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コロナ禍の読書で生活が豊かになった

家事を一段落させたあと窓辺の椅子に腰を下ろして本を開く。最近の私の楽しみです。仕事をリタイアした私には自由な時間がたくさんあります。コロナ禍で外出もぐっと減りました。代わって増えたのが読書の時間です。在野で研究は続けていますが、この先の人生は「楽しむ」ことを第一に過ごしたいと思っています。だから読書も楽しんでいます。

これまでも本は楽しんできました。子どもの頃は読みたい本を自由に読んでいましたが、大人になってから、特に仕事をしている間は必要な本を必要に迫られて読むことが圧倒的に多かったです。研究を始めてからは研究のための本ばかり読んでいた気がします。もちろん本を読むことは苦になりませんし、仕事のためであっても楽しむことはできます。

一方でもう少し自由な読書がしたいなと思っていました。必要だから読むのではなく、気の向いたときに好きな本を読みたいと。子どものころのように本の世界に入り、あれこれ想像しながら読みたいと。そして今それを実行しています。

本はもっぱら図書館で借ります。経済的ですし、何よりも物を増やさずに済みます。その日の気分によって読むのでジャンルはまちまちです。一貫性がないと自分でも呆れることがあります。昔読んだ本を読み返すことも多いです。読んだ頃を思い出し、記憶の風景が広がります。いろいろなことが頭に浮かんできます。あの頃は何をしていたかな? 何を考えていたかな? 自分との対話が始まります。「あれっ、こんなストーリーだったっけ?」と首をかしげることもあります。読後の印象が昔と全然違うこともあります。記憶の不確かさを感じるとともに、自分自身が変化していることに気づきます。

自粛生活の間に読んだ本は何冊になるしょう。外出が制限されて行動範囲は大幅に狭まりましたが、思索の世界はぐっと広がりました。対面で人と話すことは減りましたが本を介して対話することは格段に増えました。ささやかだけど生活が豊かになった気がします。


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