淡々と静かに。石川亮、ついに連敗を止める捕手になる。報われたとはまだ言われない。まだまだこっからこっからのファイターズは。
2021 4/22 zozoマリンスタジアム千葉 M×F 1対3
リズムは淡々としていた。マリンの風は、それなりに吹き、寒さに震える姿もみられたが、マウンドに立つ池田隆英とホームに座る石川亮バッテリーの呼吸は、乱れることなく、一定の速度を保っている。
ゲームを壊すのは、いつもちょっとしたリズムの乱れだ。妙な場所にボールが転がったり、フォアボールが続いたり、バッテリーミスが出たり。乱れた波長が、場を狂わせていく。
石川亮が、それを感じているのかどうか。こちらの想像でしかないけれど。本日、先発マスクを被った彼の動作や仕草、表情に、いつものサービス精神旺盛な快活さはなかった。
ただバッテリーの呼吸を合わせる、大きくジェスチャーし、わかりやすく。キャッチングは、まっすぐに。できる限りまっすぐに。腕を伸ばし。ラインを残す。綻びを作らぬように。危険な裂け目を作らぬように。
外野手、内野手も、風の舞うスタジアムで。強打のボールを追い、スライディングキャッチし、アウトにしてくれる。池田隆英の球数は、少なくもなかったが、多過ぎもしなかった。幾度も幾度もフルカウントを数えて、フォアボールは一つだったように。肝心のところで駆け引きに勝り、三振を取る。
今日の両チーム投手成績
ファイターズ公式HP スコアボードより
勝敗を分けたのは、ヒット数ではなく、四死球の数とチャンスでの1本。ピンチでの対応。ファイターズが負ける時もきっかけは、いつもフォアボールやエラーで、要するに勝つためには、いかに、そういった無駄なプレーを出さないようにするかなんだ。
8回を今季初登板、B.ロドリゲス。先頭バッターを出し、ダブルプレーでしのぎ、またヒットされランナー1、2塁。代打は角中。簡単にアウトにならない難敵に、2ストライク2ボールのカウントから、外角低めに投げ込んだストレートは、見逃し三振。まっすく伸ばされた石川亮の左腕は、ピタっと止まって、さっと戻され、あっという間にベンチに向かった。
9回裏、前日に岡大海のサヨナラ2ランを浴びた杉浦稔大は、再びマウンドに上がる。二者三振、最後は、フライアウトで、三者凡退。
zozoマリンには、近藤アンカーによる賑やかな「123!」も響かない。最後まで、淡々とバッテリーのリズムは崩れなかった。
勝利打点は、2回表、タイムリー2ベースの石川亮。
「勝たないと意味がない」
そう言い続けてきた、控え捕手の、ベンチの裏で潜め続けた集中力が、ついにとうとう結果を導く。チームの連敗とゲームの破綻を止めて。
また始まる。明日をも知れない明日への、勝負は、続く。
写真は、同じくリンク先の公式HP スコアボード ゲームレポートより引用です。
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