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見ているものを言語化する
どこで見つけたのかわからないけど、気になって読んでみたらすごく面白かった。
例えば、部屋に飾っているこのピカソの絵を、見えてない人にどう伝えるだろう?と考えてみる。難しい。
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「もっと写実的な絵なら伝えやすい」と思いがちだが、そうではないらしい。
個人の経験による見え方の違いはあるだろう。
著者は、自分と向き合って出てきた感覚や感想などを忌憚のない言葉で書き進めている。それが面白いと思った。
観たことのある作品が出てくると興味深い。特に、豊島の「心臓音のアーカイブ/クリスチャン・ポルタンスキー」は私自身が強い印象を受けたので、あの時の感覚を思い出しながら、私ならどんな言葉で伝えるだろうか。ちょっと苦手と思ったんだよなぁ…」など思いつつ読んだ。
ただ、中盤から著者の個人的な話や白鳥さんとはあまり関係ない絵の感想とかあり、読むのが面倒になったところがあった。そこらへんはかなり斜めに読み飛ばしたけれど、総じて「面白かった」という読後感。
見えるのが当たり前の人と、見えないのが当たり前の人との間にあるもの。
それを「障がい」という言葉で表すのは適切ではなかったのかもしれない。見えるのが当たり前の私たちの思い込みや先入観や、それにつながる余計なお世話とか、自分の中にあるよな!と痛感もした。
上手くレビューできないのだけどそんな感じで、またいつか読み返してみると違う感想が出そうな本だった。
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