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【イベントレポート】「探究」につながる校外学習の組み立て方とは🔎

こんにちは!リディラバ教育旅行チームです。
2022年11月18日に「探究につながる校外学習とは?」というオンラインイベントを開催いたしました。
参加できなかった方向けに当日のイベントの内容をこちらのnoteで公開したいと思います!

0.イベント概要

タイトル:「探究につながる校外学習とは?」
日時:11月18日(金) 20時-21時
参加者:学校の先生6割、その他4割

登壇者:HoBach氏(東京工業大学 工学院 経営工学系 エンジニアリングデザインコース 助教)

88年ベトナム生まれ。6歳の時に来日。JAISTで博士号取得後、東京大学研究員を経て現職。専門はサービスマーケティングとWell-Being、メタバースにおける情動の構成、コミュニティの持続可能性。多数の企業と『プロセス志向のWell-Being』について共同研究を実施。

進行:菅野真人:(株式会社Ridilover 教育旅行チーム サブリーダー)

広告業界での勤務を経て、2021年8月より株式会社Ridilover入社。中高生向けスタディツアーの学校・旅行代理店向け営業やツアー実施までの現場団体との調整を担当。

詳細▶︎ https://studytour-1118.peatix.com/ 
(イベントはすでに終了しております)

1.リディラバのスタディツアーとは?

イベントでは、まず前提としてリディラバのスタディツアーのご紹介を菅野よりさせていただきました。
こちらのnoteでは、詳細は以下のサイトに譲ります。

2.「学習目標」「学習成果」「学習プロセス」を整理しよう💡

ここからHoさんにバトンタッチし、具体の調査のレポートに移ります。
Hoさんの現在のご専門はマーケティングなどの分野になりますが、リディラバとのご縁もありこのような調査を実施するに至りました。

まずはプログラムの効果検証に当たって以下を整理しました。

・学習目標(最終的に達成したい目標)
・学習成果(学んだ結果身に付く能力や成果)
・学習プロセス(どのように学ぶのか)
 

指導計画などを練る際に以下の言葉に聞き馴染みがあったり、意識的/無意識的に普段の授業を組んでいるという方も多いと思いますが、リディラバのスタディツアーの場合はこのようになります。

・学習目標=社会課題への関心を高めること
・学習成果=「知識の獲得」、「自己効力感の向上」
・学習プロセス=ツアー/ワークショップを通じた「暗黙的学び」と「明示的学び」

今回は、「スタディツアーを通じて、社会課題への関心を高めるという学習目標は達成されるのか。また、どのように達成されるのか」を明らかにすることを問いとしています。

ー「明示的学び」「暗黙的学び」とは?

ここでは非常に簡略化して整理します。
「明示的学び」とは、あらかじめ明示している学びのこと。
学校でよくあるシーンで例えると、先生に「テストに出るのでノートを取っておいてください」と言われてノートを取るといった学び方です。

「暗黙的学び」とは、あらかじめ明示されていない学びのこと。
学校でよくあるシーンで例えると、先生の言動や前回のテストの傾向などから、重要な情報でメモを取るべきであると生徒自身が気づき、自発的にノートを取るといった学び方です。

今回の調査では、同じ情報を学んだとしても「学び方」によって学習成果に違いが出るのではないかということを重点的に検証しました。

3.アンケートで得られた結果:スタディツアーは、一定社会課題への関心を高める❗️

以上のフレームワークを元に、具体の設問に落として生徒にプログラムの事前/事後でアンケートを実施しました。
その結果、「スタディツアーは、一定社会課題への関心を高める」ことがわかりました!

学習目標である「社会課題への関心の高まり」が達成されるプロセスについては、以下の3つの示唆が得られました。

ー(1)知識の獲得が社会課題への関心に繋がる

自分の選んだテーマについて、どんな人が関わっているのか、どんな困りごとを抱えているのかといった、詳しい知識をつけるほどに、社会課題への関心が高まることがわかりました。これは、言われてみれば確かに…という結果です。

ー(2)暗黙的学びが知識の獲得を促進する

では、知識を獲得するために有効な学びのプロセスについて見てみると、暗黙的学びとの関連性が強いことがわかりました。教科書的に学ぶよりも、実際の現場に出向いて熱量のある話を聞くスタディツアーのような仕組みが、実は知識を獲得するためには有効だと言うことです。

ー(3)自己効力感を通じた明示的学びは知識の獲得を促進する

明示的学びは直接的には知識の獲得に関連性が見られませんでした。一方、「付箋をたくさん書けた」「メモをたくさん取れた」といったプログラムへの参加態度は、自己効力感に繋がり、間接的に知識の獲得に寄与することがわかりました。

プログラムの運営者は、「付箋たくさん書けたね!」「この意見、良い視点だね!」など、なるべく自己効力感を感じられるような積極的な声がけをして、学びを明示する働きかけをすることは有効なようです。

▲調査結果を整理した図(HoBach氏作成)▲

4.自校の取り組みに結びつけて考えてみよう🏫

今回の調査では、重要な情報をただ暗記テストで覚えさせるだけではなく自発的に気づかせる仕組みとして、修学旅行や校外学習は有効であるという示唆が得られました。
例えば、人口減少について教科書で教えるよりも地方に行ってバスの車窓から人が全然いない風景を見た方が知識の獲得に役立つ。各教科でも探究的な学びが求められる中、校外学習と学校での教科学習を接続させることで、教科学習での知識の獲得がより効率的になるといった可能性が見えてきました。

また、ただ授業やプログラムをこなすだけでは知識の獲得にはつながらないので、授業やプログラムを達成した時に自己効力感を高める仕組みが重要であるということもわかりました。
例えば、先生自身が伴走者として生徒の頑張りを評価してあげたり、生徒同士でフィードバックし合ってお互いに自己効力感を高め合う取り組みなどが挙げられます。また自己効力感を高めるためには、あえて競争を促す、質的なフィードバックをするなど様々な方法があるので、学級や学年の雰囲気などによって使い分けることもポイントです。

ぜひこれからの授業運営や行事の企画の際に、参考にしていただけたら幸いです。

そして、そうは言っても、なかなか普段の授業もある中でプログラムをゼロから練り上げるのは難しい…という先生も多いと思います。
そんな時は、私たちリディラバが一緒に学びの場を設計できればと思いますので、ぜひお気軽にご相談ください📩

詳しい資料の送付、プログラムアレンジのご相談承っています。
ぜひお気軽にご連絡ください。
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