地球戦隊ファイブマン、第10話「俺の血を吸え!」※1990年5月4日放送回
銀帝軍ゾーンが初めに滅ぼされた星…
それが第八銀河系ロマノ星。
その王子だったレイ・ゾーバが復讐の為に、広い宇宙を巡りに巡りに地球に訪れます。
ドルドラが指揮を執り、壊滅まで追い込まれたロマノ星。
ドルドラ率いる軍に両親と妹を殺されてしまったゾーバ。
平和を愛する穏やかな種族だった、彼は自らの体をサイボーグ化し、銀帝軍ゾーンを追ってきたのです。
そんなサイボーグ化された体に必要なエネルギー源は「人間の血液」。
ただ復讐の為だけに動くゾーバはエネルギーの補充の事だけを考え、次々と人を襲い血を吸おうとします。
そんな彼に、文矢は人々を守る為に「俺の血を吸え。」と自らの首元をゾーバへ差し出します。
人間の温かさの根源は血液であり、その根底にあるものは「愛」。
そして、今話の心に刻みたいセリフは、復讐の為だけに動いていたゾーバを変えた言葉からお借りしたいと思います。
このセリフの前後のゾーバの言葉。
「馬鹿な!? 人を救うためなら、自らの命も捨てると言うのか!? 甘いな。そんな事では復讐は果たせぬ!」
と
「愛などいらぬ!愛があるから、悲しみがあるのだ!」
これを聞いて、妙に納得してしまった自分も居たのも事実でした。
それは…
命が無くなってしまったら、平和な世界を観る事も感じる事もできないから。
ただ、人には温かい血が流れています。
人を愛するという温かい心が存在しています。
そして、僕の中で思い浮かんだゾーバが欲しかったモノ。
それも「愛」という言葉でした。
人は生きていく中で多くの愛を人から貰っています。
両親を奪われ失意の底に堕ちた文矢も、また多くの人の愛で明るさを手に入れました。
だからこそ、両親と妹を奪われたゾーバに文矢は愛という言葉を教えます。
温かさを知って欲しかったから。
″悲しみの底の冷たさを知っているから、太陽の温かさがよく分かる。″
愛は生きていく為には必要なモノです。
言葉は時に人を優しさで包み、時に傷つけます。
だからこそ、言葉には愛が必要だと僕は思います。
多くの人が人の愛を感じ・伝えられる世の中であってほしい。
心の寒暖差アレルギーはきっと無くせると思うから。