Re:Break 2
「どうやったら元に戻れるか、
それだけ答えろ。それ以外喋るな。」
さくらの目をまっすぐ見つめた。
「過去を変えること。」
「だから、、、!」
「何か一つ、過去を変えない限り戻れない。
それが、この石を使う条件なの。」
もう何もかもにイライラする。
「勝手に石を使っておいて、条件とか出すなよ。」
「それしかなかったんじゃん!!」
「は?」
「○○のせいじゃん!!」
流れる涙を拭くこともなく、
さくらはそう言った。
「○○は悪くないのに、勝手に落ち込んで、
大事な人との連絡全部絶ってさ!」
「、、、。」
「別れただけでそこまでしなくたっていいじゃん!」
「俺が悪くないなら、、、」
「何よ!」
「俺が悪くないなら!なんで別れんだよ!!」
「、、、!」
▽
「y、、、いや、やっぱり、ごめんなさい。」
何度も二人で行った公園
思い出ばかりの公園
僕はプロポーズした。
喧嘩も、すれ違いも、倦怠期も
何もかも乗り越えたはずだった。
この人しか考えられない。
互いにそう言っていたはずなのに。
未来は約束されてるって、そう思ってたのに。
「どういうことだよ?」
「やっぱりあなたのとの未来は考えられないの。」
「あのこと、まだ怒ってる?」
「そういうことじゃないの。
その件は、もう許してる。」
「じゃあなんで?!」
「、、、わかんない。本当に、ごめんなさい。」
あの時、奈々未を追いかけるべきだっただろうか。
でも少なくともその時の僕には
そんな勇気、残っちゃいなかった。
△
「何がいけなかった?どうすれば良かった?」
「、、、。」
「言えよ?
そこまでしなくてもいいなら、
どうすれば良かったんだよ。」
「それは、、、!」
「職場の先輩で、
みんな俺がプロポーズすることも知ってて、
予祝までしてもらって、どの面下げて仕事行けばいい?」
「帰ってくれば!」
「知ってんだろ。母親がもういないことぐらい。」
「、、、。」
「3年前に一緒に看取ったよな。」
「東京行く前、、、だったけ。」
「そうだよ。」
「それでも、私がいたじゃん!!」
「告白を振った幼馴染にか?!」
「それでも!そうだとしても!
一人になんてならなくていいじゃん!!」
いつもはか細い声のさくらが、声を荒げてそう言った。
「いっつもそう!!
いい加減さ、自分だけじゃなくて
他に責任押し付けてもいいじゃん!」
「、、、。」
その言葉を簡単には飲み込むことはできなかった。
それでも、ざわついた心が収まる気がした。
フーッと呼吸を一つした。
晴れるわけないと思ってた心は、
少しだけ明るくなった気がした。
「どこいくの?」
「ここにはターニングポイントばっかり集まってんだろ。」
「そうだけど。」
「もう一回、ターニングポイントを振り返る。」
「え、、、?」
「まだ過去を変える気はない。」
「、、、。」
「ただ、、、。」
「ただ、ちゃんと向き合いたいって、思っただけ。」