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#妄ツイ
Re:Break Prologue
2022年 9月
埃っぽい部屋で1人、目が覚める。
床には使用済みティッシュや
コンビニ弁当のゴミばかり。
いつかの景品だったタペストリーも見つからない程に。
「キモッ。」
自分からでた廃棄物に吐き気がするルーティーン。
習慣は週3以上の頻度で2か月続けることで
生まれるらしいから、もう最早これは病気だろう。
仕事を辞めて2ヶ月。
バイトを初めて4日。
バ先の大学生から馬鹿にされるのはま
Re:Break 1
ーーーーーーpipipi
「ん、、、」
視界に色が戻った。
いつも聞こえるアラームの音共に
ふと周りを見ると、そこはいつもの部屋。
「キm
そう言いかけて気付く。
清潔すぎる。
フローリングの色ってこんな色だったっけ。
朝日の入り込んだ部屋。
カーテンなんていつ開いたのが最後だろうか。
既に開いていたカーテンを見て思う。
カーテンの縛り方なんてまるで、
「やっと起きたか。」
「、、
Re:Break 2
「どうやったら元に戻れるか、
それだけ答えろ。それ以外喋るな。」
さくらの目をまっすぐ見つめた。
「過去を変えること。」
「だから、、、!」
「何か一つ、過去を変えない限り戻れない。
それが、この石を使う条件なの。」
もう何もかもにイライラする。
「勝手に石を使っておいて、条件とか出すなよ。」
「それしかなかったんじゃん!!」
「は?」
「○○のせいじゃん!!」
流れる涙を
Re:Break 3
家を出て徒歩五分。
オレンジの看板を立てたパン屋がある。
名店の佇まいとは言えないけれど、
どこか風情を感じさせるパン屋。
良き匂いのする方へ向かえば
自ずとそのパン屋につくとも言われるそのパン屋は
僕と奈々未が最初に出会った場所だった。
「やっぱり、パン屋からなんだね。」
さくらは手を後ろに組んで満足そうについてきた。
「別についてこなくても、、、。」
理解がまだ追いついてない
この世
Re:Break 4
「あの子はね、真っ赤に染まっちまってる。」
寒空の下、公園のベンチの前
ゆらゆらと揺れる煙が目に入る。
相も変わらずさくらは黙ったまま。
「どういうことだ?」
「そのままだよ。坊や。
その子はね、魔法を使ったんだよ。
自分のためにね。」
「、、、!」
さくらの目の瞳孔は開き切る。
この反応から察するに、
マダムの言うことは確からしい。
「魔法を使った?そんなこと知ってる。
俺の目
Re:Break 5
「じゃあ、おやすみ。」
あの後何を話したかは、もう覚えてなかった。
ただ、いつまでも鳴り止まないドラムと
いつまでも消えない唇の感覚だけがそこにはあった。
あの頃でさえ、まだ奈々未と付き合っていた頃でさえ、
こんな感覚にはなったことがなかった。
「おやすみ。」
そう返すと同時に暗くなった部屋は、
なんだか妙にしっくり来た。
「ん、、、、。」
寝返りをうったさくらの手が触れる。
「俺、
Re:Break 6
「ねぇ、ここ覚えてる?」
運転席にいる奈々未にそう言われて、窓の外を見た。
滑り台と砂場しかない公園。
どこにでもある、風景。
けど、ここは特別な場所だった。
始まりと終わりの場所。
付き合って、振られた場所。
奈々未にとっては希望の場所。
俺にとっては絶望の場所。
面白くもない対比だ。
「俺が告白した場所、、、だね。」
「そう。そして、私が振った場所。」
「うん。、、、へ?」
Re:Break 7
「さくら!」
知ってるようで知らない道をただ、進む。
その間に垣間見える景色一つ一つが奈々未との過去で。
「ついてこないで!」
悲痛なさくらの返答にただ、心が痛んだ。
「聞いてくれ!」
「いやだ!」
ただただ意味のないやりとりが住宅街に響く。
ふと思う。
今のさくらが僕なんだな、と。
答えを聞くのが怖くて、
次の行動全てが恐ろしくなって。
全てから逃げ出した。
側から見れば、大
Re:Break 8
「私、まだ○○のことが好き。」
「、、、ありがとう。奈々未。」
▽
目覚めた時に隣にいる人は
本当に私の愛する人なのだろうか。
その答えを毎日、探していた。
公園で一人泣くアイツを、○○を
忘れられなかったから。
何度日を跨いでも、幾ら仕事に打ち込んでも、
何度、彼に上書きされようとも、
しっかりと焼き付いていた。
今横にいる人に何か不満を抱いたことはなかった。
それが怖かった。
Re:Break 9
「俺、決めたよ。変える過去。」
さくらとの思い出の公園。
5時の防災放送と、首筋を冷やす風。
2人だけの空間。
決意のこもった眼差しと、
戸惑いの眼差しが交差する。
「決めたんだね。」
「うん。」
拳を握りしめる二つの影。
「、、、同じこと言うけどさ。」
「うん。」
「私のエゴ、だったんだよ。
だから、、、さ。」
「うん。」
「このままで、いいんじゃない?
変えなくて、いいんじゃな
Re:Break 10
「一回整理しよう。」
家からほど近い幹線道路に入った車は、
直線を滑らかに進んでいく。
所々、舗装されていない道の振動を除いては。
「奈々未は、俺と結婚してる。
俺は相変わらずこの仕事をしてる。」
助手席の久保さん、もとい史緒里さんは、
三白眼でこちらを眺めながら、
スマホをアタッシュケースに投げ入れた。
「頼むから、嘘と言ってください。
なんですか、ドッキリですか?」
「ごめん。
Re:Break Final
「もう一度言います。危険すぎます。」
史緒里さんは、もう本来の目的を忘れていた。
「史緒里さん、わかってます。」
「それでも、やらなきゃいけないの。
例えそれが、私を刺した人だとしても。」
「いいや!わかってないです!!」
史緒里さんは、机をドンッと叩いて、
俺たちを説得しようとする。
「保護されてる奈々未さんに対して、
あんたは相応しくないって、
連行されながら喚き続けた人間な