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高速戦隊ターボレンジャー、第36話「運命の想い出…🐚」
テーマは″人の意識と記憶″
俊介は幼少期に男の子達にいじめられている″さよちゃん″という女の子を助けた。
怪我の手当てをしてくれたその女の子との思い出のハンカチを頼りに岬海岸へやってきた俊介。
そんな岬海岸で流れ暴魔キリカとヤミマル、キオクボーマの奇襲に合い、俊介は記憶を無くしてしまう。
″一番気になっている記憶がキオクボーマに食べられた記憶を取り戻す近道″
俊介は思い出のハンカチを握りしめ海岸に訪れる。
記憶は意識と共に私たちの中に残っている。
意識とは(以下、抜粋)
心理学・哲学の用語。
㋐自分自身の精神状態の直観。
㋑自分の精神のうちに起こることの知覚。
㋒知覚・判断・感情・欲求など、すべての志向的な体験。
俊介が体験したさよちゃんとの思い出。
いじめられている彼女を一心不乱に助けに行った一心不乱の行動と、その後彼女に傷の手当てをしてもらった事、そして一緒に遊んだ事。
緊張と緩和の意識の中で俊介は直感的な意識として、さよちゃんへの想いを体の中に留めていた。
しかし、さよちゃんは違っていた。
さよちゃんの正体は流れ暴魔キリカの幼少期。
幼少期の小夜子の中の彼との記憶は孤独と屈辱という意識の中で薄いものに変わっていた。
尚、今話の神セリフは記憶を取り戻し、キオクボーマを倒した後の俊介から。
神セリフ
「さよちゃん…。君との思い出が、俺の記憶を取り戻してくれた。会いたいな…。きっと…、きっと、素敵な女の子になってるだろうな…。」
過去の記憶は美化される。
今話のキーアイテムである貝殻。
俊介は、さよちゃんへの想いを思い出す事に繋がったが、月影小夜子にとってはいじめの要因の一つになった物として、深くに根付いた屈辱と憎しみという感情で記憶されていた。
だが、記憶を取り戻す手前の俊介にトドメを刺せなかった要因には、辛さから楽しさへ気持ちを変えてくれた俊介への想いが現れていたのかもしれない。
私達にも絶対に忘れられない記憶は無いだろうか。
良かった記憶は美化され、悪い記憶はとことん悪い記憶として残る。
それは、前半でも話をしたが意識の問題があるからである。
記憶の引き出しに見出しをつける意識は、時に自分を救う道標になってくれ、時にとことん気持ちを突き落とす悪魔にもなる。
人を救うコミュニケーションを。
話は変わるが人の身体は心に直結している。
どんなに良い言葉でも気持ちがこもっていないと記憶に残らないのが、それである。
その人を助けたいと思って行う声掛けには、心から寄り添う力がある。
そして感情が伝われば、意識の中に自分を残して貰える。
記憶を失った俊介の中に残っていた、優しい小夜子の記憶。
過去の恋愛において、上手くいかなかった恋の方が記憶に残っているのは何故であろう。
私は
″きっと相手の事を沢山考えに考えた想いが乗っかっているから″
だと思っている。
コミュニケーションに悩んでいる人は、今世に溢れている。
スマホやPC画面ばかりみていた反動がそこにある。
Google先生からは好きな相手の事は教えて貰えない。
コミュニケーションは、まず相手を想う事から。
相手を想った先には本当の会話が待っている。
話は逸れたが、ラストシーンの中での
「捨て去ったはずの月影小夜子にいた頃の、忌まわしい思い出め。何故俊介を葬る邪魔をした?…何故だ?」と自分の闘いを振り返っていたキリカの中に微かに芽生えた″優しさという名の人間味″。
そこを観て、少し嬉しさが出たのは言うまでもない。