しおりん

公立学校元教員。早期退職して大学院に進学し教育について研究しています。小学校から大学まで様々な場で教えた経験と各国での調査をもとに多様な記事を書いています。

しおりん

公立学校元教員。早期退職して大学院に進学し教育について研究しています。小学校から大学まで様々な場で教えた経験と各国での調査をもとに多様な記事を書いています。

マガジン

  • 日常の小さな物語

    日々の生活の中で心に残った小さなできごとを綴っていきます。

  • ホームステイで国際交流

    海外でのホームステイや日本での外国人受け入れなど国際交流のあれこれを書いています。

  • 中学生の声

    中学生のボクが書く日記 (事実をもとにしたフィクションです)

  • 旅のスケッチ

    旅で出会った小さなエピソードを心象風景とともに紹介します

  • 放課後のメモリースケッチ

    教員時代に書いた学級通信をもとに実践を振り返りながら教育について考えています。

最近の記事

加害の歴史を忘れない

生活クラブ生協が毎月発行する『生活と自治』という冊子にフォトジャーナリストの安田菜津紀さんが「対話する日々の中で」という記事を書いています。12月号には「暴力と紛争を拡大させないためにー「加害の歴史」を忘れない」というタイトルの記事が載っていました。 安田さんは6月に取材で東ティモールを訪れます。そこは太平洋戦争中、日本軍が3年半にわたって占領し、占領期には戦況の悪化や食料不足、強制労働などで4万人近い人が亡くなったとされています。私は記事を通してそのことを知りました。

    • 食品ロスは高齢世帯ほど多い!

      「家庭の食品ロスは高齢世帯ほど多い」という研究結果に関する記事が11月20日の朝日新聞に掲載されていました。 食品ロスというのは「食べられるのに捨てられている食品廃棄物」のことですが、日本では家庭での食品ロスが全体の半分近くを占めているという報告にまず驚きました。食品業界や飲食業界などの方がずっと多いと思っていたからです。コンビニなどでも期限の切れた弁当が捨てられるのを見て「何とかならないのか」と常々思っていました。 さらに驚いたのは、家庭から出される食品ロスは、世帯主の

      • 海外でホームステイを楽しむ:仲良し家族と過ごす(オーストラリア~ゴールドコースト)

        語学研修の中高生を引率して訪れたオーストラリアのゴールドコースト。市の北部に位置するへレンズベール(Helensvale)という町に滞在しました。生徒たちは3週間ホームステイをしながら地元のハイスクールに通います。引率者の私もホームステイです。 私のホストファミリーはホワイトファミリー。ロイとリンご夫妻の家で、子どもが2人います。2人は共に40代で、夫のロイは食品メーカーの販売マネジャー。平日は朝早く家を出て、夜は7時ごろ帰宅します。妻のリンはカフェでスタッフのチーフとして

        • 海外でホームステイを楽しむ:家はトレーラーで運んできた!(アメリカ~サンフランシスコ)

          中高生の引率でアメリカのサンフランシスコに行きました。私がステイしたのは郊外に住む中年ご夫妻の家庭です。夫のディックは50代後半、リリーは40代後半です。2人は再婚。ディックは2度目、リリーは3度目です。再婚時はリリーの2人の息子も一緒に暮らしていましたが、現在は次男のエリオットだけが同居しています。長男は父親と暮らしています。エリオットは生まれつきの脳性麻痺で車いすを使っています、 ファミリーの家はサンフランシスコの郊外にあります。主要道路からわき道を入った丘の上にありま

        マガジン

        • 日常の小さな物語
          228本
        • ホームステイで国際交流
          15本
        • 中学生の声
          27本
        • 旅のスケッチ
          153本
        • 放課後のメモリースケッチ
          172本
        • 50歳から大学院
          23本

        記事

          魅力ある先生って?

          朝日新聞朝刊で連載している4コマ漫画、いしいひさいち氏の「ののちゃん」を毎日楽しんでいます。昨日の作品(9701回)は体育のタブチ先生と子どもたちのやり取りです。著作権の問題もあるので、ここでは概要を文章で記します。 1コマ目:おもちゃの手裏剣を見つけて「だれが持ってきたんだ!」と子どもたちに聞く先生 2コマ目:「こうやって的にあてて遊ぼうとしたんだろう」と言って自らやって見せる先生 3コマ目:的を外れて地面に落ちる手裏剣 4コマ目:「こうだよ先生」と言われながら校庭

          魅力ある先生って?

          私たちはただの数でしかない(We are just numbers.)

          14日にNHKBSで放映された「世界の市民が見たアメリカ大統領選挙」を見ました。これまでの番組と類似したものだろうという私の予想を覆した重い番組でした。 大激戦と言われたアメリカ大統領選挙。番組ではその行方を世界各地の市民が固唾を飲んで見守りながら、それぞれのどのように感じているかを伝えていました。アメリカの後押しを受けるイスラエルと激しい攻撃にさらされるガザ地区、アメリカからの武器援助を頼りにロシアと戦闘を続けるウクライナ、米中対立の狭間で揺れる台湾、移民問題が大統領選の

          私たちはただの数でしかない(We are just numbers.)

