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コンプレックス・シリーズ

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コンプレックスのシリーズをまとめています! ノンフィクションの筆者の若い頃のハナシです!
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#メニュー

コンプレックス 13

コンプレックス 13

■コンプレックス13

飯田橋は病院や出版社が多い土地柄だったが、中小企業も多くあった。
そのような企業が、会社の集まりでちょっとした宴会でコンパートメント利用することもあったのだ。

一人5,000円込々で15人くらいの着席スタイルなんていうカジュアルなリクエストだってあるのだ。

ゲストは、料理が卓上にプラッター盛りで並んでいて、それを適当につまみにしながら飲みたい。
そんなリクエストである。

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コンプレックス 5

コンプレックス 5

フェヤーモントでは、素晴らしい上司との出会いもあった。

毎日タイプライターでメニューをカタカタ打つのはボクの仕事であった。

グランドメニューに差し込む「日替わりランチ」や「日替わりディナー」のメニューを打つのである。

仏語のメニューをタイプライターで打って、訳は手書きで、自分で調べて書き、ここからが面白いのであるが、シェフにチェックしてもらうのでは無く、取締役の料飲部長に見てもらうのだ。

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コンプレックス 3

コンプレックス 3

■コンプレックス3

その3ヶ月の間で習得しておかなくてはならなかったグランドメニューの商品知識も、
全くもってあやしいものであったのだ。

ウエイターコートは着たものの、今度は不安が色々襲ってきた。

え~い、聞くはいっときの恥と思って、
黒服のキャプテンに「あの~ウィンナーシュニッツェルって、何でしたっけ?」
私は、優しく教えてもらえるものだと、何の疑いも持ってなかった。

しかし現実は違った

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