9月に観た映画6本が全部面白いという奇跡【映画感想まとめ】
ご挨拶
拝啓 清秋の候、読者の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
味覚の秋、スポーツの秋、読書の秋……などなどと呼ばれる程何をするにも取り組みやすい10月、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
さて、私事ですが9月に観た映画がマジで全部めちゃくちゃ面白くて、まさに奇跡でした。
全部個別の記事にしたかったのですが仕事は期末に差し掛かり多忙だったのと、家に帰れば夏ドラマの視聴と一年遅れの『サマータイムレンダ』を見ていたため時間が取れず、いっそ全部まとめさせて下さい。
私が9月に映画館で観た映画は6本です。年末に1年間で観た映画のベスト10を決めているのですが、全作品トップ10圏内に入ってもおかしくない程面白く個性的な映画揃いです。
たぶんですけど2023年9月に公開された映画は全部面白いです、何見ても正解です。映画界は今ゾーンに突入しています、そう言いきっちゃって大丈夫。
そのくらいの奇跡が起きています。
各紹介文の後半には予告編も載せております。
まだまだ公開中の映画も多いため気になった方は是非映画館まで足を運んで頂けたらと思います。
邦画『Gメン』
9月最初に観た映画は『Gメン』
元King & Princeである岸優太さん初主演の学園青春ドラマです。
漫画が原作でそれが実写化された、しかも不良喧嘩物作品、ぶっちゃけポスターもコスプレ大会みたいで酷いと私的には信用度2%くらいのファーストインプレッションでしたが、Filmarksで異常な高評価が付けられていたのが気になって観に行きました。
低い期待値からの傑作というハンデはあるものの年間ベスト入り間違いなし!
ストーリーは学校内の不良や落ちこぼればかり集められたG組に岸優太さん演じる門松勝太が転校してきたことにより、ただの落ちこぼれや不良ではなくなってくる話。
不良や落ちこぼれと言われても女子にモテるために頑張ったり不良や格上の相手にも怖気ずに仲間を守るために戦う王道不良モノなんですが、ツッコミが追い付かない位のギャグの量と洋画アクションにも負けない本格的なアクションがこの映画の魅力です。
とにかくギャグの量が多いです、5分に一回「え? こんな時にもw」みたいなタイミングでも容赦なくコメディーが差し込まれていきます。
量だけでなく質も良く、映画館の観客は絶対誰かしら笑っていましたし、そんなおかげで私も気を遣わず笑う事ができました。
こんなに笑い声が聞こえてきた映画は私の映画人生でもなかなかない経験でイロモネアだったら間違いなく100万円獲れています。
そのコメディーの質を底上げして間違いないものにしているのは演じている役者さんの振り切った演技があったからです。
もう、ほんっとうにGメンに出ている役者さん、全力で観客を笑わせてやろうとキャラに徹した振り切った演技をしてくれています。
岸君も最初はボケ役だったのですが段々キャラが増えていく中で完全に振り回されるツッコミ役になっていたのも面白かったです。
特に矢本悠馬さんと小野花梨さん、そして吉岡里穂さんのストッパー外した演技は必見です。
少しでも役者さんが恥ずかしがってブレーキを踏んでいたらたぶんつまらない映画になっています。そんな結構ギリギリのラインを攻めているかなり要求されてるスキルの高い映画ではないかなと思います。
そして、アクションがとても見ごたえがある。
不良モノの喧嘩シーンって落書きばっかりのきったない倉庫とか教室で多人数対多人数で戦っていて「俺の仲間を傷つける奴は許さねえ!」とかとにかくごちゃごちゃしているイメージだったんですがGメンのアクションはいろんなシチュエーションでのアクションがあり、緊張感のある多人数対少人数やタイマンバトルがあったり、セリフではなく体全体を使っての純粋な格闘としての駆け引きで観客を没入させる臨場感MAXで素晴らしかったです。
主演の岸優太さんは今作ノースタントで挑んでおり、一番アクションシーンの多かったため、相当稽古を積んだのかなと思います。
「お前に言われなくてもわかってるわ」って感じですが、今後の彼の活躍は間違いないでしょう。
人気漫画を人気俳優達を集めて実写化するという手法は銀魂の実写とかの私の苦手な福〇監督作品のやり方なんですが役者達が振り切ったキャラを演じる姿と本格的で妥協のないアクションでかなり差別化されているのかなと感じます。
アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』
この映画は9月で観た映画で唯一記事にしていますので簡単に話します、詳細が気になる方は感想記事を読んでいただけたらと思います。
この映画はとにかく観た後の満足感がとてつもない。
本を読んだ時に悦に浸るのを読後感と言いますが映画の場合はなんて言葉なんでしょうって、気になっています。
結末が素晴らしいという訳ではなく、この映画に出てくるキャラクターの感情やそれによって湧き出てくる私の感情を劇場に置いて行かず、大事に持ち帰りたいと思える映画です。
変わることが許されない町で主人公やヒロインそして謎の少女が引き金となり変わりはじめてしまい、明かされることになる町の秘密と始まる崩壊へのカウントダウン、そして謎の少女の正体と気づき始める恋心、崩壊を待つかあることを犠牲にして救うかという選択。
セカイ系SFの設定フォーマット上に、恋に家族に住民関係と複雑に絡み合う人間関係が繰り広げられ、設定とキャラクターの複雑さが大渋滞しているとは思いますが私は大好物です。
あと上田麗奈様最高!
