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【感想】『考えすぎない練習』ジョセフ・グエン
今回はジョセフ・グエン著『考えすぎない練習』を紹介します。
この本の概要
イラストは無し。文章のみ。
文法がおかしいところは無いですが平易な言葉遣いなわけでもなく、読みやすさは普通です。
「物事が上手くいかないのは頭で考えているせいである。恐れや不安は思考からくる。
何も考えず、心に浮かんだ直感に従うべし。」
そんな主張をしている本です。
なぜ考えることは良くないのかを語る部分が長く、タイトルにあるような、考えないための練習方法は載っていません。
直感に従う生き方とはどういうものかを説いている本です。
まず「考え」と「思考」の違いを理解する
この本では「考え」と「思考」の違いが重要になります。
まず「考え」は頭に浮かんでくるアイデアそのものです。行為ではなく持ち物であり、動詞ではなく名詞です。
考えがなければ、私たちは何も経験できません。「考え」は名詞、つまり物の名前であり、私たちが「行っている」行為ではなく、「持っている」ものだと理解しておくことが重要です。
一方、「思考」は
知的素材である「考え」に向き合う行為が「思考」です。
「思考(考えること・Thinking」は自分の考えについて思考する行為です。思考するためには相当量のエネルギーや労力、(限りあるリソースである)意志力が必要です。
「思考」が全ての苦しみの原因
私たちが「考え」について考え始めるやいなや、自分自身の窮屈な思い込みや判断、批判、指令、条件付けをその考えに投げかけ、なぜそれができないのか、なぜそれを手にすることができないのかという理由を無限に考えだすからです。
例えば同じ仕事をしていても「この仕事は意味がある」と考える人は仕事中に幸せを感じます。
一方「こんな仕事は無駄だ」と考える人は仕事中にストレスや苛立ちを感じるでしょう。
その人が幸せを感じるかどうかは仕事の内容ではなく本人がどう考えるかによって決まるのです。
では「こんな仕事は無駄だ」と考える人が、その思考を手放すことができたらどうでしょうか?
無駄なことをさせられるというストレスは無くなるはずです。
また、大きな喜びを感じている時、人は何も考えていません。
思考しながら幸せな感情に浸ることは無いのです。
このように、思考を手放すことでネガティブな感情から解放されることができるのです。
なぜ私たちは思考してしまうのか
頭脳の役割は、私たちを生存させておくことです。生命に危険が及んだら警告を出してきます。
思考してしまうのはその警告に耳を傾けるからであり、生存のために必要なことです。
しかしその思考はネガティブな感情の元になります。生命の脅威にさらされていない現代社会では、思考を手放して幸せになることができるのです。
思考から解放される方法3選
①何も考えない環境を整える
日常生活の中で考えすぎな状態に陥った時、そのきっかけを確認します。
考えすぎの元を見つけたら、生活から取り除きます。
以下のようなカテゴリーで考えていくことができます。
身体的健康:取り込んだ時に考えすぎ状態になるものは何か?(食べ物や飲み物)
物理的環境:周りにあることでイライラさせられるものは何か?
デジタル環境:どのアプリやプログラムが苛立ちのきっかけになるか?
デジタル消費:どのようなメディアやコンテンツを消費すると考えすぎを起こすか?
反対に、これらのカテゴリーで触れていると何も考えずにいられるものもあります。
そうしたものを見つけたら、なるべく日常生活に取り入れるようにします。
そうすることで、考えすぎ状態を引き起こされることが少なくなっていきます。
②朝のルーティンを作る
重要なのはルーティンの内容ではなく、朝起きて何も考えなくても一連の作業を実行できることです。
朝からメールややるべきことをチェックすると、思考から1日が始まります。
何も考えない状態になるルーティンから1日を始めると、その勢いが持続して思考を手放しやすくなります。
③1日の中で何も考えない状態になれる時間をつくる
日記をつけたり、散歩したり、瞑想したり、ペットと遊んだり、昼寝したり、ヨガをしたり、リラックスできることなら何でも構いません。
思考から生じるネガティブな感情は、危機管理の面で役に立つこともあります。
なのでネガティブな感情を全く感じないようにすることは目指していません。
ですが思考の量が増えていくと大きなストレスを抱えることになります。
そこで1日の中で思考しない時間を作ることで、思考の流れを断ち切ることができます。
思考から解き放たれると直感に従うことができる
考えとは自然に頭に浮かんでくることで、直感とも呼べます。
直感では常に何をすべきか分かっており、それは導きのように頭に浮かんできます。
ですがその直感に従う人が少ないのは、思考が恐れを生み出すからです。
思考は過去を元に未来を予測しようとし、浮かんできた考えに向き合いストレスを生み出します。
そうしているうちに直感は消えていくのです。
「問題は、それを作り出した時と同じ意識レベルでは解決できない」–アルバート・アインシュタイン
直感はほとんどの場合、合理的ではなく、突拍子もないものです。
ですが今までにない行動をとることで、今まで抱えていた問題を解決することができます。
そのためには。思考を手放して直感に従うことが重要なのです。
まとめ
思考はネガティブな感情のもと
思考を手放すには、考えすぎの元を生活から取り除く
朝のルーティンと1日の中で考えない時間を取り入れる
思考を手放せば直感に従うことができる
直感に従うことで今まで抱えていた問題を今までにない方法で解決できる
【正直レビュー】主張には納得できるが、実践的な部分は少ない。
神聖なもの、宇宙、インスピレーション。
そんな単語が多く出てくる、スピリチュアル感の強い本です。
ハウツー本のように見えますが、肝心の考えすぎない練習方法はどこにも載っていません。
明日から実践できる具体的な取り組みはかなり少ないです。
原題は「Don’t believe everything you think」で、「考えていることを信じるな」なので
方法…とは少し違う気もしますね。日本語のタイトルから想像される内容とは異なります。
ただ言っていることはもっともですし、刺さる部分もあります。
直感に従った目標は意欲を持って取り組めるが、思考からくる目標は「切羽詰まった状態」で立てたものである、という言葉は心当たりがありました。
スピリチュアルな本として読む分には良いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
本好きひつじ🐏📕