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「あなたに習いたい」のひとことでパンのオンライン教室をオープンした話
こんにちは、おしんです。
手ごねパンを作るのが好きすぎて
2023年12月にオンラインパン教室をオープンしました。
「いつか、パンの先生になりたい!」と思いながら何も行動できなかった私が、ある人のひとことでパン教室をオープンできた話を聞いてください。
好きなものが離れていく
「このパン教室は、今年の9月末日で終わりになります」
行動制限が緩和され、久しぶりに再開されたパン教室でのお知らせに、気持ちがドスンと地面に落ちました。うそでしょ、ジョーダンだよね、思わず口をおさえたのです。
定年まで片手で数えられるようになったとき、世の中はあの感染症の真っ只中。
手ごねパンのおいしさと、作る楽しさに夢中になってパン教室に通った年数は10年以上でした。
そして、大好きだったお教室が撤退したのです。
「もう、パンを作ってもしょうがないんじゃない?」気持ちが遠くに離れていきました。
好きなことがわからない!
同年代の友人と話していると、定年後をどう生きるかが話題になります。
友人の多くは「健康で元気に暮らしたい」「自分の好きなことを楽しみたい」と言いながら、何をしたいのか聞くとみんな同じ答えです。
「忙しいから、考えられない」「時間ができたら考える」
「そうだよね」と相槌をしながら、私も好きなことが浮かんできません。
自分のことなのに。
モヤモヤとした自分の気持ちを吐き出したくて、ブログを書きたいと思いました。
どうやって書くのか、書き方がわかりません。
ブログの本を読むと、自分の発信軸を持つように書いてあります。
「好きなことがわからないのに、どうしたらいいの?」
長く続けてきたこと、お金を費やしてきたことから考えるとやっぱりパンしか思い浮かばないのです。
パンを作っているときの幸せな気持ちは、他に変えられないものだと気がつきました。
やっぱりパン作りが好き。
「パンを習いたいけれど、お教室は閉鎖してしまった」
どうすればいいのかわかりませんでした。
Zoomでパンのオンラインレッスンを受ける
閉鎖したパン教室で講師をしていた先生が
「パン教室をはじめます。まず、オンラインでパンのレッスンを開始するので、どうですか?」と声をかけてくれました。
コロナ禍オンラインが普及し、様々なことがオンラインでできるようになったのもこの頃です。
パンでもオンラインレッスンができるなら受けてみたいと思い、すぐに申し込みました。
いよいよパンのオンラインレッスンが始まります。
久しぶりのパンのレッスン、ワクワクするかと思ったら眉間にシワを寄せた自分がいます。
Zoomも初めてだし、画面越しに他の生徒さんがいるし、どうしたらいいのかわかりません。
なんとかZoomを繋ぎ、画面越しに先生の顔が映し出された瞬間、思いっきり手を振ってしまいました。
他の生徒さんも私と同じことをしていて、いつものお教室のようにみんな笑顔です。
顔が見えるって、こんなにうれしいことなんだと思いました。
初めてのオンラインレッスン、想像以上に楽しかったです。
パン作りのポイントは、言葉と画面でしっかりと説明してくれます。
生地の見極めは一人ひとりの画面で確認し、できあがりもチェックしてくれました。
リアルレッスンと変わらずに、オンラインでパンを習うことができたのです。
私も「オンラインでパンを教えることができるかもしれない?」
パンを習っているとき、いつかパンの先生になれたらいいなと思っていたからです。
大好きなパン作りの楽しさを伝えたい、美味しいパンが家で焼ける幸せを知ってほしいと思いました。
ただ、家に人を入れるって難しい。
ある程度の広さと道具の準備、家族の理解も必要。
好きなことを仕事にするなんて無理、と諦める自分がいました。
でも、オンラインレッスンなら物理的な問題をクリアできそうです。
誰に教えたいの?
パンの先生になる、オンラインレッスンをするといっても、何をすればいいのかわかりません。
先生はパン講師をしていたので、もともとの生徒さんがオンラインレッスンに来てくれる可能性があります。
私は? 何から始めればいい? 先生に質問してみました。
先生の答えは
・オンラインレッスンを誰に受けてもらいたいのか
・パン作りを通して何を伝えたいのか
・なんでオンラインレッスンを始めたいのか
この3つは重要だから、自分で考えるようにいわれます。
「パンのレッスンをたった一人の人に届けるつもりで、パン教室のコンセプトを考えてみて」という先生のことばが刺さります。
何をするにも、自分が何をしたいのか、誰に届けたいのか、誰の悩みを解決したいのか、基本はブログの本と同じでした。
自分を知ってもらうには、SNSで発信することも大切だと聞きました。
発信内容をパン教室のコンセプトで発信するのがいいといわれて、変更することに。
「私なんか、実績もないし、ただパンを作るのが好きな人。私に習いたい人なんて、現れないんじゃない?」
スタートする前から、気持ちが後ろ向きです。
手ごねパン教室のオンラインレッスンをオープン!
12月に入り、シュトーレンのレッスンを受けてSNSに投稿しました。
しかも熟成シュトーレンなので、写真は粉砂糖に包まれた白パン状態。
食べられるのは10日後なので、切った断面の写真もありません。
それでも、「いいね」や「リプ」をくださりうれしく思いました。
その中のひとりリプで交流をしていた方が、ぜひ習いたいといってくれたのです!
「オンラインレッスン、やってみたらいいじゃないですか?」
「えっ……」 やってみる? そんな簡単なことじゃないよね。
「大切な人が他界しちゃったから、やらなかったこと後悔してるの私」
ハッとして次のことばを探します。
「チャンスを逃してほしくない! やりたいことをがんばってほしいの!」
力強く背中を押された気がしました。
「一人でも喜んでくれる人のためにパンのオンライン教室、やればいいんですよね」何をすればいいのか、進む方向が見えました。
「私、あなたに習いたいです!」
心のなかで、稲妻が走ったような感覚でした。
いつかパンの先生になりたかった私が、本当になれるかもしれない!
ひとりでも習いたいといってくれるなら、すぐに始めたい。
なぜかわからないけれど、前に進もうとする力に押された感じがしました。
気持ちが固まるとあとは行動です。
「たった一人でも習いたい人がいるなら、オンラインレッスンをオープンしよう!」
習いたい人がひとりはいるんだから
「その人のために喜んでもらえるレッスンをしよう」
緊張とワクワクがごちゃ混ぜ状態に。
「あなたに習いたい」の言葉に背中を押されて、オンライン教室をオープンしました。
実は、習いたいといってくれた方の都合がつかなくなり、レッスンは開講しませんでした。
「そんなに上手くいかないよ」と思うより「習いたい!」のひとことが、うれしい気持ちを大きく膨らませてくれました。
せっかく踏み出した一歩を、後ろに戻そうとは思いません。
いただいた言葉を大切にしたかったから。
私に勇気を与えてくれた言葉に、感謝の気持ちでいっぱいです。
「私が作ったパン、少しは意味があるのかもしれない!」
次はオンラインレッスンを知ってもらうために、Xで年末企画を告知中。
最初からうまくいかなくてもいい、行動してみることが大切。
「あなたに習いたい」のひとことで、手ごねパン教室『ふみのお家パン』オンラインレッスンを始めました。
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
追記
パンをお伝えする資格
・大手クッキングスクールブレット認定講師
・パンシェルジュ3級
・酒種酵母つむぎ製法認定講師