【ミュージカル】《後編#3》『キンキーブーツ』の楽曲を楽しむ〜ローラのプライス&サン改革編
ミュージカル『キンキーブーツ』のレビュー《後編》の#3です。今回はローラによるプライス&サンの改革について書きます。
《前編》では、作品全体の見どころにについて書きました。盛大なネタバレはしてないつもりなので、これからご覧になる方もお読み頂いて大丈夫です。
《後編》はネタバレありの楽曲レビューシリーズです。
順番に読んで頂くのがおすすめですが、お好きなところからでも、大丈夫です。ネタバレはやだよ、という方は#1ローレン&チャーリー編の「まずCDジャケットを愛でてみる」だけで離脱する事をお勧めします。
#1 ローレン&チャーリー編
#2 オープニングナンバー編
#3 ローラのプライス&サン改革編(←ココ)
#4 ローラの解体新書編
#5 ストーリーの回収編
さて、キンキーブーツと言えば、注目を浴びるのは何と言ってもローラが大活躍する華やかなシーンの数々ですが、今回はその中から、プライス&サンの改革にまつわる曲をレビューしてみたいと思います。
ローラは、この物語の中で、『Sex Is In The Heel』で新商品開発と世界進出を指南し、『Everybody Say Yeah』で試作品完成を従業員さんたちと一緒に祝います。2幕の『What A Woman Wants』ではダイバーシティの考え方を導入し、『In This Corner』では、頭の硬い中間管理職の意識改革を試みます。最後のナンバー『Raise You Up / Just Be』では、ショーのモデルを自分で務めて広報担当にもなります。
製品開発から人事まで八面六臂の大活躍で、まるで至れり尽くせりの経営コンサルタントみたいです。そんなローラによるプライス&サンの立て直しの軌跡を、楽曲から追ってみたいと思います。
新製品で世界進出を目論む『Sex Is In The Heel』
さぁ、いきなりスラング盛り盛りの難解なナンバーからスタートです。
ローラは、「来てくれるな」とチャーリーに断られたのに、エンジェルたちを連れてプライス&サンに奇襲をしかけます。
初めてローラ達を見て、ドン引きする従業員たち。
チャーリーは、早速、試作品を見せますが、ダッサダサの小豆色のカカトの太いブーツを見たローラは、一刀両断。ローラの考える最高のハイヒールについて歌い、新製品開発のコンセプトにテコ入れをするのがこのナンバーです。
ローラは、ハイヒールの事を「Sex」と言いますが、ローラの言う「sex」の解釈については、#2オープニングナンバー編でもちらりと触れた通り、ローラのハイヒールに対するロマンを一言で表した言葉です。
日本語で「セックス」と言った時の性的な意味合いを超えて、「痺れるほど最高に興奮するモノ」というような意味で使われています。また、オープニングナンバーの『The Most Beautiful Thing in The World 』では、ハイヒールを履いてご機嫌の子供ローラが、以下のように歌っています。
Feels like I’m dancing across the high wire
Or bravely soaring up into the blue
Just like a rocket looks with sparks and fire
Feels like the magic never ends inside these
まるで綱渡りしながら踊っているみたい
空に舞い上がるには勇気がいるよ
火花でキラキラする打ち上げ花火みたいに
この靴は終わることのない魔法みたい
(Ricky テキトー訳)
ローラにとってハイヒールを履くという事は、綱渡りしながらのダンスであり、勇気であり、花火であり、魔法なのです。
ローラは子供の時からハイヒールが大好きなので、思い入れもひとしおです。
そんな意味が「sex」という単語に込められているという事を頭の隅に置きつつ、プライス&サンの起死回生をかけた新製品がどうあるべきか、ローラの意見を紐解いてみたいと思います。
