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高速戦隊ターボレンジャー、第37話「カンフー謎少女🤛」
「実はですね、私にはまだまだたくさんの裏技があります。何あろうズルテンメタルタイプは、その裏技Ⅱを生かすために造ったスペシャルバージョンなんです。」
かっとび暴魔ズルテンのマシン変形の特殊能力を応用する為に、自らの細胞を元に作ったズルテンメタルタイプ。
人々を感情の持たない鋼鉄ロボ人間に変えてしまうその能力で、山口先生をはじめ多くの人々の心を奪っていく。
テーマは″ファミリー″
様々なコミュニティで使われるこの単語。
ファミリー…
1 家族。家庭。
2 族。群。一門。
山口美佐(山口先生)には、香港にカンフーの修行の為に留学している妹(美加)がいた。
そんな美加の元を訪れた際に漏らしていた言葉。
「生徒が心を開いてくれない先生なんて、もう先生と言えないわ。私、先生をやっていく自信をなくしたの。」
山口先生から見た力達は自分の子供の様な存在。
だからこそ、彼らが心を閉ざしている原因を知りたかった。
はたまた力達から見た山口先生もまた親の様な存在。″心配をかけたくない…″この想いがあったからこそ、自分達がターボレンジャーである事、命懸けで地球を守っている事を伝えられずにいた。
そんな中、はるなの前に現れたカンフー少女の美加もまた、実の姉である美佐(山口先生)の心労を取ってあげたく、日本にやってきた。
全てにおいて言えるのは、″ファミリー感″。
仲間を信じる気持ち、託す気持ちは自分の全てを曝け出し成立する。
力達は山口先生を親の様に思い、無駄な心配をかけないようにターボレンジャーの事を隠してきた。
…絶対に反対されるという思いから…。
その想いは嘘を生む。
その嘘は山口先生を苦しめ、そして不信感に結びついてしまった。
彼らの答えは何だったのだろうか…?
その答えになる言葉、今話の神セリフとして紹介させて頂きたいと思う。
神セリフ
「私たちは、妖精の姿を見、声を聞いた時から戦士になったの。この世の美しい物全てを守るために、この美しい世界、美しい人の心を…。」
はるなと美加の前に現れた、生き残った最後の妖精シーロン。
彼女の姿を美加も見れたから…という事も一理あるが、私は今の自分達の現状を分かりやすく説明した事に最大の意味が成されていると考えた。
案の定、全てを知った時の美加の目からは疑いの視線は消えていた。
そして、このシーンがあったからこそ、美佐(山口先生)が正気に戻ったシーンが生きてくる。
必死の想いで美佐に飛び込んだ美加を殴り飛ばした際に落ちた、姉妹の写真の入ったペンダント。
彼女達の間には自分の事を全て曝け出しているからこそ結ばれている絆があった。
教員を辞めたい…という想いを隠さずに妹に伝える事で自分の弱さを見せた美佐。
私は兄だが、弟に弱味を見せるのが苦手だ。
きっと弱味をもっと見せていたら、絆ももっと強く結ばれていたに違いない。…とこのシーンを観て痛感した。
話は逸れたが、ターボレンジャーである力達は地球を守っている強味はあるが、大切な人に嘘をつかなければいけない弱味も並走している。
素直の″直″は″直角″の直。
素直に山口美佐に今の現状を話せば、力達と美佐の想いの間には強い絆の橋ができていた。と私は思った。
親の事を思うからこそ、言えない事は長い人生の中で幾度とある。
だからこそ、素直な気持ちをぶつける事は必要だと思う。
話してみたら、案外スムーズに問題解決する場合も、お互いのモヤモヤが晴れるケースも意外と多い気がする。
そのぶつかり合いの数がお互いの想いに沢山の橋をかけてくれる。
そして、そのかかった多くの橋がモヤモヤという心の渋滞を解消してくれるハズだから。
話は逸れたが今話に出てくる山口先生の妹、山口美加はターボレンジャーの次作品である地球戦隊ファイブマンの星川レミ(ファイブイエロー)役の早瀬恵子さんが演じていた。
レミ同様にカンフーが特技という所にクスッとでき、ファイブマンの時と遜色ない体の使い方に″おっ!″となるので、合わせて今話を通して確認して頂きたい。
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…もちろん、一緒にモヤモヤも蹴り飛ばして貰いながら(笑)