洋画『グランツーリスモ』
playstationが世界に誇る人気カーレースゲーム『グランツーリスモ』シリーズの実写化。
この映画は4年くらい前から映画化するらしいよ、という噂を聞いていたものの、それからまったく音沙汰なくて頓挫したんじゃないかと思っていましたが今年に入ってから突然予告が公開され9月に公開されました。
ストーリーは『グランツーリスモ』のゲームをしているプレイヤーを集めて実際のカーレーサーで活躍するために育成をするプロジェクトに参加した主人公が1流レーサーに成り上がるまでのストーリーでなんとオリジナルではなく実話を基にした映画です。
私は実話を基にした映画が大好きで、今年はNIKEのエアジョーダン発売を描いた映画『AIR』がとても面白く、今年はこれを超える映画はないだろうなと思っていましたが、現在も脳内映画サミット協議中なくらい面白かった。
グランツーリスモプレイヤーヲタクの主人公ヤン・マーデンボローがカーレーサーになるまでのストーリーがとにかく王道中の王道で見ていて応援したくなり感情移入度100%で観ることが出来ます。
ストーリーが友情・努力・勝利を掲げるジャンプ作品顔負けの展開で、もしこれが実話を基にした映画ではなくオリジナルだったとしたら『こんな王道中の王道今更作る必要ないだろ!』と製作陣が撥ねるくらい王道的でよく出来ています。
決してご都合主義とかではなく、レーサーをずっと夢見ていたけど家族からゲーマーがなれるわけないという背景からゲームスキルとパッションで逆境を跳ね返すヤンの姿勢が実を結び、プロレーサーとしてデビューして、それから順調にではなく、ゲームにはない現実のレーサーにならないと見舞われることがないトラウマ展開があり引退の危機に瀕しますが、まわりの師匠やプロジェクトを立ち上げたプロデューサーの支えがあり覚悟を決めたことでもう一段階ヤンが成長する展開は熱かった、、起承転結が綺麗で完璧です。
映画館ならではの爆音のエンジン音やタイヤが地面に擦れる音など臨場感もとてつもなく、見るならIMAXかドルビーがおすすめです。
さらに現実ではできなくてもゲームシュミュレーションで何度も試行錯誤することが出来るゲームプレイヤーならではの思考や作戦をフルに活用して他のレーサーを抜いていくヤンの活躍は見ていて気持ちの良いです。
ゲーマーからレーサーになり映画の元になった方が、この映画のレーススタントもしているというのも胸熱。
洋画『ジョン・ウィック コンセクエンス』
伝説の殺し屋が愛するペットと車を奪われたことで再び殺しの世界に戻って復讐する『ジョン・ウィック』シリーズ最終章です。
アクション映画に新たな次元へ持っていったといわれるこのシリーズの中でも、上映時間もアクションの量も質もバリエーションは最もボリューミーで最終章に相応しい。
砂漠・大阪・ベルリン・パリと撮影の舞台も数々でそこで待ち受ける刺客も強敵揃いでした。
特に最終決戦のパリでは交通量の多い凱旋門前の円形道路でジョン・ウィックと刺客達が車に引かれながらも銃をぶっぱなし、殴り合うシーンはこの文だけを読んだ人からすれば少しギャグかもしれませんが大真面目にやっています、とにかくすごいです。
それから建物内に移動してジョン・ウィックが被弾すれば着火するファイヤーガンをぶちかましまくるシーンでは、正面ではなく俯瞰から撮影されており、1カットが非常に長く失敗も許されない緊迫した画面作りの中で、バチバチと花火のように着火された刺客が燃えていく様はこれまでのアクション映画に新たな歴史を刻んだ革新的なシーンでした。
毎作ジョン・ウィックの前に立ちふさがる刺客として強敵がいるのですが、その枠が今作ではイップマンなどに出演したカンフー映画界のスター、ドニー・イェンが担っています。
ケインというキャラ盲目の殺し屋で、まさに殺し屋業界の座頭市、敵の出す音や杖を振ることで敵の位置を推測して戦い、連打攻撃や小道具を使っての戦い方はカンフーのようです。
元はジョン・ウィックの仕事仲間でしたが娘を人質にされたことで敵対せざる負えない状況になり、すべてを失ったジョン・ウィックと娘を守るために戦うケインの構図で物語に奥行きを感じることができ、これまでの敵と違う好敵手という立ち位置で魅力的でした。
アニメ映画『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』
動物に超人的な力を与える薬が下水道に流れ込み、そこに棲んでいた亀が浴びたことにより力を手に入れたミュータントタートル4匹?4人? がニューヨークの町を守るために戦うヒーロー映画。
私はミュータントタートルズを知ったきっかけは子どもの頃に友達の家で遊んだファミコンのゲームがきっかけです。
横スクロールアクションで私は双剣使いのレオナルドをずっと使っていました。ファミコン世代ではありませんがレトロゲームを遊ぶ感覚で遊んでいて、当時めちゃくちゃやり込んだ記憶があります。