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ポイント1:ヒールの高さは15センチ
ローラによれば、ヒールの高さは、クイっと高めの6インチ(15センチくらい)は必要だそうです。
歩くどころか、立てる気がしない(笑
でも、いきなり身長が15センチ高くなったら。。。それは綱渡りしてるみたいに感じるだろうなぁ。
そして、ヒールを履いてない時は、ペシャンコのタイヤらしいです。
ポイント2:ヒールは壊れてもいい
sexのためなら、ヒールは壊れてもいいんだとローラはおっしゃっています。
ショーパブの楽屋裏でも、同じ事を言ってましたが、ローラはヒールが壊れるのは当たり前だと思っているのですね。
そこは「丈夫で長持ち」が伝統(『Price and Son Theme』より)のプライスアンドサンの腕の見せ所です。
ポイント3:ヒールは男子にモテるためのもの
ハイヒールは、イケてる男子にアピールするためのもので、目立ってなんぼ。
たぶらかしてなんぼだそうです。
一度履いたらクセになるモノらしいです。
その4:ヒールの形は「スチレットヒール」
スチレットヒールとは、ファッション用語でピンヒールの事です。
スチレットとは、もともと短剣の一種で、ヒールの形が、短剣の剣先のように、地面に刺さるような形をしているところから、その名前がついたとか。
オープニングナンバーで、ニコラが見惚れていた赤いヒールも、スチレットヒールでしたね。
歩きにくいけど美しくてカッコいいヤツです。
ポイント5:ヒールに大切なのは’ism’
ヒールは’ism’、つまり「美学」なのです。
製品に美学さえあれば世界進出も夢じゃない。
その美学とは、靴単体の美しさだけでなく、下半身をキュと引き上げて、スタイルをより魅力的に魅せる実質的な効果がある事も兼ね備える必要があるのだそうです。
一通り理念を説明したローラとエンジェルスが、ダンスをしますが、この時、ミニスカートで脚をことさら強調して、魅せる振り付けになっているのは、「脚がこうやってキレイに見えないとダメなのよ」と「美学」を訴えています。
あの小豆色の試作品では、ああはならないわけです。
ポイント6:参考にすべきブランド
ジミーチュウ
マノロ
プラダ
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ポイントを整理したローラは、いくつかデザイン画を示しますが、全てピンヒール。これまでの靴屋の常識で言えば、男性が履くにはピンヒールでは体を支えられない。
ローラは、ヒールは壊れてもいいと言ってるけど、プライス&サンとしては、靴は丈夫じゃないと。。ね。
すると、古参の従業員ジョージが、古臭ーい音楽に乗って、画期的な靴底補強アイデアを出します。古臭ーいメロディは、古臭ーいプライス&サンの技術の象徴なのかも。でも、それは伝統に裏打ちされた確かな技術なのです。ジョージ曰く、「ドンが履いても壊れない靴」を作れると。
さあ、いよいよ、イギリスの片田舎の小さな靴屋さんの世界へ向けた挑戦がスタートします。
余談ですが、日本版では、ドンはかなり体の大きな俳優さんが演じてます。それは、このジョージのセリフを生かすためでもあったのですね(ボクシングのシーンで「重量級」とも呼ばれていますが)。
WE版では、いかにもマッチョでこれまたずっしり詰まって重そうな(笑)俳優さんが演じています。
ドンは、ローラとは対照的な体型で、かつローラ以上に重そうに見える必要がある役なのです。
日本人男性としては大きい春馬くんが筋肉モリモリで挑んだローラ。しかも、チャーリーが小さいから、相対的にローラがより大きく見えてしまうジャパンキャストでは、なるほど、あのドンになるわけです。納得。
ところで、この曲は、長さは5分足らずで、ダンスやセリフだけの部分が約半分ほどあるにも関わらず、ラップがあったり、早口なロック調だったりで、非常に語数の多い曲です。訳詞にしろ字幕にしろ、音に乗せるのはかなりご苦労があった事と推察します。
ラップを他言語に訳して演奏するのは、事実上不可能だと私は思っていまして、よくチャレンジされたなと思っています。
