166 忙しいのが当たり前だと思いたくない
学校の廊下で教師同士がすれ違うとき互いに「忙しいね」と言う合うことが少なくありません。「忙しい」が挨拶ことばになっているようです。忙しくなくても「忙しい」と応答します。「忙しくない」と言うと仕事をしていないように思われるますし、余計な仕事が回ってくるかもしれないからです。
確かに多くの教師は忙しいです。でも忙しいことが当たり前だと思っていることはないでしょうか。忙しさを黙って受け入れてしまってはいないでしょうか。自分で自分を忙しくさせていないでしょうか。「忙しい!忙しい!」と言いながら実は仕事の段取りが悪かったり、改善できるのに改善する努力をしないこともあります。常に仕事をしていないと落ち着つかず、新たな仕事をわざわざ見つけて忙しくしている人もいます。忙しくないことに「罪悪感」のようなものを感じている人もいます。「自分は忙しいのだ」と思い込んでいるだけということだってありそうです。それなのに、忙しそうに見えない人がいると不公平に感じたり、「仕事をしていない」と言って非難したりします。それだとみんなが忙しくなる方向に進むだけではないでしょうか。
こんなことを言うと「学校の実態をわかっていない」と言われそうですが、忙しさの原因を自分の中に見つけることも必要ではないでしょうか。忙しすぎることは教師にとっても生徒にとっても良いとは思えません。有能な人は忙しさを上手にコントロールして仕事をしています。忙しさをあまり見せません。教師自身が忙しさの呪縛から抜け出す努力も必要だと思います。