある日
「前は車椅子に乗れてたやん!」と
心ない言葉をTさんに浴びせている
ヘルパーさんの声が聞こえてきた。
ひどく落ち込んでいる様子。
次の日は精神科の往診の日でした。
私は横で往診中の
Tさんの訴えを聞いていました。
カルテ片手に精神科の医師が
Tさんのベッドの横で耳を傾けている。
「先生、私ヘルパーさんたちにいじめられて
意地悪な言葉ばかり言われて不安で眠れません。
睡眠薬を増やしてください。」
この時も無表情にわずかに唇を動かして
訴えていた。
医師は「わかりました。睡眠薬
増やしておきましょう。」
カルテにサラッと増量の指示を書き込む。
内心
「えー、患者さまが求めたら
求めただけ処方するんだ、、、」
看護師の仕事は医師の指示に従うこと。
いくら違和感を抱えても
業務遂行しなければなりません。
他にも手のひらいっぱいの錠剤を🤲
服用していたTさん。
どうなっていくのか予測が
ついてしまうことが日常にあり過ぎて
でもとても
恐ろしいことだと思うのだけど
どうすることもできなかった。
誰にもその違和感を話すわけでもなく
違和感が蓄積されていく。
私が今の
メディカル呼吸®︎を広めようと
決定的になった、なかでも
印象に残っているTさんとのエピソード。
続く
全然違うw
呼吸でわたしも色々なことが解放されて
心が自由なのです^^
人間関係による病院の中で感じていたような
ストレスも全くないのです。
Tさんとのエピソードはまだ伝えたいことが
あるので続きをお楽しみに🧡
メディカル呼吸®︎アドバイザー
日本マミーボイスアカデミー協会
理事長 山本理恵
日本マミーボイスアカデミー協会
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