その上で、公式の日本語訳では伝え切れていないニュアンスやリズム感がもったいないので、僭越ながら、Rickyテキトー全訳をこのnoteの最後にそっと置いておきます。直訳に近い全訳はネット上を探して頂くと、いくつかありましたので、あえて、日本語のリズム感の中で、ノリよく読める事を意識して訳しています。
そんなRickyテキトー訳で読んでみたいという奇特な方がいたら、そちらをご覧下さい。
試作成功でお祭り騒ぎ『Everybody Say Yeah』
ローラを新たなデザイナーとして迎え、新生プライス&サンが始動します。
物語上では、チャーリーが思い悩んだり、ニコラとすったもんだしたり、ローラが自分のアイデンティティについて悩んだりしてる間に、粛々と作業が進んでいたようで、ローラのイメージするkinkyで、かつ、「ドンが履いても壊れない」ブーツの試作品第一号が完成します。
その、完成を祝ってお祭り騒ぎをするのが、このナンバーです。
それにしても、チャーリーは、他の事で忙しくて、何もしてない。そもそも製品開発の試行錯誤している様子はほぼ描かれないのです。なのに、いきなりベルトコンベアからキラキラに輝くキンキーブーツが登場する。で、1番嬉しそうなのがチャーリーです。
なんだかそれがおかしくて、チャーリーが何度も歌う
Lemme hear you say yeah yeah
イェーイて言ってみて
(Rickyテキトー訳)
このフレーズのたびに、心の中で突っ込んでしまいました。
あなた、何もしてませーん!(笑
なので、後半の従業員さんたちのソロ部分で、みんな頑張ってたとわかってホッとしました。
I punch the holes. I sew the seems
And I pull the leather tight
I put the steel inside the heel
Now we go off like dynamite
穴を開けて
継ぎ目を縫って
皮をピタッと引っ張って
金属をヒールに入れ
ダイナマイト級に技術が炸裂
(Rickyテキトー訳)
うんうん、おつかれさまだったよ。
さらにその後には、こんなフレーズも。
Synergy my pets, in patent leatherettes
技術を結集、特許技術の革を使って
(Rickyテキトー訳)
このpets!
自分たちの技術の事を「愛するもの」と表現しているのだと思うのですが、やはり従業員さんたち、プライス&サンに誇りを持ってます。なんだか胸熱になるお祭りソングです。
このナンバーは、Cyndiが、キンキーブーツの音楽を担当するにあたり、旧知の仲の演出兼振り付けのジェリー・ミッチェル氏に対して、振付家として存分にやってほしいと、ダンサブルなナンバーを一曲入れたくて書いた、と言われています。
そんな事言われたら、やっちゃうよね。
キンキーブーツ名物のベルトコンベアを使った、奇想天外なステージングには、そんなバックストーリーもありつつ、私がこのシーンで大好きなのは、ローラの靴!
チャーリーは、普通に革靴なんですけど、ローラは派手目のスニーカーを履いています。
ベルトコンベアで踊るのに、ヒールというわけにもいかないし、そもそも、直前のシーンで、ニコラと気まずく鉢合わせした時は、ソフトな男装にパンプスを履いているローラ。
でも、そのパンプスではベルトコンベアはたぶん無理なのでしょう。で、スーツ姿には不似合いな派手目のスニーカーで登場します。
いっそラメラメとかにすればよかったのに、と思ってみたり。
あれだけ靴にこだわるローラに何を履かせるか、このシーンは悩ましいところだったんだなと推察します。そこがツボなのでした。
シーンの最初の時点では、ベルトコンベアで踊るなんて思わないで観てる観客は、きっと、あのスニーカーの違和感に、?????となるはず。
私も最初にwebの動画で見た時は、なにかの間違いだと思ったので。
でも、踊り出したら、まさかのベルトコンベア。もうびっくりです。
ダイバーシティ改革『What A Woman Wants』で女性たちの本音に迫る
キンキーブーツの中で、一際、異彩を放つナンバーは、やはりなんといってもこの曲です。
まさかのタンゴ!