この映画以外にも実写版のミュータントタートルズが過去に制作されているくらい有名なコンテンツで、実写版はアクションは面白いのですがとにかく質感が妙にリアルで怖いくらいごつい体をしていて、とてもキャラデザが不気味だったのを覚えています。
しかし、今作のタートルズのデザインはカートゥーンのようなキャッチ―なデザインながらも油絵のようなケミカルなどろりとした質感が作品のアングラ感とマッチしています。
映画を見た後タートルズが可愛く見えて、お洒落なステッカーを買ってしまいました。
アクションシーンと挿入曲の組み合わせが完璧で、アメリカンHIPHOPが流れながらそれぞれの持ち武器を活かした独特な作画と爽快なアクションで戦うシーンは面白いです。
正直もう少しタートルズのアクションが観たかったかなとは思います。
ストーリーも映像やアクションを邪魔しないけど決して軽くないテーマになっており、ミュータントタートルズは下水道で暮らしている中で地上にいる同じ10代の人間の様に学校に行って遊びたいという願いを持っています。
しかし、人間からすれば緑の体で甲羅を背負った怪人にしか見えないため受け入れてもらえません。
そこでヒーローになってハルクのように認めてもらおうと活動しますが、ヴィランもまた人間に受け入れられない動物に薬を投与されたミュータントであり、ヴィランは認められないのだったら怖がらせて征服するまでというタートルズと真逆の発想で悪さをします。
悩みの根源は同じだけどそれによる行動の違いが出ていてタートルズ達は人間に認めて貰えるのか、同じミュータントであるヴィランと戦うことが正解なのかという話になっていて面白かったです。
ラストの怪物を倒す件は、アメイジングスパイダ―マンのラスト、建設作業員がクレーンを垂らしたお陰でスパイダーマンのスイングのひっかけを作るところと同じような感動を抱きました。
韓国映画『HUNT』
大ブームを巻き起こしたNetflixドラマ『イカゲーム』の主演イ・ジョンジェが脚本・メガホン・W主演のうちの1人をした話題作。
時代設定は1980年代、韓国では学生による民主化運動が活発的でそんな時代背景を存分に盛り込んでいる作品。
ストーリーはフィクションで激動の80年代に大統領暗殺を企むグループが現れ、その存在を知った韓国の公安組織の国内班と海外班はある事件をきっかけにお互いどちらかの班に大統領暗殺を目論むグループのスパイが潜んでいると仲間を疑い始め、内部争いをします。
国内班のリーダーが主演のイ・ジョンジェが演じるパク、海外班のリーダーはチョン・ウソンが演じるキムで彼らの交互の視点で話が進んでいきます。
お互いの抱える問題、思想や立場、誰が味方もしくは敵なのかと並行する2人の軸で進められるため話が結構難しく、観賞前日私はお酒をたらふく飲み二日酔いだったためストーリーに食いつくのに必死でした。
緊張感のあるストーリーは久しぶりの大真面目映画で背筋をピンと伸ばしながら見ていました。
現実にあった社会問題を拾い上げ、スパイアクションエンタメとして形成していく韓国映画らしい作品です。誰が一体スパイなのかというのも最後まで本当に分からなくて、分かった時の衝撃はサスペンスとして見事です。
これはいい意味で言っていますが2時間の映画なのに3時間くらいの内容が詰め込まれていたと思います。
国内班と海外班どちらかにスパイがいるのは明らかですが、お互いその真相を追求するというより、でっちあげでもいいからとにかく相手を陥れたいという思想で捜査していくため、盗聴・ゆすり・拷問なんでもありの混沌とした時代背景が伺えます。
韓国映画って当然のように本格的でバイオレンスなアクションがあって、物語の冒頭迎賓館みたいな場所でメインキャラの紹介もなくいきなりテログループが襲撃して、アクションを見せつけられるのですが容赦なく血飛沫が飛び交いばたばたと人が死んでいくためとんでもない映画を見に来てしまったと思うはずです。
それと街中での銃撃シーンはすごくてアル・パチーノとロバート・デ・ニーロW主演の映画HEATを思わせるようなリアルな銃撃シーンです。
あれ銃口のリアルな構え方とか絶対意識していると思います。
イカゲームでのイ・ジョンジェは借金まみれの家族に見放された駄目人間役で怯えながらも賞金を手に入れるために必死に型抜きを舐めてたり、嘘をついたりする見窄らしいおじさんだったのがHUNTでは国内班をまとめるリーダーで見えない悪と対峙するかっこいいおじさんを演じていて、本当に役者という仕事は凄いなと驚かされます。
以上9月に観た映画6本の紹介でした!
ここまで読んでくれたあなた、全部見ちゃいましょう!
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