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日本の黒い霧⑤ 謀略朝鮮戦争
【本文より抜粋】
1951年4月11日、マッカーサーはトルーマンによって突如解任された。
その一週間前の三日、マッカーサーは朝鮮前線を視察し、韓国軍を激励し、西部戦線では米軍が三八度線を突破し、京城を回復し、勝利の追撃をつづけている時であった。
「天皇よりも偉い」神さまのようなマッカーサーが解任されたと知ってビックリ仰天したのは、日本国民だけであった。そして、解任の理由を知らされなかったのも、日本国民だけであった。
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朝鮮戦争は、南朝鮮側には資料が豊富だが、北朝鮮側の資料は少ない。この戦争に関して北朝鮮側の資料は少ない。この戦争に関して北朝鮮側が発表したものは、米韓軍敗北させた経過と、士気の旺盛だったことを述べているものばかりで、情勢分析の客観的資料といったものは殆どない。
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この戦争には、その他細菌戦の問題がある。
北朝鮮と中国側の発表によると、アメリカ軍は細菌戦術によって攻撃を北朝鮮から中国本土へ広めている、というのであった。共産側では、その証拠として具体的なものを列挙した。(略)
しかしこれらの細菌戦術が実際に果してどれだけの功を奏したかは明瞭ではないアメリカ側ではそれを、中国や北朝鮮の功名な宣伝だ、と言っている。
しかし、細菌が中国や北朝鮮の後方に撒かれたことは、ある程度信用していいのではないかと思う。
ここで思い出すのは、戦時中、細菌研究を北満でやっていた石井中将の七三一部隊である。終戦直前、石井中将は日本に帰還していたが、これを素早く庇護し、隠匿していたのは、GHQであった。ソ連ではこの部隊の裁判を行い、その裁判記録がモスクワから日本語訳で公刊されている。ソ連からは石井中将戦犯としてたびたび指摘して来たが、アメリカ側では、遂にこれを引き渡さなかったのみならず、彼を庇護したのである。
GHQ内のG2か、或いは公衆衛生部かが石井中将の研究を参考にしていたことは今も一部で信じられている。帝銀事件の犯人の用いた毒薬が、陸軍特殊研究所で研究されていたものに似ていたことから、真犯人はその部下の軍人か軍属ではないかと言われているくらいだ。こう考えてくると、日本側は、細菌の方面でもアメリカ軍への協力に参加してたと言える。
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【ササピー】
下山事件、帝銀事件、そして朝鮮戦争と読み進めると、当時の状況がどのようなものであったのかが想像出来る。
占領下の日本は、アメリカの言いなりで「もの言う事」が出来なかった(しなかった)ようである。
NHKが「未解決事件」という特別番組で、下山事件を取り上げていた。
番組では、複数の関係者の証言から『下山総裁は、GHQに暗殺された』ということを伝えていた。驚くべきは、昭和天皇まで「アメリカとはうまくやっていかなくてはならないが、下山事件は許すことが出来ない!」というような発言(録音)まで紹介された。
なぜ、このような歴史が「無かったこと」で埋もれてしまうのか、、、
無念である。
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