          海外でホームステイを楽しむ:リタイアメント住宅での生活(オーストラリア~ケアンズ1)

          大学院生だったとき、ケアンズにある大学で調査をする必要がありました。その大学に行くのは初めてだったので、知り合いの先生から教授を紹介してもらいました。オーストラリアの先住民教育で著名な教授です。さっそく彼にメールを送り、訪問したい旨を告げるとすぐに丁寧な返事が送られてきました。そして「よかったら私の家に滞在したらどうですか?」と言ってくださいました。私はびっくりしました。海外の、それも一大学院生に過ぎない私の初めてのメールにそのような親切を申し出てくれることが信じられませんで

          海外でホームステイを楽しむ:リタイアメント住宅での生活(オーストラリア~ケアンズ1)

          海外でホームステイを楽しむ:突然の滞在を受け入れてくれたファミリー(オーストラリア~ブリスベン1)

          語学研修の中高生を引率して訪れたオーストラリアのブリスベン。生徒はホームステイをしながら現地のハイスクールに通い、英語力の向上を目指します。引率の私も生徒と同じようにホームステイをするのですが・・・ 到着した生徒たちは出迎えたホストファミリーと対面し、それぞれの家庭に向かいます。現地コーディネータと一緒にマッチングを確認しながらすべての生徒が無事に立ち去ったあと私は自分のファミリーを探しました。私もホームステイをすることになっていたからです。でもホストファミリーらしき人は誰

          海外でホームステイを楽しむ:突然の滞在を受け入れてくれたファミリー(オーストラリア~ブリスベン1)

          海外でホームステイを楽しむ:初めてのホームステイは新婚家庭(オーストラリア~メルボルン)

          私が海外で初めてホームステイをしたのは1997年です。オーストラリアのメルボルンにあるラ・トローブ大学で行われた1か月間の英語研修に参加したときです。参加者は日本全国から集まった中高の英語教師で、全員ホームステイを行いました。 私がステイをしたのは大学から車で10分ほどのところに住む30代のアンドレアとニコラス夫妻の家でした。2人は新婚で、買ったばかりの新しい家に2人で住んでいました。 私は初めてのホームステイでいささか緊張していましたが、フレンドリーな2人のお陰で予想外

          海外でホームステイを楽しむ:初めてのホームステイは新婚家庭(オーストラリア~メルボルン)

          『クレヨンハウス通信』で紹介されました

          私が先月出版した本(『人生後半は大学院から』)が落合恵子さんが主宰するクレヨンハウスの情報誌(『クレヨンハウス通信』12月号  )で紹介されました。私はクレヨンハウスが1976年に東京の表参道(現在は吉祥寺)にオープンして以来のファンです。落合さんが推薦する子供向けの絵本や玩具などに惹かれて何度も足を運びました。そんな「クレヨンハウス」の月刊誌に紹介していただいたことをとても光栄に思います。 「落合恵子が選ぶOtherVoiceに出会う本」というページに掲載されています。

          『クレヨンハウス通信』で紹介されました

          幼児がチャイルドシートに座っていない!:メディアが流す映像

          紅葉のシーズン、テレビのワイドショーが観光客で大混雑する行楽地の様子を伝えていました。首都圏から車で訪れたという家族がインタビューされていました。混んでいたけど紅葉はまずまず楽しめたということでこれから帰るのだと言います。 車の中には家族4人が乗っていました。運転するのはお父さんのようです。彼は助手席に座る小さな男の子にシートベルトをつけさせていました。チャイルドシートではありません。車の中にチャイルドシートは見えません。男の子は5歳くらいで、シートベルトは弛んでいます。後

          幼児がチャイルドシートに座っていない!:メディアが流す映像

          親切なのはいいけれど

          日本の鉄道では整列乗車がルールになっています。混雑するホームできちんと並んで電車を待つ乗客の姿に感動する外国人も少なくないようです。 どこに並べばよいかプラットホーム上に書かれているのも親切です。先日乗った京浜急行ではホーム一面にカラフルな表示が描かれていました。ただ、矢印の向きなど細かすぎて却ってわかりにくいような気がしないでもありません。それに視覚障害者の人たちはどうやって認識しているのだろうとふと思いました。

          親切なのはいいけれど

          先ほども申し上げましたが(中学生の声)

          *中学生のボクは架空の少年です。 話をする中で「先ほども申し上げましたが」って言う人って結構いるね。政治家には特に多い気がする。連発する人だっている。 言葉の裏には「さっきも言っただろ」「何度も言わせるなよ」「ちゃんと聞いてなかっただろ」という気持ちがあるようでボクはあまりいい気分じゃない。この意味でよく使っているように思える首相がかつていたっけ。 先生の中にもいるよ。「さっきも言ったはずだ」とか「どこかで言っただろ」「いつか言ったよな」って言う先生。言われたばかりのこ

          先ほども申し上げましたが(中学生の声)

          この看板はいったい何のため?

          町の中でよく目にする光景。設置された看板が空しく見えます。

          この看板はいったい何のため?

          家族ってなんだろう?(中学生の声)

          *中学生のボクは架空の少年です。 わかんないなあ。家族の中で姓が違うと「家族の絆や一体感 」が壊れるっていう人たちの言うことだ。選択的夫婦別姓問題でそう言っている国会議員がいるらしいけど、ボクには理解できない。「伝統的価値観」が損なわれるっていう人もいるし、親と姓が違うと「子どもがかわいそう」なんていう人もいるらしい。かわいそうかどうかなんて余計なお世話だとボクは思う。 今の法律では結婚する時どちらかの姓を選ぶんだよね。ボクの両親はお母さんの姓を選んでいる。お父さんもお母

          家族ってなんだろう?(中学生の声)

          工場建設で町が一変!

          熊本に行ったのだからぜひ見ておきたいと足を運んだところがあります。台湾の半導体メーカーTSMCが菊池郡菊陽町に設置した巨大な工場です。 菊陽町は熊本空港の北に位置する人口4万3000人ほどの町です。この地に世界最大手の半導体メーカー「TSMC」が日本で最初の工場を完成させたのが今年の2月。ニュースでも大きく報じられました。私には「どうして熊本に?」という疑問とともに、現地がどうなっているか見ておきたいという思いがありました。今回チャンスがあったので訪ねてみました。車で走り抜

          工場建設で町が一変!