『What A Woman Wants』は、いわゆるアルゼンチンタンゴですが、タンゴのルーツは諸説あります。一説には、スペイン系移民が、酒場で不満を解消するために踊った、と言われていて、移民と女性という違いはあるにせよ、社会におけるマイノリティの不満を表現する曲としては、ピッタリなのかも。
この曲は、男と女の事はなんでもわかった風で、ローラの事を相変わらず小馬鹿にするドン(歌の中では、「Mr. I-Know-Everything」と揶揄されています)に、どれだけ女の事をわかってないか、知らしめる歌です。
女性の従業員も多いプライス&サンの、まさにダイバーシティにメスを入れるローラ。
ローラは、シャツを第二ボタンまで開けて、セクシーな男装だけど、脚にはキンキーブーツを履き、メイクは1幕の終わりのサイモン状態から、少し女性らしくなっています。女性の立ち居振る舞いで、SMの女王様みたいなムチをふりわまして、タンゴのリズムに乗せて、華麗に女性たちをリードします。男性と女性の中間の「性」の出立ちのローラが、男性として女性たちの気持ちを歌う不思議な世界観。ローラというキャラクターでなければ成立しない貴重な一曲です。
この曲の中で、女性が男性に求めるものは「Companionship, affection sensitivity and compassion (同士でいてくれること、愛情を理解できる感性、思いやり)」と歌われます。
と書くと、なんだか道徳の教科書みたいな歌のようですが、歌詞が全編にわたって下ネタのオンパレード。
職場には不適切なセクハラ発言を平気でするドンとか、もはや逆セクハラじゃないかレベルのドンに対する酷い言われようとか、おもろすぎて、めちゃめちゃ詳細に解説したい衝動に駆られつつ、詳細はご想像にお任せしようと思います。
ネット上には、詳細に解説して下さっているサイトもありますし。
基本は、Cyndiらしく、直接的な表現はせずに、下品すぎないスラングを駆使して、上手く書いています。
歌の中で、頻回に出てくる「what a woman (/man)」というフレーズは、とてもよく考えられていて、「what」を関係代名詞(〜のこと)として使って「女性が望んでいること」の意味としてはもちろん、感嘆詞として使って「女性は素晴らしい」という意味にも取れる使い方になっています。
感嘆詞として使う場合は、文脈に左右されるので、「What a man」の方は、女性が歌う時は、「男ってやつはまったく。。。」みたいな、ネガティブな受け取り方もできる。って事は、ドンが歌ってる時は、「男が最高」の意味だったりする。
同じフレーズの繰り返しなので、役者さんの表現だけで、ドラマチックに観せるミュージカルならではのナンバー。
下ネタで大爆笑しながら、役者さんの演技にも注目して楽しんで欲しいと思います。
アンサンブルの女性たちが、実にイキイキと演じているところも必見です。
中間管理職の意識改革『In This Corner』
お次は、明日のジョーです。
いや、ドンとローラの決闘のナンバーです。セクハラで頭が固い中間管理職のドンを、ローラが男性の流儀で意識改革へと誘うきっかけとなる、ボクシング対決の曲です。
『What a Woman Wants』で、ドンはローラと取引きをしました。
ローラがドンの要求を、ドンもローラの要求をやる、という取引きです。
で、ドンの要求はボクシングの試合でローラが勝つ、というものでした。
ここでもボクシングかよっ!
と思ったあなたの脳内には、あのミュージカルが浮かんでいますよね。
そうです。同じく、イギリスの田舎町を舞台にした大ヒットミュージカル「ビリーエリオット」にも、ボクシングが出てきます。
「ビリーエリオット」の中でも、主人公のビリーに、父親はボクシングを習わせています。
男らしく、強くなってほしいという願いを込めて、貧しい中からなんとかお金を捻出して、習わせているのです。
ローラの父親と同じです。
実は、イギリスは近代ボクシング発祥の国でして、ボクシングは老若男女に大人気のスポーツなのです。
イギリスの田舎の保守的な男性が、「強い男」の象徴として、ボクシングに傾倒するのは、それほど不思議な事ではないと思われます。
ただ、いきなり「ボクシング対決しようぜ」となって、それが可能なくらいイギリスの人たちにとって、心得があるのが当たり前なのかどうかわかりませんが。
それにしても、ミュージカルで対決するなら、歌ったり踊ったりするのが普通(?)かと思いきや、ボクシング。それも、音楽に乗せて?!?!
いやいや、殴り合いで戦ってるというより、それぞれの応援団のヤジりあいで、白熱の戦いを再現している感があります。例えばこんな感じ。
In this corner wow the crowd
Take him down and make us ladies proud
(ローラの応援団)
こっちの観客は盛り上がってるよ
やっちまえ、女のプライドにかけて
In this corner dominate
Set it off so we can set them straight
(ドンの応援団)
こっちにも大勢集まってるぜ
速攻でストレートをくれてやる
(Ricky テキトー訳)
ドンの応援団の最後の部分の「straight」は、日本語でも使いますが、ノンケの人を指すスラングでもあります。
また、「straight」には、「まっすぐにする」から転じて「元に戻す」といったニュアンスもあるので、ここは、「俺たちは奴らをストレートに戻す事ができる」と、甚だ失礼な意味合いも込められたヤジにも聞こえる。
と言いつつ、ドンの応援団に女性が混じってるのは、なぜ?という気もしつつ、細かいことは気にしない事にします。
とにかく、リングの設えも、呼び込みも、ゴングも何もかもショーアップされていて、ミュージカルの決闘としては、とてもユニークでアートなシーンになっています。ミュージカル好きにはたまらない一曲です。
この対決の後、ドンはローラと心を通わせる事になります。ドンの立場を慮ったローラの配慮に「男気」を感じ、人としての懐の深さを認めるのです。
ドン、セクハラ野郎の過去は消えないけど、いいところあるじゃないか!
