子ども自身を尊重するということ
思春期の頃の息子と私の関係
⬆︎前回の記事で 「普通をよし」としてきた私が
長男の不登校をきっかけに変化していく様子を書きました。
思春期という時期を、「体と心の成長期でホルモンバランスが変化する時」
という過程くらいで見ていてはいけないな!と
今となっては思うのですがあの頃の私はそんなことを思う余地なし。
日々に追われ、世間の目から見た常識に縛られ
とにかく時間なし余裕なしの日々を送っていました。
長男は10歳くらいまでは、言うことを聞かないながらも
買い物に行くとか、一緒に出かけるとか、「家族で一緒に」
「私と一緒に」が当たり前だったのが
だんだんと自分の世界を創っていくように・・・
それが10歳くらいから〜
それはごく自然なことだし、そんなもんだよね!とわかっている風に
私はそういった彼の心の変化に寄り添うことなく
私の主張 私の当たり前(世間の当たり前)を押し付けていたように思います。
「大人の都合に合わせて欲しい。
まだ一人じゃ危ないし、友達とだけでは心配。
こっちのが効率いいよ。もっとこうした方がいいよ。
もし私がOKしたことで、よそ様にご迷惑をおかけしたら・・・
親としてちゃんと責任を持たなければ。」
言い出したらキリがないくらいですが
息子の気持ちよりも 私の都合優先だったと思います。
あなたはそうかもしれないけど・・・
世間でいうと、一般的には、普通は、
そんな言葉を基準に 誘導していたなと思うのです。
でも習い事だけは断固としてやらなない!
そんな息子を普通の子とちょっと違うから、困ったもんだとも思っていました。
中学生からの変化
私も子ども達の成長と同じように
自分の心の変化から 自分の価値観が変化して
世間の当たり前を疑うようになり
自分の気持ちを大切にするように変わっていくのですが
その世間の当たり前が中学に行くと
「大きな壁」となって
私たち親子にのしかかってきたのです。
中学生として!やるべきこと!
日々のルーティンに追われ
息子の中で葛藤が生まれていたのです。
彼はちゃんとSOSを出していました。どうして勉強は必要なのか?
どこに向かって僕は進んで行こうとしているのか?
好きな運動を伸ばしていきたい。
苦手なことも努力しているけど苦しいんだ。
彼は心に素直だったと思います。
細かに日々少しずつ 一言ずつ または顔色で態度でそれを伝えていたのだと思うのですが
私は 「気持ちが大切だから」
と言葉では言いながら
「中学生として」の常識から、私の思考の部分が外れることができませんでした。
心の部分でもレールから外れることの不安があったのだと思います。
この「言ってることと心の矛盾」
に、彼は大きく反発してくるようになりました。
もうこうなると、言っても聞き入れてくれません。
矛盾が矛盾を生んでいく。この後、彼は鍵のない部屋に棒で鍵をかけ
引きこもるようになってしまったのです。
前回にも書きましたが この頃になって私はようやく気づいたのです。
私が本気で生きてるのか?口だけでなく自分の日常も仕事も周りとの会話も人間関係も 本音でホンモノで生きてるのか?
自分の好きと嫌いを知り 自分の得意と不得意を知り
本音で人と話し 家族で地域で 私という人がイキイキとしながら暮らし
人のお役立ちになり笑顔を増やし生きているのか。
こういったことが人間らしい生き方なのでは?
そんなことを思っていたところから リノベーションまちづくりとの出会いがあり お店を運営していくチャレンジをさせていただくことになり
私は本当に無我夢中で 店のオープン準備をしていきました。
長男を変えたのは?
お店のオープン準備は想像以上に大変でした。
周りからの期待、資金面などの心配含め
私のキャパを大きく大きく超えていました。
でもやれない理由を並べたくなかった。
先はわからないけど、やってみよう!
不器用ながらに
でも思いを軸に周りの方に支えられながらお店を始めていき
弱音も吐くけど諦めない!突き進むのみ!の私を見ていてか
だんだんと息子が心を開いてくれるようになったのです。
きっと私が変わっていったのだと思います。
お店を始めてみたら いろんなことがわかりました。
当たり前だと思っていた 近所のお店屋さんも 旦那さんの実家の農園も
この街に暮らしていて
お金を出せばすぐに食材が手に入り ご飯が食べられる
こんな普通の日常も、いろんな人がいてこそなんだなと。
いうのは簡単!やってみてわかる有り難みを 41歳になって気づくとは!
生まれて始めて肚落ちしたのです。
この街が人が家族がありがたいなと。
旦那さんとの関係も変わりました。
こんな、とんでも迷惑な、はちゃめちゃな過ごし方をして
家事が疎かになっていくのに
「りえちゃん イキイキしてるよ!やれるところまでやってみなよ」
そんなふうに たくさん支えてくれるようになりました。
「ありがたいな」「目の前にいつも幸せはあったのだな」
そんな風に視点が変わっていく中で
私の心の本音と言葉と態度が一つになってきた。
そんな私の言葉を息子が拾ってくれていくようになったのだと思います。
大人がホンモノで生きているのか
その後も、そして今も長男との中でいろんなことはありますし
私自身も大きく変化があります。
この出来事も 一つの出来事に過ぎませんが
私にとって大きな大きな人生のターニングポイントでした。
イエナプランを知ったのは昨年の3月で
私の子育て期には、全く存在すら知らずに過ごしてきてしまったのですが
イエナプランの中でも
ホンモノから学ぶことと ホンモノの自分でいることは
とても大切にされています。
ホンモノから学ぶとは、本やネットの二次情報だけでなく
ホンモノに触れる聞くなど 本物からの経験を重視します。
そして先生や大人自身もホンモノですか?と。
イエナプランでいう素晴らしいグループリーダー(先生)とは
なんでも答えを知っている先生ではなく、
知らないこと分からないことは素直に言える
ホンモノの自分を出せる人です。
親である、大人だからと、なんでも導いて答えを出すことに
必死になりがちな私でしたが
息子に教えてもらったのは
本音でホンモノで生きているお母さんが一番だよ!と そんなメッセージをもらってきたのだと思っています。
その後いろんな子ども達とイエナを取り入れたキャンプを通して
何度もこの「ホンモノの私」というテーマで考えさせられることが増えていきました。
子どもはいつもホンモノです。潜在意識そのもので生きている。
嘘のないその姿から学ぶことが多いのは
大人の方だと感じています。
「どんな人も、世界にたった一人しかいない人です。つまり、どの子どももどの大人も一人一人がほかの人や物によっては取り換えることのできない、かけがえのない価値を持っています。」イエナプラン20の原則1より
イエナプランは共に生きるを学ぶ 人間のための教育です。
当たり前とは?何が創っているものなのか?
自分の頭で考え 言語化すること
そして自分が自分をまずは知ること。
自分を知っているから他者を尊重でき
互いの得意を生かしあい社会へとつながっていける。
そういった人として大切な基本的なことを 教育という形で4歳から学べるイエナプランの魅力と可能性に感動しましたし、
子育て真っ最中のママ達に
ぜひ知ってもらいたい学びだなと思っています。
長文を読んでくださりありがとうございます。
次回からは短編でサクサクいきます♪笑
ホンモノの自分で今日も素敵な1日を!
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