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21世紀の哲学・思想にAIは不可欠なんじゃないかという話
(自己紹介をしてから10日以上、何も記事を書かないという脅威の三日坊主を発揮しましたが、やっと重い腰を上げて記事を書くことにしました‥‥笑)
先日OpenAIが新しいモデルo3を発表し、ベンチマークテストで人間を上回ったことで、「そろそろAGIができるんじゃないか」と話題になってます。
個人的に人間と同じかそれ以上に思考して行動できる超知能ができるのはもう少し先だとは思うのですが、それでも数年後にシンギュラリティが来てもおかしくないところまでは来た感じがしてワクワクする反面、恐ろしい気もします。
そんなAIに関する書きたいことは色々ありますが、今回はAIと今後の哲学について思うところを述べたいと思います。
哲学の時代性
哲学に限らず、芸術や思想は常にその当時、その時代の影響を受けています。
産業革命はその後の思想に大きな変化を及ぼしたし、
第二次世界大戦中の思想家はその影響を受けずにはいられませんでした。
哲学や思想というものは、その時代の特徴、いわゆる「時代性」にほぼ決定されているといっても過言ではないでしょう。
イメージとしては、18世紀には18世紀に与えられる課題、21世紀には21世紀に与えられる課題というように、それぞれの時代で課題が提示されてる感じです。
そしてこれは現代の我々にとっても当てはまります。
では21世紀の時代性とは何なのか。
それはコンピュータ、AIだと私は思います。
もちろん、他にも環境問題、量子力学、脳科学、宇宙開発など様々な時代性があります。
ですが、やはり今後の哲学を考えていく上で、AIは欠かせないでしょう。
AIと哲学の共通課題
なぜここまでAIを強調するのかというと、AIが他の学問分野、特に哲学が長い間考え続けてきた分野と重なるからです。
特に「意識」の問題は重なる部分です。
「人間以外の存在が同じような意識を持つことができるのか。」
「そもそも意識とは何か。」
「動物との違いは何か。」
こういった疑問は哲学で古来からされてきました。
AIの進化において、この「意識」の問題は深く関わってきます。
もしかしたら人間と同じような意識を持つかもしれない。
もしかしたら人間が意識だと思っていたものが、超知能の出現で覆されるかもしれない。
AIと哲学はこのように相互に関連し合っており、お互い無視することはできないのです。
AIによる人類のアイデンティティの破壊
近代思想では、人間を「理性的で知性的な唯一の存在」とみなし、
知性・意識・感情などを、人間固有のもの、つまりアイデンティティとしてきました。
しかし、もしAIがこれらを獲得した場合、これらは計算的に再現可能ということであり、つまり人間は何ら特別な存在ではなく、
「ただ偶然こういった特徴を持ち合わせていたに過ぎない」
ということを示しています。
自分より上位の存在に今まで人類は遭遇したことはありません。
もしAIが上位存在になってしまった場合、人間が今まで無意識に持っていたアイデンティティは様々な面から破壊されてしまうのではないでしょうか。
また、このAIの進化は社会学・人類学的な影響も孕んでいます。
現代まで、動物やモノは「特別な存在である人間に従属するもの」とされてきました。
しかし、もしAIの進化が今後もっと加速した場合、AIが生活の中に取り込まれ、新たな主体性を持って人間の社会を変えていくかもしれません。
あるいは人間がAIに従属する形になる可能性も大いにあります。
AIが単なる道具の域を超え、人間と同等あるいはそれ以上の存在となったとき、社会全体は歴史上類を見ないほどに再編成されていくでしょう。
まとめ
AIの進化によって生まれる様々な課題は、単なる技術的な問題に留まらず、人類の実存的な問題にまで発展する可能性を秘めています。
今後、個々人から社会に至るまで、AIによるパラダイムシフトが起こると私は思います。
そういった意味で21世紀の哲学はAIが不可欠であり、21世紀の時代性でもあると思います。