この時の取引きが、あとでチャーリーの窮地を、救うことになります。
やはり、ローラはプライス&サン立て直しの影の立役者です。
広報活動の旗振り役『Raise You Up / Just Be』
「キンキーブーツ」といえば、このメドレー!
日本でも、歌番組で披露されていましたので、本番をご覧になっていない方も、観たことがあるよ、という方もいらっしゃるかもしれません。
このメドレーは、ミラノのショーという、劇中ショーのショーナンバーであり、この作品のエンディングでもあり、作品が伝えたいメッセージが込められた復習ナンバーでもあります。
実際の公演では、客席もノリノリになって、まるでライブのようだったと聞きます。
これは、じっとして聴くのは拷問だよなぁ。
さて、ここに至るまでにローラはチャーリーと決裂しています。ショーの演出は、本来ならローラの得意分野のはずですが、まさに右腕を欠いた状態で、ミラノに乗り込むことになったプライス&サン。大ピンチです。
でも、もうこれで行く!と腹を括ったチャーリーは、自らキンキーブーツを履いて、ヨロヨロとランウェイに登場します。
このくだりが、大好きです。
その前のシーンで、『The Soul of a Man』で、ちょーカッコよかったチャーリーなのに、最後はやはり笑わせてくれる。期待を裏切らない男です。
で、ババーンとローラ様の登場。
盛り上がらないわけがない。
ローラは、開発担当として、この思い入れのあるブーツは、やはり自分でお披露目せずにはいられなかったのよね。。。
この曲のアンサンブルさんたち!
まさかの、曲中早替えです。
たぶん、コート脱いで、ウィッグチェンジをしてるんだと思うのですが、おそらく2分も間がなかったかと。
舞台上はアンサンブルがいないので、エンジェルたちがセットを動かします。ピンヒールで!
いやー、最後の最後まで忙しい。
ローラより、アンサンブルさんの方が出ずっぱりなんじゃ?(笑
『Raise You Up』は劇中ショーのナンバーではあるのですが、ローラとチャーリーが、ここに至る心情を吐露しあっています。
まるで和解の、いや、友情を確認し合い、ある意味パートナーとして認め合う歌にもなっています。
2人が抱えていた葛藤も、それなりに回収しています。
それがそのまま、プライス&サイモンの復活劇の軌跡と重なります。
人間関係にしろ、組織にしろ、壊れる時と復活する時の本質は変わらないのだなぁと、この曲を聞くといつも思います。
歌詞の内容については次のnoteで、ローラのソロ曲と共に書きたいと思いますので、もうすこしお待ちくださいね。
『Sex In The Heel』Rickyテキトー全訳
[LOLA]
Hmmm... yeah
The sex is in the heel even if you break it
The sex is in the feel, honey you can't fake it
Jack it up! Cause I'm no flat tire
Mack it up! Six inches higher
The sex is in the heel, so just embrace it
つまりね。。。
sexがヒールにないとだめなの
壊れたっていいのよ
sexは感覚の中にあるのよ
僕ちゃんわかる?だますのは無理よ
クイっと高くね
潰れたタイヤじゃないんだから
そそるようにね
6インチは必要
sexがヒールにないとだめなの
おわかりかしら
[LOLA & ANGELS]
From London to Milan
Stilettos are an ism, in red and neon life
Gimme Jimmy Choo, Choo, Choo, Choo, Choo shoes
The New York, Paris, Hong Kong
Live it like an ism
Seduction amplified
The heel is the transmission
ロンドンからミラノへ
スチレットヒールは美学
真っ赤でキラキラの中に美学があるの
ジミーチョウの靴をちょうだーーーーい
ニューヨーク、パリ、香港へ
美学があれば輝くの
ガンガン誘惑しに行くわよ
そんなヒールがあれば楽勝よ
[PAT]
Asserting actual scientific reason
Heels tense the leg and the hindquarter region
Lifting the rear and making it appear pert and ready for mating season
ここで科学的根拠をご説明します
ヒールがある事によって脚全体および臀部にテンションがかかります
お尻がキュッと上がりますと、いい感じで、ただ今発情中なのがアピールできちゃうわけです
[LOLA]
(That's the scientific view, but you know what I say?)
The sex is in the heel
Fierce as you can make it
The sex is the appeal
Kinky boys can shake it
Pump it up, pump it up
Till it's ostentatious
Funk it up, funk it up
It's contagious
The sex is in the heel so just embrace it
(それは科学的なご高説だけど、私が言いたいのはつまりこう言うこと)
sexがヒールにないとダメなの
できるだけ激しく
sexは魔性じゃないとダメなの
イケてる男の子たちが身悶えする
行くとこまで行っちゃって
目立ってなんぼ
カッコよくきめて
まるでビョーキ
sexがヒールにないとダメなの
おわかりかしら
[LOLA, ANGELS & WOMEN]
From London to Milan
Feed that chic hot feeling
In red and neon life
Won't go nowhere without
M-m-my Manolos
New York, Paris, Hong Kong
Stilettos leave 'em reeling
Seduction amplified
ロンドンからミラノへ
上質で流行りの感じにしてね
真っ赤でキラキラは生きてる証よ
マノロの靴じゃなきゃどこへもいけなーーい
ニューヨーク、パリ、香港へ
スチレットヒールが下半身をキュッと上げてくれて
さぁ誘惑しに行くわよ
[ALL]
The heel should hit the ceiling
The heel should hit the
The heel should hit the ceiling
ヒールを履いたら天井にぶつかっちゃう
From London to Milan
Stilettos are an ism
In red and neon life
Gotta lotta p-p-p-p-p-p-Prada
New York, Paris, Hong Kong
Live it like an ism
Seduction amplified
The heel is the transmission
ロンドンからミラノへ
スチレットヒールは美学
真っ赤でキラキラの
プラダをたーーーーくさん買わなくちゃ
ニューヨーク、パリ、香港へ
美学があれば輝くの
ガンガン誘惑しに行くわよ
そんなヒールがあれば楽勝よ
LAUREN, spoken]
These are brilliant. I'd wear any one of them
ステキ、全部履いてみたい
[CHARLIE, spoken]
You are not our niche market
君の履く靴じゃないよ
[GEORGE, spoken]
There are some very interesting ideas here
これは、とても面白いアイデアですね
[CHARLIE, spoken]
They're all stiletto heels. It's physically impossible to make a stiletto that can bear the weight of a full grown man
全部スチレットヒールって。大人の男性の体重を支えるなんて、物理的に無理だろ
[GEORGE]
(Not so fast)
If we could mold the steel
One piece from ball to heel
We'd underpin it, and remake it
So not even Don could break it
(いや、ちょっとまってください)
金属を加工して
つま先から踵まで
靴底を補強できれば、
ドンが履いても壊れない。。
[CHARLIE, spoken]
Sorry?
なに?
[GEORGE]
(I said...)
We'd underpin it, and remake it
So not even Don could break it
(つまり)靴底を補強すれば
ドンが履いても大丈夫な靴がつくれるかと
[CHARLIE, spoken]
Yeah? You think?
ほんと?作れる?
[GEORGE, spoken]
We can do it
できます
[LAUREN, spoken]
We can do it
できるってよ
[GEORGE, spoken]
We can do it!
やりましょう!
[ALL]
From London to Milan
Stilettos are an ism
In red and neon life
Gimme big red boo, boo, boo, boo, boo, boo, boots
New York, Paris, Hong Kong
ロンドンからミラノへ
スチレットヒールは美学
真っ赤でキラキラは生きてる証
長くて真っ赤なブーツをちょうだーーーーーい
ニューヨーク、パリ、香港へ
[MALE ENSEMBLE]
Watch out world
目指すのは
[WOMEN]
Watch out world
世界
[ALL]
Here we come!
みんなでいくよ!
♪♪♪♪♪♪♪♪
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